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真山知幸『大富豪破天荒伝説Best100』(東京書籍、2014)を読む。
なんともお下品なタイトルですが、専業のライターさんが程よくまとめた大富豪エピソード集といった趣で、有名どころのカーネギーやモルガン、ロスチャイルドに留まらず、ギリシャの富豪オナシス、紀元前中国で始皇帝をバックアップした呂不韋やマリ王国のマンサ・ムーサなど幅広に取り上げていて愉快です。
破天荒、ということで豪華宮殿やバラマキ浪費の話ばかりかと思いきやさにあらず。逆方向の超どケチエピソードも出ております。
"ウォール街の魔女"ヘティ・グリーン、そして井原西鶴の皮肉。永代蔵の教えは年100万円で暮らす高等遊民のオジサンの著作に通じるものがあります。物欲にとらわれたあわれな人々に接するたびに、これらのエピソードが頭をよぎります。
【本文より】
◯うなるほど金があったヘティだが、彼女は贅沢をするどころか、20年間にわたって同じ黒いドレスを着用。ドレスの下には、男物の下着を付けて、さらに保温のために新聞紙を詰め込んでいたというから、オシャレどころの話ではない。手袋は破けて指が飛び出し、マフラーも20年以上前のものを使い続けた。長靴を履いていたのも、耐久性を第一に考えたからである。
住居はマンハッタン、ブルックリン、ニュージャージーと転々としたが、いずれも安宿で週5ドル以下に必ず抑えた。
(中略)もちろん、美食にこだわることもなかった。安いレストランのなかの安いメニューを選ぶのが、ヘティの習慣である。ボストンの薄汚い食堂がお気に入りだったという。
◯(著者コラム、井原西鶴『日本永代蔵』より「毒断ちの教え」を取り上げて)
「食事ごとに飲酒することはもちろんのこと、タバコを吸ったり、目的もなしに京へ行ったりしてはならぬ」
「家業に関係もないのに小細工品や刀の目貫を工芸品として蒐集してはならぬ」
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ネタとして凄く面白い1冊だと思いますよ。世界中のかコノ歴史の中での様々なお金持ちのお金の使い方が学べます。本当に破天荒です!!
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歴史上に語られる大富豪と呼ばれる者たちが莫大な資金を得て栄光や名誉を勝ち取ったり意味の分からないことに対し湯水のように浪費し悲惨な末路へ堕ちる様子がランキング形式で1人づつ語られていく。その様子は常識を逸脱している。
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息子から父へ
「ベルリンはとても素敵なところで、みんなは良くしてくれるし
僕はここが気に入っています。だけどパパ、僕は純金のフェラーリ
599GTBで通学するのがちょっと恥ずかしいんだ。先生やクラス
メートはみんな電車を使っているというのに」
父から息子へ
「今日2000万米ドル(約17.5億円)をお前の口座に振り込んで
おいたよ。あまり父さんたちを困らせないで、さっさと電車を
買いに行って来なさい。愛してるよ」
フィクションだと思うが、アラブの大富豪親子の手紙の内容だ
そうだ。もうねぇ、庶民には想像を絶する発想なんですけど。
庶民の遥か上を行く世界のお金持ちのお金の使い方を集めた
のが本書である。古代から現代までで著者が受けたインパクト
によってベスト100を選んでいる。
順位については「どうなの?」と感じる部分は多々あるが、
あまりにも金額が大きすぎて、もはや「うらやましい」とも
思えないのだ。
高級車ばかり何百台もあって、いつ乗るのよ~。服が多すぎて
1日40回も着替えていただと~。その時間がもったいないだろう。
あ…これが庶民の発想なのか。
次元が違い過ぎて、読み通すといささか食傷気味になる。億単位
は当たり前。時々「兆」なんて金額が出て来る。億だって夢の
また夢。兆ってなんだよ~。
カーネギーのように慈善事業につぎ込んだ人もごく一部にはいる
が、ほとんどが自身の欲の為ってのがなぁ。
お金ってあるに越したことはないけれど、あり過ぎるのも問題
かも。だって、誘拐された孫の身代金を値切る大富豪までいる
のだものな。
尚、古代から現代までで一番の金融資産の持ち主は、古代マリ
帝国10代の王、マンサ・ムーサなのだそうだ。総資産は日本
円にして約35兆円だそうな。メッカ巡礼の際に、金の延べ棒
14t分を配って歩いたとか。1本下さい…ボソ。
本書では取り上げられていないが、私のなかでインパクトがある
のはウィンチェスター夫人だ。夫亡きあと、屋敷を改造し続け
た女性。これ、取り上げて欲しかったな。
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大富豪の人生、特に何に金を使ったか。
金を稼ぐ方法だけでなく、金を使って何をするか。人間の究極の欲望とは。