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帯文:”私の選択は、間違っていたのですか。” ”新しい景色が、小さな答えをくれる。感動の連作長編。” ”悩める7人の胸に去来するのは―。”
目次:妙高山 こんなはずでなかった結婚、火打山 捨て去れない華やいだ過去、槍ヶ岳 父に言ってしまったあの言葉、利尻山 拭いきれない姉への劣等感、白馬岳 夫から切り出された別離、金時山 突然見失った将来の目標、トンガリロ いつの間にか心が離れた恋人
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湊かなえさん、後味悪いイメージで何となく避けてたけど、知人が勧めてくれたので読んでみました。
心情やセリフに違和感覚えるところが多かったけど(最近そういう作家さん増えてきたような気がするけど、私が年取ったせいかな。。)、最後の話はしんみりした。
トンガリロ、いってみたいなあ。
御嶽山の噴火のすぐ後に読んだので、山に行きたい気持ちと怖い気持ちで揺れてしまう。
とりあえず、悩むのは体力つけてからだな。今の体じゃ無理だ〜
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湊かなえさんの本は読後感が悪くて苦手ですが、この本は、湊さんらしくない、爽やかな風が吹き抜けるような本でした。らしくなさすぎて読みながら何回も、作者を確認してしまいました。
短編集ですが、登場人物に少しずつ繋がりがあり、あ、この人もこの山に来たんだ、など読みながら嬉しくなります。皆、それぞれに悩みを抱えながらも山に登りますが、帰る頃には前向きな気持ちになっています。
とっても山に登りたくなります。
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湊かなえ氏の作風変わってしまったかなと思わせる作品。
これはこれで楽しめるが、湊かなえ氏独特のドロドロした女の毒を期待してると肩透かしを食うのでご注意を。
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湊かなえの新刊は登山を題材にとした連作短編集。
登山と言ってもロッククライミング等の派手系では無く、縦走、
すなわちトレッキング時のエピソードばかり。そして登場人物の
殆どは、女史お得意の何か問題を抱えた女性が多数。
いやまぁ、さすがです(^^;)。
ところがこの作品、全体的に見て湊作品としてはいたって普通。
いつもの徹底した悪意はなりを潜めているし、刺激的な場面も
殆ど無い。まさに登山のごとく淡々と心情描写が繰り返されるの
だが、コレがジワジワ効いてくる。結果、今回も読了で感じたの
は底の深い虚しさだったりするのだから、この作品でもきっちり
と湊かなえらしさが表現されている。
作中には山歩きのちょっとしたテクニック的なトピックや、
初心者向けの装備についての記述も多々。おかげで登山にそれ
ほど明るくない僕も充分楽しめたのだけど、実際に山をやっている、
ないしは興味を持っている女性が読んだら、もっと深いところに
入り込める気がする。
なので、ちょっと癖のある山ガールは必読、という感じ。
・・・そういう人が居るかどうかはよく解らないけど。
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私が湊かなえの本を読むとは思ったことがなかった。
けれど新聞の広告欄で見た今回の本は、山がテーマであるらしい。と言うことで初めて手にした湊かなえである。
短編集でそれぞれ、山の題名がついている。
妙高・火打・槍が岳・利尻・白馬など、それぞれの山をそれぞれ事情を抱えた女性が登る。
しかしその事情が不倫を抱えていたり、離婚を切り出されている女性だったり、恋人と別れることになったり、と深刻すぎて、山にのめり込めない、というかそういう問題を山に持ち込まないで欲しい。
山は一時でも下界、世俗を忘れさせてくれる非日常的なものだと思うし、純粋に山を楽しみながら歩きたい私は、全く共感できない。
また出てくるほとんどの女性に共感できず、好意を持てないのはどうしてだろう。
生々しすぎるのかな、女むき出しというか。同性として嫌なもの見ちゃったな、という感じ。
でも最後まで読んじゃった。
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女たちは山を登る。
