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表紙を見て、某作品みたいにペンギンが話したりするのかと思っていましたが、そこは普通で。最後にはちゃんと意味があるのがわかるんですが、ちょっと全体的に中途半端だったかなぁ。
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なくしものをした人々の物語。短編で読みやすく、それぞれの話が少しだけ被っている。
読み始めは、なくしものをした人の誰もが独りよがりな印象を受けて彼らの一挙一動に煩わしさすら覚えたが、読み終えてしまえばどことなく人生に満足しておらず自分でも気づかぬ内に逃げていた彼らを各話で主人公にすることで、目を背けていた現実を浮き彫りにしているのだなと理解した。
仕事も恋愛も充実していて何一つ不自由ない人物が主人公ならば、それはなくしもの(物質的なものに限らず)を取り戻す様な話にはならないだろうし、そもそもなくしものすらなく物語が始まらないのだろう。
なくしもの係とペンギンの関係や話の所々に出てくる伏線は最終話で回収されて、読了後にはすっきりとしていられる構成となっている。
今後はそれぞれの主人公たちの後日談や掘り下げた話が出てきても面白いかもしれない。
ただ、個人的に、ペンギンと鉄道という組み合わせからファンタジー要素を、帯の「忙しい毎日で忘れてしまった物と心、ここにあります。」という謳い文句から一抹の寂しさを与えつつほっこりとしみる話を期待してしまった。つまり評価がイマイチなのは、タイトル買いしたために期待が大きすぎたためだ。
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名取さんは切り取る日常の中のふとした心の動きはとても自然で、繊細で、共感できて、心にしみるなといつも思います。
ペンギンと赤髪の青年という、現実離れした設定に少し面食らいましたが、それが気にならなくなるくらい、一編一編が素敵でした。
子供の頃に集めてたビー玉を一つ一つじっくり眺めたような、わくわくとあったかさが詰まったお話でした。
最後の話で伏線回収がなされ、読後もすっきりあたたかい気持ちになれました。
ペンギンの愛らしさにも癒されます。
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あんまりはまらなかった・・・。
ペンギンはいてもいなくてもいいような・・・。
(最終話では、このペンギンが話のキーにはなっているが)
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ペンギンはかわいかったけど、ペンギンがいる意味があまりない気がする(一応最後の章では説明されてるけど)
雰囲気で癒される小説。
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タイトルに惹かれて購入。短編がそれぞれの話に繋がるのはよくある書き方だけれど、人はどこかで誰かと関わりあっていることを再認識。最後、駅にペンギンがいるという謎が解けてほんわり優しい気持ちになった。
この駅のモデルは鶴見線海芝浦かな。改札の向こうはとある大企業。社員しか降りられない不思議な駅。 赤毛の駅員さんもペンギンもいないだろうけど。
ホームにある公園で海を眺めたいな。
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子供のままで成長できていないのかも。
現実にちゃんと生きていないと言うか、惰性で生きていると言うか、自分の弱さとかに杭を打たれる気がします。
守保君のように生きたいなあ。ペンギンと「一緒」に生きることができる人間になれるかなあ。
しかし、あんパン食べたくなったぞ。
私はこしあん派だけども。
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改札を通って電車にのるペンギン、そんなCMがありましたね。
そんな謎のペンギンが登場する作品。
いろいろなカタチの人間ドラマと大切な場面でひょこっと現れます。
猫やゲーム…。
それぞれの章がすこしづつリンクしている短編連作です。
そして最終章へ。いろいろつながって、そしてどうしてペンギン?の謎もあきらかになります。
個人的には1章と2章のお話がすきかな。
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一つ一つの話が最後の話に繋がっていく感じが作為的じゃなくて自然で読んでて心地良かった。結構軽く読めてたから最後の悲しい感じがかなり辛かったな。
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慌ただしい日々の中で無くしたものを終着駅に探しに行く登場人物達
無くすことで得られるもの、無くすことで見つかる想い、繋がる人間関係
ペンギンの存在で物語に柔らかさと温かさが産まれます
読んだら優しい気持ちになれる一冊
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なんて癒し系。
幸せな結末を約束してくれるような優しい物語。
描き方も優しくて、爽やかで、年下の女の子に様子見で貸すにはいいかも。
これで本気で感動するような素直な心を自分はしんじられないけど、憧れる。
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電車での忘れ物を保管する遺失物保管所、通称・なくしもの係。そこにいるのは赤髪の若き駅員と一羽のペンギン。
訪れた人が「なくしもの」をそれぞれ見つけていく連作短編集。
ペンギンがいる駅なんて、まるでファンタジーだけど、割とリアルにそこにいる。
確かにペンギンは愛らしいし、物語のアクセントにはなっている。でも正直必要性が感じられない。
と、最初は思っていた。
けれど最終章でペンギンの存在が、じわじわときいてくる。
どこか謎めいた赤髪の駅員の正体もそこで明かされ、フニャッとやわらかく笑う彼の辛い過去も垣間見える。
こんがらがってしまったいくつもの糸が、最後にゆるやかにほどけていく様に、ちょっとジーンときた。
愛猫を亡くした女性も、強情っぱりなおじさんも、一目ペンギンを見たら、心が和んでしまう。
あの丸いフォルムと、どこか間の抜けたペタペタとした歩き方は、不思議と見る人を癒してくれる。
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「ペンギン鉄道」の終着駅(なくしもの係がある)を舞台に、様々な人がそれぞれの人生を生きていくのを描いた。ペンギンが電車に乗って移動する姿の描写がかわいい。しかし、なぜペンギンがいるのか、その理由は悲しいある事情から。
しかしまあ、人がそれぞれの人生を生きていく中で、罪を犯したり、嘘をついたり、友情が生まれたり、自分の弱さを認められないまま出世したりなど、本当に様々な人が様々な人生を生きているんだなあと実感せざるを得ない。
登場人物はみんな今の自分の生き方に満足してはいない。でもあることがきっかけとなり、新しい自分を受け入れたり、自分で道を切り開いて行くことができるんだと暗示している。
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初めて読んだ名取佐和子ー、非常にあたたかみのある作品でした。ペンギンが軸だからこそほんわかとした空気感が佇むんだろうな。
失恋だったり、不登校だったり、親の不仲だったり、仮面夫婦だったり、病気だったり、息子の事故死だったり…。生きていると色々なことがあるけれどそれでも生きていかなくてはいけなくて、生きていたいと思わせる大事な人がいてくれて。
ペンギン鉄道はそんなことを思い起こしてくれました。
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ありがちな話かと思いきや、いい意味で裏切られながら話が進み、あっという間に読み終わってしまった。
それぞれのその後も気になるところを、第四章で垣間見せてくれて、少し嬉しかった。