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ミステリーじゃないよねー。
文章の表現がすばらしい箇所がたくさんあって、そこは何度も読みかえしたくなる。
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したたかに幸せになる女性の話のようだけど、辛いこと全てを背負って生きていかなければならない、辛くて優しい女性の話のようにも思える。
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直木賞受賞作の「ホテルローヤル」が出て来てスピンオフかと思われたが、本作の方が先だったようだ。物語は不倫小説かと思わせたが、話が進むうちにミステリーへと移行してゆく。そして犯罪に巻き込まれるのだがその前に既に犯罪は行われていたのだった。巧みなストーリー展開は見事で、逃げない性表現にも好感が持てた。直木賞受賞作も面白かったのでまたフォローすべき作家を発見してしまったようだ。
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解説には、削れるところはバッサリ削ったと。確かにそんなに厚くはないけど、厚さ以上の読み応えがあった。
夫は母親の元愛人で、ラブホテル「ホテルローヤル」の経営者。その夫が自損事故で意識不明。またガンでもともと余命数ヶ月だったことが分かる。
夫の継子の捜索、句会仲間のDV、税理士との関係、ホテルの経営といろんな綻びが出てくる。
節子、倫子、まゆみちゃんは最後まで逃げ切ったのだろうか。たぶん、あの3人なら逃げ切れるだろう、って思えるくらい狡賢さが印象に残った。
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母の愛人と結婚、元上司と不倫…と恋愛小説かと思いきや良くも悪くもしたたかで、自分の人生を切り開く女性たちの物語。
あからさまに母親は悪者だけど、節子や倫子とまゆみ親子もねぇ。
最後は「えっこれで終わり?!」だった。
表紙と小説の内容のマッチ加減にセンスを感じました。
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火災が起こるところから物語は始まります。
ヒロイン節子には歳の離れた夫がいて、その夫はかつて自分の母親と愛人関係にあり、自分自身も税理士の澤木との身体の関係が切れていない。
夫の事故からその歪んだ関係が動き出し、この状態からどうして冒頭への火災へと繋がるのだろうかと思いながら読み進めた。
中盤以降、桐野夏生さんの「OUT」ばりのクライムサスペンスといった様相を見せてくると、もう先が気になって結局睡眠時間を削って読んでしまいました。
最低の母親に育てられたとはいえ、澤木と関係を持ちながら喜一郎と結婚し、結婚後とも澤木との関係が切れないそんなヒロインは好きになれないけど、その一方で強かな彼女のことを応援したくなってくる。
ラストは澤木と同じようにどうか逃げ切ってくれと思うようになった。
作者さんが削りに削ったと語っていたとおり、早い展開で間延びせずに読めたのが良かった。
この作者さんの作品を読むのは2作目だけど、人間の澱んだ感情を表現するのが上手いなあと感じた。
情景や心理描写に陰鬱な印象を持ってしまうので、精神的に落ち込んでいる時に読むとしんどそうな感じ。
「ラブレス」も持っているので、元気な時に読もうと思います。
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釧路のラブホテルを経営している夫が事故にあってから、主人公の人生が崩れ始めるはなし。読んでいてすがすがしい話ではないし、どうなるのどうなるの?というような激しい展開もないけれど、淡々と進んでいく感じ。うすぐらーい曇り空のような内容だった。
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母の愛人と結婚した女、節子、30歳。焼身自殺をしたところから話が始まる。愛人はラブホの社長。自分の浮気相手はラブホの税理事務所の所長。元上司。交通事故で夫がベジタブル。
母が夫と関係を戻していた。
「ずっと続いていた」の言葉にキレて母を殺してしまう。
自分が自殺したとみせかけて母の遺体を燃やす。
浮気相手の澤木(事務員時代の所長)が遺言どおり散骨。
刑事が気がつき、捜査開始。節子の実母の行方を探している
夫が死ぬ。ホテルで働く女を社長になるように説得。
使途不明金が1000万円を帳簿上ごまかす
逃走先と思われる釧路へ。夫と別れ、暮らしている友人のパン屋でパン職人として暮らしている、整形手術をしていた。
短歌サークルの知り合いの女性がDVをうけていた。
小学生の娘にもDV。小学生が自分に助けてを求めている。
夫の実の娘を見つけて預ける。小学生が保護されて誘拐事件に発生。
DVの夫を睡眠薬で眠らせ、風呂に入れ、自殺にみせかけて殺す。
失踪先は、この女の家。
ラブホテルの名前は、ホテルローヤル
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道東・釧路で『ホテルローヤル』を営む幸田喜一郎が事故で意識不明の重体となった。年の離れた夫を看病する妻・節子の平穏な日常にも亀裂が入り、闇が溢れ出した――。愛人関係にある澤木と一緒に彼女は、家出した夫の一人娘を探し始めた。短歌仲間の家庭に潜む秘密、その娘の誘拐事件、長らく夫の愛人だった母の失踪……。次々と謎が節子を襲う。驚愕の結末を迎える傑作ミステリー。
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グイグイ引き込む…黒と陰の切り返しの表現・単語、、見破られない狡猾な星々の女性陣の逞しさ。無駄を削ぎ落とした分、深みを増すミステリーサスペンス♪。
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ひとの繋がりの空虚さと尊さ。節子は強い。拒まず受け入れ、でも芯は失わない強さ。
ホテル経営者の男性と、母子二代で彼と関わる女性と。かなしい強さ。
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「ホテルローヤル」で、すっかり桜木紫乃作品の虜になった。
恋愛小説だと思い読み進むたら、あら?
ミステリーでした。
最後に進むまで、気が付かなかった。
殺人事件→犯人はだれ?
なんて単純な話ではない。
誰にでもある闇を綺麗に書く桜木紫乃さんは、すごい作家さん。
そして、舞台はぶれずに北海道。
ますます、桜木紫乃作品を読みたくなりました。
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最近、桜木紫乃さんの本が面白い!と思っていたところなのですが、この本は…
ホテルローヤルが舞台とのことで、楽しみに読み始めましたが、なかなか進まない…
ホテルローヤルと関係はあるけれど、舞台という感じではないような気が…
桜木さんの本はお気に入りのものもあるので、また他の本を読んでみることにしましょう!
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女性はミステリアスなほうが魅力的だと男性は言う。
けれども、それは「男性にとって理解しうる範囲のミステリアス」なんだろうなと思った。
ヒロインの節子は、この物語の主軸であり最大の謎なのだが、もう怖い怖い。節子のやることなすことは、男性にしてみれば、恐ろしいことばかりなのだ。
節子それ愛やない、情やって言いたくなる。
この本と直接の関係が無いけれども、「つまをめとらば」で男性作家の描く「怖い女」を知り、「田舎の紳士服店のモデルの妻」で女性作家の描く「普通のヒロインの奥深さ」を知り、そしてこの作品である。
われながらタイミングが見事だ。
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かなりよい。好き。
しかし、旦那殺しって、あんなに簡単に行くものなのかな?w
子供から大人まで・・・女はコワいね、ってお話w