初心者だったり、元登山部だったり、事情は違えど、山に登る。
登山は山と自分との対話だ。
山に登ると、当たり前だが疲れる。
その時に何を考えるかは人それぞれだが、何かを考えている。
過去だったり、現在だったり、将来だったり。
そんな彼女らの登山日記。
誰か一緒に山登りにいこー!なんて女性はどこかにいないものか。
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湊さんの作品にしては陰鬱な感じがなく、読みやすい。
30前後の女子には心に響くものがありそう。
山に登ろうと思ったことはないし、
なんで山なんか…と思っていたタイプだけど、
山には山の素晴らしさがあるなと深く思った。
湊さんは山好きなのか、
それとも本のために山について
学んだのかわからないけど、
山初心者でもわかりやすい作品でした。
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登山にはまったく興味の私が、この作品を読み始めて最後まで読了できた理由は、私と同世代の女性たちの心情を作者の視点からではあるが、素直に率直な感じで描かれていたからであると、読了した後しみじみと感じているところである。
そんな中で印象に残ったフレーズを…
「女なのだから当然、結婚して、夫に尽くし、子どもを産まなければならない。
世の中が姉のような人ばかりなら、国の経済はもう少し潤っているかもしれないし、晩婚化、少子化といった問題など、起こりもしないのかもしれない。逆に、姉のような古臭い考え方を持ち続けている女が常に一定数いるから、結婚しない女が肩身の狭い思いをさせられる社会がいつまでも続くのだ。
自分がそうありたいのなら、意志を全うすればいい。輝いているわたしが素敵、などと自己陶酔しながら、そんな特集ばかり組んでちゃらちゃらした女性誌でも読んでいればいい。わたしに強要しないでほしい」(p127-p128)
「だいたいね、お姉ちゃんも、お義兄さんも、おかしいんだよ。自分で自分でって何でも一人でやろうとするくせに、人からは頼られたいって思ってるんだから。そのうえ、ちょっとでも自分が頼らなきゃいけない状況になったらもう、ダメ人間になってしまったように思い込んじゃって。立派な人っていうのはね、自分がダメなときには、お願いします、ってちゃんと頭を下げられる人のことなんじゃないの?ダメ人間って思われたくないからって、自分から離れていこうとするなんて、間違ってる」(p195)
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恋愛、結婚、仕事そして人間関係に疲れ、人の言葉に傷つき、姉妹や家族や友人に劣等感を抱き苛立つ。そんなアラサーからアラフォーの女子たち。
それぞれが登山でもトラブルに遭い、同行者との関係に悩みながらも、山に登りきったときに感じる幸せと達成感。そして前向きに生活を人生を見直すようになる。そんないくつかのお話しです。
ある章の主人公が別の章では脇役で登場、あるいは時系列を越えて2つの話が同時進行する、ミステリー作ではないけれど、さすがの湊かなえ的な面白さも十分にあります。
(内容紹介)
このまま結婚していいのだろうかーーその答えを出すため、「妙高山」で初めての登山をする百貨店勤めの律子。一緒に登る同僚の由美は仲人である部長と不倫中だ。由美の言動が何もかも気に入らない律子は、つい彼女に厳しく当たってしまう。/医者の妻である姉から「利尻山」に誘われた希美。翻訳家の仕事がうまくいかず、親の脛をかじる希美は、雨の登山中、ずっと姉から見下されているという思いが拭えない。/「トンガリロ」トレッキングツアーに参加した帽子デザイナーの柚月。前にきたときは、吉田くんとの自由旅行だった。彼と結婚するつもりだったのに、どうして、今、私は一人なんだろうか……。
真面目に、正直に、懸命に生きてきた。私の人生はこんなはずではなかったのに……。誰にも言えない「思い」を抱え、一歩一歩、山を登る女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。女性の心理を丁寧に描き込み、共感と感動を呼ぶ連作長篇。
以下は、ネタバレです。
妙高山:わたし(江藤律子)、由美
火打山:わたし(美津子)、神崎さん、OL二人組み(律子、由美)
槍ヶ岳:私(牧野しのぶ?)、本郷さんと木村さん
利尻岳:宮川希美、姉
白馬岳:宮川希美、姉、七花
