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昭和50年代の荒木町の人間模様に起因した殺人事件の話です。
当初は当時の時代背景から地上げ屋絡みの事件と絞り込まれていた。ただ、再捜査の結果、時代だけではなく、花街という特殊な地域背景が見出され、事件の解決に至る。
時代による人の感情の変化。現代人と当時の人。
なかなか、そういう観点で面白かったですね。
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代官山コールドケースやユニットがよくて佐々木譲さんのファンになったが、これは私にはなんだか地味すぎていまいちでした。
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事件の本当の姿が明るみになっていく物語は引き込まれながら読んだが、この事件を再捜査しようという動機部分はなんだか弱い感じがした。そこだけはどうしても共感できない部分。
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事件の真相は、半分くらい読んだとろろでもうヨメてしまった。でも、何回かしか行ったことはないけれど四谷荒木町はとても雰囲気のある印象的な町だったので、その町の歴史や住人たちの記憶・人生が絡まりあって展開するストーリーを、最後まで興味を失わずに読めた。花街があったというのはなんとなく知っていたけれど、花街があった時代を自分だけで想像することは難しいので、こんな時代があの町に…と思うと、とても面白かった。
解説者が「都市小説」という言葉を後書きで使っていて、警察小説というより、その方がしっくりくるなと思った。その町に降り積もった時間の地層を少し掘り起こして見せてもらったよう。また四谷荒木町を訪ねてみたくなった。
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こういうタイプの警察小説は嫌いじゃないです 古い町で色んな人が絡んだ事件は面白いで、私は好きです。しかしながら このタイプは所詮コールドケースの二番煎じです。古い事件だからどうしても複雑な内容になる。前半ダラダラ 最後はさっと 難しいでしょうが
そんな物語を作って欲しい。
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未解決事件の再捜査。過去の資料を紐解きながら現場を這う。それはまさに地層を掘り返していくかのような、執念の推理と捜査劇。
見えてきた一筋の光をこじ開けながら、少しずつ少しずつと真実に近づいていく緊迫感、臨場感は申し分ない。水戸部と加納の絶妙なコンビ。
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とても地味な捜査ではある。
そこをとても丁寧に調べ上げていく水戸部刑事。
相談員の加納はかなり怪しく、何かを隠しているのかと思っていたら…
派手さはないですが、とても良かったです。
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『火刑都市』みたいなのを読みたいなーと思っていて。
いつだったか、これのドラマを見て意外によかったのを思い出したのがきっかけ。
読み終わってみると、これはドラマの方がよかったかもなーと。
ドラマを見たのはずいぶん前だから、うろ覚えのところもあるんだけど、原作よりも小鈴や国枝、そして鈴佳の人となりが描かれていたように思う。
また、原作には出てこない鈴佳の妹も出てきて、登場人物たちの愛憎や淡い夢、哀しさに味があった。
一方、原作は場所の匂いこそ濃厚なものの、そこにあった小鈴をめぐる事件がうまくからんでないって言ったらいいのかなー。
それが過去のことだけに、欲や愛憎のどろどろさが妙にさらっとしすぎちゃった気がする。
そのため、ただでさえ地味な話が、地味、地味、地味、地味、地味ぃ~とエピソードでつながって。
最後に、瓢箪から駒ならぬ、その地味からまたまた地味ぃ~駒が見つかって。
ま、それは登場人物たちからすると、ちょっと湧くことなんだけど、でもストーリー的には全然湧かない、みたいな(^^ゞ
最後の最後の真相(?)も、やっぱり地味ぃ~に語られて、その辺りと鈴佳の淡い夢の対比を前面に出したドラマの方がお話としては上手かったなーなんて思った。
もっとも、それを、2時間ドラマにありがちな話に落とし込んじゃっただけ、と言ってしまうならその通りなんだろうけどさw
ストーリーはともかく、鈴佳が昭和29年に荒木町の花街に12歳で売られてきたという境遇にどきりとした。
主人公の刑事は、それを聞いて「戦後のことですよね」と聞き返す。
それを言ったスナックのマスター(ママか?w)は、「まさか、もう当時は人身売買なんてあるわけない、と言うんじゃないでしょうね」と言う。
それに対して主人公が「いえ」と短く答える、その展開。
それって、たぶん著者が読者に“戦後に人身売買がなかったなんて思ってないよね?」と問いかけているんだろうなって思うのだ。
いや、著者だって、たぶんこの本を読もうと思う読者なら、ちょっと前まで人身売買があったことを漠然と知っているはずだと思っているのだろう。
だから、スナックのマスター(ママ?w)の口を通して、「そんなこと、忘れちゃった?」と読者に問うているんだと思う。
貧困とか、格差とかって、今の日本ではよく聞くけど。でも、ついこの間まで日本(人)は貧乏だったということって、意外と忘れられているor知らないような気がするんだけど、どうなんだろう?
