紙の本
宇宙の変化は生き物にも刻まれている。
2015/01/30 20:03
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「生き物も宇宙も、同じ素材でできている」。宇宙の始まり、星の誕生、生命の誕生、と時系列に並べて宇宙と生き物をつなげて考えていく。地球が自転することと体内時計、元素の比率など、話題は広い。生物学者の著者の専門でないところは、これまでの一般書にも書かれている内容を著者なりにまとめたような感もあるが、著者なりのまとめ方である。続きは本書を手掛かりにという形で、参考文献には一般書と論文との両方が数多く紹介されている。裏話も含まれたような「原注」も面白い。
著者は「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」でヒトを含む動物の身体の関係を解剖学的な観点から一般向けに説明した。比較進化生物学の一般書としてこれも面白い。
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「生物の体に記された宇宙全史」との副題が付けられているが、正に読み終わるとそれを実感する。ビッグバンから始まり、まず水素が、そしてヘリウムが生まれ、物質・反物質の不均衡から物質が生じ、超新星の爆発から周期律表の鉄以降の元素が出来て、それが幾多の銀河を形成して、我々の身体ですらそれら超新星爆発由来であるという、まことわかりやすい説明で、正に蒙を啓いたというのが実感である。その後は地球に話は集中するが、太陽系内の絶妙な位置関係、46億年前からの水、炭素の働きよる氷河期の繰り返し、大陸移動説の検証、などなど興味が尽きない。合間には関係する科学者のエピソードが散りばめられていて、単なる科学書の様な固さはない。読み終わって意外に思ったのは、科学界における女性の果たした役割の大きさである。この本はそのことを明らかにしてくれている。
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天文学者による宇宙論かと思っていたら、古生物学者であり解剖学者である著者が地球の形成、そして人類の進化を説いてくれる。それも、化学、地質学、気象学、生物学、遺伝学を織り交ぜての考古は何とも神秘的で魅力的な謎解きだ。とりわけ地層や岩石、化石から地球の太古の歴史が次々と知れる。地球は太陽の周りを365.26日で公転しており閏年があるのは知っていたが、一日が24時間ちょうどではなく、自転速度が日々バラバラで基本的には一日が長くなっていっているというのには驚いた。4億年前は一日が22時間だったんだ。
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バラバラだった西洋科学がつながりはじめた
相対性理論から素粒子の時代になって
ニューエイジと言われる総合的な視野による
学問の扉が開いた
それは東洋的で一成る特化した答から離れ
対立と無関心の心の垣根を外して
調和へ向かう共生的な解放の時代を模索し始めた
古生物学者であるこの著者もそんな一人のようだ
「人の中の宇宙・宇宙の中の人」という無限観とか
宇宙観という視野の広い俯瞰した世界を紹介している
美学に哲学から倫理学に宗教も含めた選択肢の中で
物理も化学も生物学も全てを網羅した全体と
それを支えているあらゆる部分が入れ子になった
夢幻的な関係から人間とはどこから来て
何をしようとしているのかを理論的に紐解こうとしている
ここで物質という摩擦界における形ある部分的存在と
形のない意識という全体的存在が相対する相互作用を
イメージしながら感情に溺れず客観的に理解と思いを
深めていかなければならない
科学者とは思えない文章の上手さも在って
特に出だしからの前半が面白い
それでも人間社会で長く続いてきた農耕による余剰生産物によって
始まった依存社会の行き止まりとなるだろう資本金融主義で
洗脳された弱肉強食論や権利意識や競争原理が染み込んでいる
なごりから抜け出せない部分が多々あるようで
ダーウィニズムなどそのパニクった抵抗勢力は計り知れない
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB16390062
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宇宙が始まり、いま私の体が存在するまでのストーリーと、それを解明してきた歴史。
すべてはもともとひとつであったこと、過去と現在のひとつひとつの結び付きが明快にわかりやすく書かれています。
科学の知識がない私でも、子供の頃に読んだ冒険ファンタジーを読む感覚で楽しく頭に入りました。