金時山:私(梅木 舞)、大輔
トンガリロ:私(柚月)、吉田くん/立花(柚月):神崎夫妻(秀則、美津子):太田永久子、牧野しのぶ
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山女日記という山ガール向けのサイトに集う妙齢の
女性たちのオムニバス。
妙高山
不倫中のデパートの同僚由美と山登りをする
結婚と同居に戸惑う律子
火打山
婚活で出会った神崎さんという男性と山登りをする
贅沢に慣れた高慢な女に見られがちな美津子
槍ヶ岳
妙高山で登山した女性たちと同じデパートに勤める
団体行動が苦手で一人登山を愛するしのぶ
毎回登頂直前に不慮の理由により登頂完了しなかった
槍ヶ岳を今回こそは制覇しようと登山する。
利尻山
医者と結婚した姉に誘われ登山することになった
微々たる翻訳収入と親の年金で暮らす
独身30代後半の妹希美
白馬山
白馬山に三人で登ることになった
医者と結婚して順風満帆だったけれど、
離婚を切り出されている利尻山登山に登場した姉と
その子供、頼りない妹希美
金時山
売れない劇団員と付き合い、ひょんなことからその彼と
二人で箱根の山に登ることになった
妙高山に登場した律子や由美と同期で仲が良い舞
トンガリロ
ニュージーランドのトンガリロへ二度目の登山をする
山女日記で人気のある帽子を作っているユヅキ
利尻山の希美とは親友
それぞれ心に迷いや葛藤をもちつつ山を登った
彼女たちは頂上で結論を見出したり
自分と見つめあったりして、登頂前とは
違った気持ちでその後の生活を始める。
それぞれの話に少しずつそれ以前の話の登場人物が
絡んできて、読んでいてその絡みを見つけるのも
とても面白い。
トンガリロ登山ツアーでは他の山に出てきた
女性たちも登場して、それぞれの話の後日談も
その際にわかったりして後味もとても良い。
山ガールという言葉はそればかり独り歩きして
あまり好きではないけれど、こうして自然と
向き合って自分を見つけ出す女性たちの話は
颯爽としていてとても良かった。また読み返したい。
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ミステリではない作品で、読むまで戸惑いましたが、読み始めると、すごく引き込まれ、良かったです。連作短編集でもあるのですが、展開が上手いなと思いました。
今、自分が抱えている問題や、まさに今、山に登ろうとしている人との気まずさなど様々なことを巻き込みながら、人は山に登り、自分なりの糸口を見つけていく。そして、最後の1章では、過去と現在を見つめる女性が、今まで登場してきた、糸口を見つけた人たちと一緒に登山する展開は、上手いなあと思いました。
登山小説も多いですが、この作品が一番好きです。
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最近流行りの山ガールの話といえば、それっきりだが、やはり湊氏!連作短編によって、同じ土俵にいる女性たちを、それぞれの立場から見た男女をうまく描いている
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7つの山を舞台に、人生の岐路にたった女性が、山歩きをしながら自分の進むべき道を見つけていく、連作短編集。
最後の一編で、それまでに登場した人たちのその後の姿も描かれていて、ひと安心。作者には珍しくどろどろも少なく、前向きな気持ちになれる。
レベルは違うけれど、奇しくもこれを読んでいる最中に高尾山に紅葉狩りに行き、気のおけない仲間と汗をかきながら自然の中を歩く気持ちのよさを味わったばかり。もっともこの登場人物たちとは違い、真面目に人生について考える訳でもなく、目当ての半分は他愛もないおしゃべりと麓で飲むビールというい、ゆるい大人の遠足ではあったのだけれど…。
と余談はさておき、本格的な登山経験のない私でも、読んでいるうちに山の空気を一緒に味わっているような気分にもなり、山歩きをしてみたいなと思わせてくれる一冊だった。
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今までにない作風でした。短編でしたので、さまざまな登場人物達の悩みや、一緒に登っている相手との気持ちの距離感など。山の美しい景色を交え、書かれていました。山頂まで登った達成感と清々しい気持ちが感じられるような結末でしたので読みやすかったですが、湊さんらしいひねりも欲しかったなぁ、と。