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なぜかたまたま、部落について勉強したいなと思ったときに出会ったほん。
いのちに感謝して、
それを準備してくれる人に感謝して。
簡単な語り口調だけど、
書いてあるのはとても大事でわかりづらいこと。
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毎年、楽しみにしている夏の文庫フェア…
角川文庫から選んだのは、この一冊。
小学校高学年から中学生向けに書かれた本書だけど
年層を問わず…いや、大人こそ読むべき…と思った。
幼少の頃を思い返すと、なにかにつけて、
「なんでそうなるの?」と思ってた…
理由がわからないものは覚えられなかったし、
ラジオや時計も、ばらばらにしては怒られてた…
「なんでそうなるの?」を日常意識しなくなる…
大人になるというのは、そういうことかもしれない。
でも、それは、なんとも寂しいことだ…
それにとどまらず、多くの社会の問題はそこにある。
本書は、そういうことを思い返させてくれる。
スーパーには、野菜も魚も全体の姿を見せて
売られているのに、肉は違う…パックされて
商品になるプロセス…「あいだ」が見えない。
そんな素朴な疑問から説きおこされる…そして、
話は差別の問題へと移ってゆく…生きてゆく上で
忘れてはならないこと、欠かしてはいけないこと…
それを、本書は、繰り返し訴えている。
-大切なのは「知ること」
知って「思うこと」
人は皆、同じなんだということを、
いのちはかけがえのない
存在だということを。
政の場での暴言がかますびしい…
やってることは暴挙とも思われる。
初心に帰る…と云うならば、
前の一節の精神に立ち返るべき…と思う。
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140630
この本を読んだからといって、今日から肉を食べなくなるなんてことはやらないし、できない。
でも、この本を読むことで少なくとも命について考えることができた。
生きると言うのは何かから命を奪うということ。そこには矛盾もある。でもその矛盾に慣れてはいけない。見ないふりもできない。思考停止は命に失礼。考えて、考えて、考えよう。
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マグロの解体ショーは見るけど、
黒毛和牛の解体ショーってないですね。
さて、なぜでしょう。
色々考えさせられますが、ぜひ、若い子に読んでもらいたい。
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語り口の好き嫌いはおいといて、この一連を書いてくれる日本人がいてよかったし、日本語で読めてよかった。
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もともとは子供向けに書かれた本。
一般的にはあまり知られていない食肉市場、特に「と場」の紹介が主題。
その「と場」がなぜ知られていないのか、あるいはなぜ意識的に忌避されて来たのかということが、文化的背景や歴史的背景も含めてわかりやすく説明されている。
それだけではなく、そういった集団的な「思考停止」がもたらす恐ろしい状況についても言及。
題名の『いのちの食べかた』を起点に、著者が若い世代に熱く語りかける作品だった。
子供向けということもあって、あっという間に読み終わった。
…とはいえ、遅読なので2時間くらいはかかってしまったけど(^^;;
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いのちの食べかた、これまで読んでそうで読んでいなかった本。
森達也さん、こういうふうに来るか、という感じ。このひとはどんなテーマにおいても、自分の実存を賭けて問いを投げてくるようなひとで、あらためてすごいひとやなと思った。
私たち人間は、ほかのいのちを食べることによって生きている、だからそんないのちのことを知らないといけない。大切なのは、知ることだ、と何度書かれていたかわからない。
迷い、悩み続けて生きていきたいですね。
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ルビが前編にあって、子供にも読みやすいです。
ただ、中学生以上には、読み易す過ぎると感じるかもしれません。章にも別れていて、分かりやすいです。
知らないことで思考停止になるなというのが繰り返される、伝えたかったことかなと思います。
終わりの辺りの、穢れや部落差別問題、戦争の話などが、少しいのちの食べかたとはそれてしまったかなと思ってしまいましたが、その部分も面白く、考えさせられる部分が多いです。
映画監督の伊丹万作さんの「戦争責任者の問題」
も視点が興味深かったです。誰がではなく、誰もが責任者だったのだという理論。
中学ぐらいで、ソーセージを作る時に、ソーセージを肉から作る部分の映像をみて作ったことがあるので、血入りのソーセージがドイツにはあって、ポトフとかにそれを入れて食べる。コレがまさにこの本に書かれてることに近いなぁと思い出したり、差別問題は、本編に出てくる狭山事件について議論する場所があったりしたので、忘れてしまった部分を思い出して、また考える機会になったと思います。
原題our daily bread 邦訳いのちの食べかたというドキュメンタリーが、直接関わりあるのかなぁと思っていたのですが、内容は近い部分があるけど、別の監督が作った映像に、内容をみてから同じタイトルのドキュメンタリー映画として、公開されていたようです。こちら見られてないので、この映画も機会があればみてみたいです。
