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結局彼女がしたと思われていることはほとんどやってないことだらけじゃないか・・・。
だけど、ストーカー行為は良くない。
異常者ってことには代わりはない。
信じてくれる人がいるのに、真犯人はいるのに(そいつ、つかまってない!)自分が死ねば良いと思うのは傲慢だ。
何か後味の悪い話だった。
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人は誰かに必要とされていないと生きていけない。
でもどう手を差し伸べればいいのかわからない。
辛く悲しい話だった。
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いつも聴くラジオのオススメで買いましたが、積読の期間がだいぶありました。
それでも読み始めたら一気読み。
文章の構成が巧みで「死刑」のありきの状況から
それを色々な人の話から紐解いていく過去。
とにかく先が気になってしょうがない内容でした。
かすかにあった希望もすぐに失う切なさ。
彼女の人生を思う時、心が張り裂けるような気持ちになります。
娘がいるからこそ、突きささるものがある小説でした。
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結局、彼女に触れられたのは、元彼のみであったのだろうか、と思う。それが良き形では無いにしろ。彼が去った後は、圧倒的な孤独である。誰 も彼も、彼女を可哀想と思いつつも決して触れない。
面白いし読ませるんだけど「何という他人行儀だ! それが現代だっていうのか!」と叫びたくなる。
しかしながら、彼女もなんやかんや言って、他人から依存されるように(頼られるように)仕向けてはいるけれど、他人に触れていないように思 う。
正直、彼女のイノセントさは、私には謎だ。男性作家だから書けるタイプのヒロインではあるなぁと思う。正直、都合良すぎる。
ただ、これ以上生々しかったら、きつすぎて読めない話である。そして、周りの登場人物たちの多面性(ただ「悪人」、「善人」だけではなく、 ありえる生々しさ)と同じ密度でヒロインを描いたらイノセントさは際立たないだろうし、冗長になるだろうなぁとも思う。そういう意味ではもの すごいきれいなバランスである。
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第68回 日本推理作家協会賞受賞作。
放火による火事で双子の姉妹とその母親、そして母親のお腹にいた子供が亡くなった事件で、父親の元交際相手である田中幸乃が逮捕され、死刑判決が下る。なぜ彼女はこんな事件を起こしたのか。
まず、章のタイトルが「覚悟のない十七歳の母のもと」「証拠の信頼性は極めて高く」など、判決文の中の節で作られているのがおもしろい。これを読んでいき、それぞれの時代で一番幸乃と関わりの深かった人物の証言を聞いていくと、どれにもすべて裏事情があり、幸乃が好んで犯罪に手をそめたわけではないことがわかったり、時には完全な冤罪であることもわかる。しかし判決が下った後も幸乃はそれに反発しようともせず、静かに死刑執行までを待つ身となることを望む。それを知ったかつての仲間が、なんとか幸乃の死刑執行を止めようと動くが、結論からいうとその声は届かず、幸乃の刑は執行されてしまう。なぜ幸乃がもっと救われるラストではなかったのかと思うけれど、死刑回避こそがそれまでの幸乃の人生を否定することにもなってしまうのかと思うと切ない。
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元交際相手の家に放火し、妻と幼い子どもを殺害した罪で死刑が確定した田中幸乃。
センセーショナルなこの事件をマスコミは大々的に取り上げ、「鬼畜なストーカー女」として生い立ちから赤裸々に報道される。
この死刑囚はどういう人物で、この事件の背景に何があったのか?