あと、最後の方で、主人公に協力している元刑事の加納が言う、「殺しの理由は、男と女の間のしょうもない結末、バブルの頃の、相続遺産をめぐっての身内の殺し。
わずか8万円の借金のことで人を殺した一件もあったな。人の馬鹿さ加減とかあさましさの、最後の後始末をやっているのが自分のような気もした」というのも、思わず「うーん…」と言っちゃうというか……。
それは、例の京王線の事件が、まさに加納の言う“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”だったように感じるからなんだけど。
いや、殺人事件なんて、いつの時代も���人の馬鹿さ加減とかあさましさ”だと思うのだ。
現に、“自殺は怖いから死刑になりたくて人を殺した”なんて事件、ぱっと思い浮かべてもいくつか思いつくわけだ。
ただ、それにしても、“人の馬鹿さ加減とかあさましさ”の“しょうもない結末”が、どんどんエスカレートしているような気がする。
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警視庁、時効切れ事件が法改正で再浮上。それこそ、地層の化石発掘ならぬ事件掘り起しの展開。
四ッ谷、20世紀終わりごろと言えば地上げ屋、札束で頬を殴る的な世情の中で「失踪」の語の下に消えた人もいたろうなと思わせる臭気。遡ること25年、清張が書いた黒革の手帖程の生臭さがなく、すっきり佐々木節は鮮やか。
戦後、生き残った「最後」の芸妓やおかま、旦那など世相がじっくりページに浮かび上がって来た。
水戸部と組んだ男、加納は捜査員、一歩退いた立ち位置ながら清張にも出てきたような【臭い何か】をかぎ取る人物。
「代官山コールドケース」の味わいを思い出させてくれた。
とは言うものの、持ち込んだ渡辺という男。勲章を貰えていないと言うだけの根拠で捜査って始まるかなとは思ったかったるさが残る。
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謹慎処分を受けていた刑事水戸部は、退職刑事の加納と組んで、15年前の未解決事件の再捜査を始める。
年月を経ての聞き込みでその当時には聞こえてこなかった事も耳に入る。
30年前の事件が絡んでいたと分かる。
犯人のめぼしも付いたのだが、最後に結果は書かれていないので想像するしかない。
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殺人事件の時効が撤廃されたことに関連して、法改正以前であれば既に時効が成立していた15年以上前の殺人事件についての再捜査を描いた作品。
神楽坂界隈が舞台になっているのですが、嘗ての花街の光と影を振り返るような話になっていますね。いまも神楽坂は、人気のある街ですが、いまの神楽坂と嘗ての神楽坂は全然違う感じですね。
変わらないのが、そこに住んでいる人たち。それの悲しい人間関係が、浮き彫りにされたような気がします。
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久しぶりに佐々木譲氏の警察小説を読了。佐々木氏の作品らしく、淡々と流れる時間、雰囲気を感じました
時代背景も伺えて渋い内容でした!
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地層捜査という題名につい惹かれて読んでみた。地層の様に時が重なり、その重なりに埋もれてしまった事件が露わになっていく‥‥昭和の混沌とした夜の街を浮かび上がらせなんともいえない。定年後の相談員の想いと現役捜査員の想いがたまらなく哀愁を感じる。