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今年26冊目。
まずは知ること、そして自分で考えること。
私も歴史の授業、特に部落差別問題を扱う際に強調することです。
平易な語り口で、歴史や文化、現代社会の陰の部分を教えてくれます。
屠殺について私も知らないことばかりだったから、勉強のつもりで読むことにしたのだけど、意外にも部落差別問題やその解決に向けた記述、戦争や人間についての記述が多くを占めており、興味深かったです。
子ども向けに書かれているものだから、社会を知る・歴史を知る・考える入門としては良いかも。
生徒にもすすめてみようかな。
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忘れてはいけない大切な言葉がたくさん書いてある。
命をいただくことによって、私たちは生きることができていること。
けれどもその過程の作業をする人は、穢れていると差別されてきていたこと。
差別の心からいじめや戦争は起こること。
事実を知ることの大切さ、考えることの必要性。
若者向けの、とても読みやすい本だけれど、油断すると付箋だらけになってしまう。
最初のほうにこんな文章がある。森達也自身の言葉として。
“たとえば公害。たとえば原発の事故。そしてたとえば戦争。最初の段階ならこれらを回避する方法はいくらでもあったはずなのに、誰かが思考しなくなり、その誰かが少しずつ増え、やがて皆の思考が停まり、そして最悪の事態が起きる。多くの人が苦しむ。多くの人がなく。そして多くの人が死ぬ。でももう遅い。もう間に合わない。すべてが終わってから、誰かが言う。「どうしてこんなことになっちゃったんだ?」そこで皆で顔を見合わせる。責任者を探すけれど見つからない。それはそうだ。責任者は全員なのだ。でも誰もが、いつの間にかそれを忘れている。”
終りのほうには映画監督伊丹万作の文章が引用されている。
“つまりだますものだけでは戦争は起こらない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起こらないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。
そしてだまされた者の罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。”
私たちは私たちが食べたものによってできている。
そのことすら考えようとしないで、事が起こってからだまされていたと怒ることの愚かさと無責任。
菜食主義だって、植物の命をいただいているわけで。
命をいただかなければ生きていけないことを自覚し、苦しみ、それでも食べて生きて行かねばならないその業を、もっときちんと考えようと。
命を奪うことなく生き物からいただける食品は、乳だけだと荒川弘は言った。
命を繋ぐことの意味。痛み。責任。
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最初、読み始めは子どもに向けた文章のような感じで、読みやすそうだなと思っていた。
だけど、とても濃い。
食事、いのちを食べる私達。いのちを食料に変える人たち。それをする人を、昔の人は「穢れ」とした、まさかの差別の問題。
大切なのは知ること。そして思うこと。だと著者は言う。
この本のタイトルの映画もあるのだそう。見てみたい。
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前半は,と場について.自分の世代は,と殺場として認識している.後半は,差別について.動物を解体する人々は,日本の歴史上,穢れた職業とされてきた経緯を受けて.我々に殺されて食肉になる様は,言葉でしか綴られていないけれど,それについて考えることを迫って頭から離れない.
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思わず表紙買いしてしまった。
内容は全体的に、食べ物をベースに哲学的な部分にも触れていて( 7:3 ぐらい)、小学生と会話するような軽やかな文章で記されてる。本が苦手な人でも4時間もあれば読めるだろう。
しかし、ただの易しい『食育の本』だと思い読んでいくと、意識せず目を背けて忘れてしまっていた所まで、ごく自然に連れ戻されてしまう。
そんな本の内容と五十嵐大介さんの表紙絵がマッチしている。それが個人的にすごくツボで、この本を手に取らざるを得なかったと、後になって納得した一冊。
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食べ物の話かと思って読み始めたが、大事なことがたくさん書いてあった。
人間は忘れっぽい生き物で、無責任な生き物だということを自覚して、「知ること」「思うこと」を意識しよう、と思いました。
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自分たちが口にする食肉の行程や歴史が非常に分かりやすく記されていた。
また、単なる食肉の成り立ちだけではなく、現代を構築する様々な矛盾や問題点にも言及している。
この本を読んで大切なことを色々思い出すことができた。
人は忘れっぽいから人に止められ、いつしか何がしたかったのかなにを伝えたかったのか、何になりたかったのか忘れてしまう。
それでも時々、こういういい書物を読んで思い出す。
屠畜だけではなく、自分の源を再認識することが出来た。
子供向けのためすぐ読めるので定期的に読み返したい本。