紙の本
グリーン・マイル
2020/05/11 19:45
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
まだ観ていませんが映画化されていて、ヒットしていたと思います。グロテスクな描写もありますが、読んで良かったと思えました。
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「読書人必読!全世界が泣いた(略)」
感動で泣いたのではない。
おぞましくも、切ない人間の在り様に涙し
それに耐えきれない一人の男に
そしてそれから逃れることを許されず、
みなを見送ることしかできない男に涙するのだと思う。
救済と呪い(のろい)とあるが
呪い(まじない)であり呪い(のろい)でもある。
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盛り上がるポイントは押さえつつ、どこかやるせなさや郷愁をにじませしっとりと終える。
上巻のレビューで、この小説の発表形式についてはちらりと書いたけど、構想の段階でなく書いていくうちに、この展開と結末の雰囲気にたどり着けるなら、やっぱりスティーヴン・キングは稀代のストーリーテラーなんだろうなあ、と思います。
上巻ラストから、下巻の中盤まで物語の高低差がとにかく激しい。地獄、天国、また地獄……と突き落とされては、すくい上げられ、また突き落とされるような……。
特に4章にあたる部分の、死の描写はえげつない……。ホラー作家スティーヴン・キングの面目躍如というべきでしょうか。グロテスクで凄惨で痛々しくて、目も当てられないような描写なのに、それでも魅せられてしまったかのように、読まずにはいられない。
自分の趣味がオカシイのも差し引いても(苦笑)改めてスティーヴン・キングの文章力のすごさを感じます。
こう書いているように、スティーヴン・キングといえばやはりホラーのイメージが強いのですが、一方で冒険小説家の側面もあるように思います。
『スタンド・バイ・ミー』であったり『IT』であったり、子どもたちが何かを計画し、そして未知なる世界や脅威へ向かう、そのワクワク感であったり、冒険感であったり、そうしたものもスティーヴン・キングの魅力だと思うのです。
看守たちが立てる秘密の計画、そして決行。看守たちはもちろん大人なのですが、それでもこのワクワク感とハラハラ感は堪らない。冒険に年齢は関係ないのだと思わされます。
そして物語はクライマックスへ。てっきり泣かせにくるのかと思ってたのですが、こう来るか……。やっぱりスティーヴン・キングは一筋縄ではいかない……。
この小説の印象をまとめると、神々しい奇蹟や、人の優しさが描かれる一方で、容赦の無い悪意や死、運命に対しての哀切、過ぎ去ってしまった時代への郷愁があるように思います。スティーブン・キング作品で度々描かれる、郷愁やもの悲しさややるせなさ、そうしたものが今回も味わい深く描かれているように感じました
ミステリ・ファンタジー的な側面もあり、スティーヴン・キングらしい恐怖描写もあり、冒険的な面白さもあり、人の善意と悪意を描き、そして深い余韻の残る文芸作品でもある。
元々6冊分冊形式で、毎月出版され、また1巻、2巻発売時点で結末を書いていなかったことなんかを考えると、スティーヴン・キングがその時々で、自分の中の引き出しを開いていき物語を完走させたような作品のように思います。
だからこそ、この『グリーン・マイル』は先に書いたように様々なジャンルを横断しつつも、最後にはスティーヴン・キングらしいところに落ち着いたのかなと思います。スティーヴン・キングの様々な面を読むことが出来るので、キング初心者にも勧めやすそう。
あと、もう一つ『グリーン・マイル』を勧めやすい理由は、わりかし物語のテンポがいいこと。1章ずつ出す上でページ数を前もって契約してたのかな。スティーヴン・キングの長編ってこれでもかという描写で、物��をゆっくり進めていくイメージがあったのですが、『グリーン・マイル』は章ごとにページがほぼまとまっていて、転換点も分かりやすいので、とてもとっつきやすかったように思います。(普段のスティーヴン・キングに毒されてるだけかもしれませんが)
もしこれが普通の長編として書かれていたら、上・中・下巻くらいにはなってたんじゃないかなあ。それはそれで、面白いのだろうけども。
1998年版このミステリーがすごい! 海外部門3位
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初のスティーヴン・キングの本を読み終えた。ホラー作家なので、怖いものだけと想像していたが、感動、悲しみ、恐怖など色んな感情を抱かせてくれる作品であった。
不思議な力を持つコーフィを中心に物語が進んでいき、双子の少女殺害の真実、そしてポールの未来にまでコーフィの力が影響を与える。
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スティーブンキングの小説は、人間の心理や不条理、本質をうまく描写している。
また、話がうまくつなげられておりあのシーンの続きはどうなったのだろうと思うと、次章でしっかり読者の疑問に答えてくれる。