彼女と関わりのあった何人かの人物の目線で描かれる物語。
司書さんに「オススメの一冊はないですか?」と尋ねて借りた作品。
止め時がわからずに、一晩で一気読みしてしまった。
展開が読めそうで読めない。
最後の最後まで気が抜けない。
幸乃にとってハッピーエンドだったのかバッドエンドだったのか、私にはわからなくて結末に呆然とするばかり。
やるせないとかせつないとか憤りとか、そういうのが絡み合った感情を投げつけられてしまうので、受け取った読者が自分の納得できる場所に収めるしかない。
そんな作品。
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2015年の日本推理作家協会賞の二作品のうち一作品なので。
面白くない訳ではないが、いまひとつ。
マスコミが流す放火殺人容疑者の情報と、
実際の知り合い、家族、同級生から見た姿の乖離を描くという設定は面白いのだが。
容疑者が無実なのは早々に予想がつくし、
探偵役かと思われた翔は、弁護士の支援団体活動という納得のいかない形で戦線を離脱するし、
刑務官を登場させておきながら、その視点からの死刑囚の描写が弱いし、
何かちぐはぐというか、ぶれているというか。
幸乃を中心とした、遠近の過去の人や現在の人たちとのエピソードを同量で淡々と積みあげるか、
”丘の探検隊”にもっと重心をおいて展開させた方が良かったのでは。
とはいえ、この3年の日本推理作家協会賞では一番ミステリーらしかった。
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交際相手の妻と子供たちの命を奪った凶悪犯として死刑が確定している田中幸乃。
世間を騒がした事件を、マスコミは、彼女の生い立ちから報道した。
しかし、彼女が関わった人たちが語る彼女の姿は、報道されていたものとは違うものだった。
物語の趣旨を知らず読みはじめ、初めは戸惑いました。
生い立ちからたどっていることに気づいてからは、面白くなり、夢中で読み進めました。
田中雪乃という人の、本当の姿、イノセントの意味、なるほどな、という感じです。
最後には救いがあると信じたかったのですが、悲しい結末、残念でした。
ちょっと重め。
次の本は、愉しく軽く読めるものにしようと思います。
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死刑囚となった女性の真実を描くミステリー小説。
構成は素晴らしいと思います。
各章ごとに判決理由文をことごとく否定する被告人の関係者たちの視点が素晴らしいです。
惜しむらくは落ちをどうするかという点にあります。
死刑直前の冤罪の真相発覚というありきたりな展開に対し、死刑執行があるやなしやのサスペンスフルな展開とはならなかったのは、他作品との違いでもあり、本作の語りたいところだったとは思います。
しかしながら、自分としては盛り上がりませんでした。
人の犠牲となることで自分の他人からの必要性を認識する女囚の哀しさはわかるのですが、いまいち感動しそこなったのが、残念でした。
作品のせいではないと思いますが・・・。
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いやぁ、すごい作品。圧倒的にひきこまれる筆力があります。悲しい物語なんだけど、心にズシリと響きました。他の作品もぜひ読んでみたいですね。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2016.6.25読了
これはラブストーリーなのかもしれない。
最初から彼女がやっていないことは明らかな感じですが、何となく違和感を感じていました。
それは、登場人物が皆、とくにヒロインが自分のことしか感じていない。
皆それぞれにいい人だったり、哀しい人だったり、弱い人だったりするんですが、皆が皆、自分のことしか見ていない。助けようとしたり、思いやったりそれぞれしているんですが、何故か、自分のことしか見えていないのが、この違和感の元だと思い至りました。
確かに人はなかなか人のことが見えなかったり、自分中心になりがちですが、これは少し不自然で、そのため今ひとつ、物語に入り込めませんでした。
でも、死刑に関しての問題提起はとても自然な形でされていて、人の言葉ではなくて、自分自身がどう思うのか、改めて考えてみようと思いました。
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ある死刑囚の女と、その女を取り巻く人たちの話。
判決の言葉にそってタイトルと話が構成され、その章で主人公となる人物目線で死刑囚の女の過去が語られる。
ワイドショーなどで取り上げられる犯人の人物像について、これまで自分は疑うことなく鵜呑みにしてきたが、この物語を読んで他人が勝手に決めつけて面白おかしくセンセーショナルになるように書いてる可能性もあるんだなと感じた。
最終的に死刑囚の女は事件の犯人ではなかったが、元々死に場所を探していたためこれをチャンスとして罪をかぶったことが明らかになる。しかし、奇しくも幼馴染が女を助ける手立てを掴んだ日と、死刑執行の日が同じという…。結局女を救うことはできなかったが、女目線で考えるとそれで良かった、人生を終えることができて幸せだったのかもしれない。
案外ギリギリのところで間に合うんじゃないかと思っていたので、静かに幕が降りたのには少し驚いた。そしてちょっと読後感が悪かった。
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一行目:その朝、季節が動いたことを実感した。
気になっていた本。田中幸乃というある死刑囚の人生を辿る。
別れを告げられた幸乃が、ストーカーのあげく相手の妻子を放火で殺害した、という凄惨な事件。
報道された内容と、彼女の人生から見た事件を描いていく。
予想の範疇だが、やはり冤罪のまま死刑は執行
幸乃の胸の内に少しでも近づこうとする、彼女の人生に関わった人間たち。普段数秒しか報じられないニュースにも、単行本一冊分の厚みがある、ということか。
章立てが判決文にならっていて、お気に入り。
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【ネタバレ】「整形シンデレラ」と呼ばれた確定死刑囚、田中幸乃の物語。エピローグ直前までのストーリーには何の文句もありません。手放しで誉められる面白さです。た・だ・し、です。このエピローグはいただけません。全く以て許せません。不条理な世の中だからこそ、せめてフィクションの世界の中では救いを求めたいのです。評価はあえて★一つ。
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連鎖、共感、環境、信念、ずるさ、心根、ひとが何かの行動をするときに、自分だけの意思ひとつでなにかできることなんてほとんどないとおもう。見えていることは全てが結果にしかすぎないし、そこに至るところには真実でないものが積み重なっていることを十分に覚悟するべきなのだとおもう。