紙の本
個人収集が貴重な資料に
2020/07/06 11:58
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸末期から明治の夜明けにかけての流れを、スクラップされた包装紙やチラシで読み解いていきます。趣味で始めたコレクションが、100年以上たった時代の人の目に晒されるとは思ってもいなかったでしょう。
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元祖紙屑大王とでも申しましょうか、江戸時代から大正まで田中芳男氏が集めに集めた紙屑のスクラップ(捃拾帖)が東京大学の耐火金庫に保管されています。
先日、鹿島茂さんの『渋沢栄一』を読了したところだったので、1867年のパリ万博関係の資料が興味深かったです。
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田中芳男という人が江戸期から昭和にかけて集めに集めた紙モノをスクラップした100冊にもわたる「捃拾帖」。東京大学図書館の耐火地下書庫に保管される貴重書。その捃拾帖から一部抜粋して写真と文章で紹介した本です。
「これを見ると、幕府は西洋式の封筒を用意していて、つぶれることなど毛頭考えていなかったことがわかります。」と説明文がついた葵の御紋入り西洋封筒が強く印象に残りました。
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スクラップブックの紹介。
スクラップもすごかったけど、ところどころに挟まれる拓本が面白かった。「そんなものまで擦るのか!」という感じ。
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全く知らなかった幕末から明治期の本草学者ー農林官僚の硬軟聖俗おり混ざったスクラップブックの妙録。
原本は東大図書館の書庫にあるとのこと。
いやあ!面白い。見る者の興味によって、どんな読み方でもできそうなスクラップの束だな。
やはり、どんなものでもアーカイブする意義はあるし、量が質を凌駕するなんてことはあることと感嘆させたれた。
個人的には大船軒のサンドイッチの包み紙に感動させられた。大船軒はやはりサンドイッチよねぇw
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本書は、天保9年(1838年)に長野県に生まれた田中芳男さんという博物学者が作成した『捃拾帖(くんしゅうじょう)』(=スクラップ帳)である。100冊ほどある中から130点を紹介。
幕末から明治、大正にかけて世に出回ったチラシ、領収書、万国博覧会の入場券、菓子の包み、野菜の種袋、などなどの収集物をカラー写真に収め解説を加えた一冊。
東京大学図書館に厳重に保管されているものだそうな。
今の感覚では、普通に捨てている紙屑になるようなもの達だが、当時の感覚は、どうだったのだろう?大事にコレクションするような人はいたのだろうか?
若かりし頃は、酒瓶の王冠とか、メンコなどは集めた覚えがある。すでに、手元にはないものばかり。今でもつい手に取って持ち帰り、ストックしているのが、映画のチラシや半券。100年後にも残せるほどの保管ができれば、多少の価値は生まれかもしれない。私が死ねば、即廃棄されるのがオチだろうなぁ。
そんなことを思いつつ、ページをめくる。できれば虫眼鏡を手元に置きながら読み進めたい。当時の生活を思い浮かべ、歴史に思いを馳せてみるという楽しみ方ができる。