投稿元:
レビューを見る
この著者の本は初めてでしたが、文体は読みやすくどちらかと言えばイッキ読みでした。物語はインタビュー形式で進むが、想像以上にグイグイ引き込まれる。最後のドンデン返しがスパイスとなって予想しながら読み進めるのが楽しみな一冊でした。最後の情景はホラー的要素も含み面白かった。
投稿元:
レビューを見る
ルポルタージュ形式の小説でむだがなく、サクサク読めた。ただそのせいで主人公の目線で視点が固定化され、例えば取材対象の心理描写などにほとんど踏み込めないのはルポルタージュ形式の、構造的短所ともいえる。
読み終わった感想を一言で言うならば、ところどころに思い入れというか、例えば太宰治の心中についての作者のオリジナリティへのこだわりは感じられたものの、形式としては「貞子」の系譜に則った、かなり古典的な展開の中に、一元的に収まってしまったかなあ、と。
なんだろう、ルポルタージュ形式といった枠組みはしっかりしているのだが、対象がほぼ一名で終始していたからだろうか?すこし、シングルスレッド、というか、平坦な感じを拭えなかった。シナリオも基本一元的で、輻輳する部分もない。太宰治のくだりで、お、ここでもしや?と、猿丸幻視行とかそのへんを期待しすぎたのかもしれない。
表現などは、さすが映像作家と、ビジュアル映えのしそうなものがみられたが、それもまだ、手持ちビデオの映像をみせられる、ブレアウィッチ的な、計算的チープさをおそらくはあえて狙ったもので、物語に複数の層を与える、というものとはいえなかったと思う。
直感的な面白さと、最後にぱたぱたと展開を早める手法は悪くなかったものの、惜しい、という感じ。
なんか、化けそうな兆しはありつつも、星三つまで、かな。次回作に期待。
投稿元:
レビューを見る
読んでいる間のこの不穏な心情をどう言い表したらいいのだろう。
まさに、引きずり込まれるように溺れるように止めることができないまま読み続けるしかなく。
何が、何が彼をここまで堕としてしまったのか…
この、悲惨なラストを読んでも、なぜか嫌悪感が生まれない。
こういう形は間違っているとしても、どうしても惹かれてしまう。若橋さんにも、七緒さんにも。
人そのもの、というより、その、そのときそこに確かに会った「愛の形」に、どうしても惹かれてしまう。
こんな危険なモノを出版していいのだろうか…
と、ここまでは一読目の感想で。
二読目からがこの小説の本当の目的というかなんとくか。
作者がしこんだたくさんの「謎」をとにかくどれだけ見つけることができるか。何度読めば全部わかるのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
様々な技巧をこらして書かれているだけに、登場人物の薄っぺらい感じが残念。とくに主役のルポライターの性格や人間味、魅力が全くわからなかった。
投稿元:
レビューを見る
ドキュメンタリー作家の心中事件から7年。あるルポライターが生き残った女性のインタビューに成功するが、その記事は封印されてしまう。
面白くはあったが、ミステリーとして読んでしまうと封印された理由が物足りなかった。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
読み終わった後にアナグラムと表紙の意味がわかり鳥肌がたった。
わりと想像できない結末で個人的には楽しめた。
まだまだ隠されたアナグラムがありそう。。気になるーーー。
投稿元:
レビューを見る
過去の心中事件を調べるルポライター。
ルポ仕立てだからか、ぞわぞわ来る。
読み終わって、じわじわ怖い。
投稿元:
レビューを見る
面白かったです・・・面白かったんです。
結末が気になって一気に読んだくらいで、本当は★は5にしたいくらいなんです。
でも読後感が悪すぎた。
なんとなくわかったんだけど、全部が解明されてないからモヤモヤしたままで、解説してくれてるサイトも見たけど、なんかまだあるんじゃないかと思うし、それを考え出したらキリなくて疲れてしまった(苦笑)
あと最後がグロい。
名前のアナグラムの結果もグロい。
グロいのが苦手な方には読むのを勧めたくはないんだけど、それ言ってしまうとちょっとネタバレになりそうだから伝えるにも伝えられず、結局王様のブランチで本仮屋さんが言ってた「人には勧めたくない」が妥当かな。。。
作者さんには一度この本の解説をお願いしたいくらいなんだけど、今までの放送禁止シリーズもそういったことに言及してないからダメかな・・・。
にしても、気になりすぎます。。。
投稿元:
レビューを見る
わかってて読むと、ほとんどギャグだよw
エンターテイメントだね。
2時間で読み終わって、仕掛けも全部わかるよ。稚拙(あ、なんかすみません)で読みやすい。
でも仕掛けじゃないとこで矛盾がある。
あれについてもう少し考えてみよう。もしなんかの仕掛けならすごい、かな?
投稿元:
レビューを見る
なるほど、視覚の死角で刺客は…
最後の「カミュの刺客」の出版にあたっては、二重にも三重にも衝撃的で、奥の深い最近久々の傑作である。
投稿元:
レビューを見る
男女の心中がテーマで物語が進んでいく。犯人は生き残った方か、それとも本当に心中だったのかというありふれたオチかと思っていたら、最後は想定外の展開でジェットコースターに乗っている気分であった。最後の衝撃はすごかった。様々な箇所に散りばめられたアナグラムを解くのもおもしろい!また、太宰治の心中事件の真相までのっていて、勉強になった。指切りげんまんは昔、遊女たちが叶わぬ恋のために指を切って愛を確かめてたといった雑学まで学ぶことが多い内容であった。
投稿元:
レビューを見る
期待値以下。
出版禁止の理由もイマイチの上、オチにも共感出来ず。欧米ドラマのようなその場限りのチグハグな推理ドラマのようなオチ。
サスペンス風で読ませる文章であっただけに残念なオチ。
投稿元:
レビューを見る
No.703
話題になっているだけあって、面白いです。特に文章に隠された仕掛けは、あとから振り返るとぞっとします。
ただし、出版禁止になるだけあってそれなりのドギツイ内容。心臓の弱い方にはオススメできません。
投稿元:
レビューを見る
著者長江のもとに送られてきたとあるノンフィクション作品。それはある理由から掲載禁止になったルポルタージュだった。7年前に起こったドキュメンタリー作家と愛人が起こした心中事件について、一人生き残った愛人に当時のことをインタビューしたルポルタージュ。なぜこれが掲載禁止になったのか?一体事件の背景になにが起こっていたのか?
著者は映像作家さんだそうで。ノンフィクションぽい体なんだけど、そこまでノンフィクション感はなかった。伏線とか真相とかが明らかになる後半はわりと面白かった。グロいけど。しかし二回目を読み返す気力がなくてつい解説をぐぐってしまった。今までのドラマとか映画とかの解説を見てたぶん小説、文章じゃないとできないことをしたかったんだろうなっていうのはわかった。しかし基本的にジャーナリストって人間が苦手だなぁ。映像作品の方はちょっと面白そう。ホラーだけど。