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【第151回(2014年上期)芥川賞受賞受賞作】
街の風景、人の会話、移りゆく季節。
何気ない日常を淡々と、しかし、生々しく描いている。
それでいて、最後まで読ませる筆力。
回収されることない伏せんもありだとおもう。
人の日常など、そんなもんだ。
特に盛り上がりもないけれど、確実に、人の、街の、
「生」を立体化した文章は、魅力がある。
けれど。
残念なことに、登場人物にいまひとつ、魅力が感じられない。別に、登場人物が美男美女である必要も、活動的である必要もない。野暮ったくても平凡でもいい。でも、時折みせるふとした行動、考え方がどこかひきつけられるものを持っていてほしい。
私もお酒は好きだけど、西さんが頼む6杯のジョッキは素敵だと思えないし、太郎の人からもらったものを好きではないからといって、別の人に、何の躊躇もなくプレゼントしてしまう行為もいただけない。
やはり私は、本のなかでも、どこか惹きつけられる魅力的な人と出会いたい。
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取り壊しの決まったアパートに住む変わった住人。漫画家の西さんの拘る隣の水色の家。太郎もだんだんその家に引きつけられていく。庭に掘ったという穴がずっと物語の裏にあったが、最後の撮影風景は、あまりにも唐突で不要な感じがした。
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淡々とした日常的を描いてる。本を開けて、文字の大きさとか行間からすぐに読めると思ったけど・・なかなか読み進めるのがしんどかったりして。あらためてもう一回読むと、また感想が変わるかなあ。
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柴崎さんの本は多分1冊読んだだけででも割と好きで、芥川賞というか純文学は余りよく分からないのだけど、せっかくなので読んでみた。結構キャリアのある作家さんだと思ってたけど、芥川賞対象の基準がいまだによくわからん。
芥川賞受賞作=特に何も起こらず雰囲気を楽しむモノ、という認識ですが、これはちょっと違ったかな。
雰囲気はとても好き。他の作品も読んでみなきゃー。
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今年の第151回芥川賞受賞作。図書館にリクエストして二番目に読めた。離婚して引っ越してきたばかりの元美容師・太郎を中心に、壊し寸前の古いアパートに住む住民を細やかに描く作品。アパートから見える「水色の洋館」と、そこに住んでいた有名人カップルが残した「春の庭」という写真集が主体。ラストが微妙。
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世田谷の美しい家の風景を思い浮かべながら読む本。事件が起こるのかと思いきや起こらない、日常。みんな何かに拘ったり捨てたりしながら生きている。芥川賞受賞作。
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こーいうのも書ける人やったんやなぁ、というのが最初の印象。柴崎さんというと、関西弁の文科系女子っぽい子の話、みたいなイメージが強かったし。
東京というか、街というか、住んでる場所みたいなテーマは、自分の経験もあってやと思うけどすっと染み込んでくるものがあった。引越しの経験とか、1人暮らしの経験とかの有無で受ける印象が変わってくるかも、とも思う。
またちょっと景色が違って見えてくる、違う景色をもたらしてくれるお話でした。
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文章がサラサラし過ぎて良くも悪くも残らない感じ。
西が春の庭のお家について語るところぐらいしかきちんと印象に残ってないです。
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一度、途中で読むのをやめようと思った。
説明書きが長いのかわかりにくいのか、そこが気になって仕方がなかったのだけれど、数日経ってから続きから読むことにしたらすんなり読めた。
写真集で見た家が自分の住んでいるアパートの近くにあったら、外観だけでなく中も見たくなるかもなぁ。それが個性的な家ならなおさら。
そんな、ひょっとしたらあるかも? 的な話し。
しかし、実際中に入り込むには相当な図々しさがないとね。
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特定の家に惹かれてしまう事は私にもある。
通りから見るだけではなくて、もっと詳しく見たいし、中がどうなってるかも知りたい。
だからこの小説の書きたかったことは理解出来るのに、何故か感情移入出来なった。
登場人物の行動が理解しにくいかな。大酒飲みだったり(でもビールばかりジョッキ6杯も飲む人は余り見ない)、ソファだらけの部屋に暮らしたり。
物語の最後のエピソードも唐突な印象。
芥川賞かぁ。私には残念賞。
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タイトルと同じ「春の庭」という写真集が物語に登場する。それをめぐって起こる、人との関わり。語り手である主人公の思いが一番よくわからないと感じた。読むうちに、見たはずもない「春の庭」の写真集の映像が自然に頭に浮かぶ。しかし、それにしても家に対する執着はなぜそこまで?とは思った。(S.D)
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再開発の波に洗われていそうな都内の住宅街、契約が切れたら立ち退きという古いアパートと近隣の個性的な一軒家。高度成長の頃の画一的な団地での集積的な暮らしの思い出と大人になっての気ままだけど一人ひとりの日常。隣り合わせにある雲の上のような非日常。
何となく感じるものはあるが、結局作者が何を伝えたかったのか、自分が何を受け取ったのかは、はっきりしない。
庭の木々、特に海棠が印象に残った。
14-151
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さらさらと読めてしまうのは柴崎さんが確かな筆力を持っているからだろうけど、海棠の花を知らなければ、この匂いたつような春の庭を楽しむことはできないのだろう。登場人物に大きな動きはない。あるとしたら、西さんが流血しながら風呂場にたどり着くシーンくらいか。ここがクライマックスでも良かった。慣れない土地で暮らす若い母親の寂しさや悲しみ描き出しながら、春の庭をその背景に置くこともできたはずだ。
しかし、そんな陳腐なストーリーにしなくても、筆者は、この庭とアパートを行き来する人々を時空を超えて描き出すことができる。その意図は全ての芥川賞の選者にも必ずしも理解された訳ではないが、それもやはり、さらさらと読んでしまえば何も残らないかもしれない、と思った。
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今年の芥川賞受賞作品だということもあり、気になって読んでみた次第である。
薄い本なので、読みやすいと思ったが、物語に入り込むのに少々時間がかかってしまった。
西が固辞していた写真集を出した夫婦がアパートに住んでいたこと、春の庭という伏線がつながり、納得したという感じがする。
最後に大きな出来事がなく過ぎていく日々の中、アパートの庭から遺体が発見されたというのは衝撃的展開を迎えたなという感じがした。
大家の息子の言葉に思わず、切なくなってしまった。
全体的には、恋愛ものでなく、ミステリーものでなく、特に大きなどんでん返しもなく、日常の情景を体現した作品だという印象を受けた。
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描写が細かくて、流れる風景を楽しみたい気分の時に読みたい本。特に盛り上がりもなく淡々と進むので、苦手な人はやめておいた方がよいかと。