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ポップに煽られるたちなのである。
だって大森望さんに、「時代SFの最高峰。歴史的傑作!」っていわれちゃああなた。
そして、メカ好きなのである。さらにオートマータとかに反応する。藤田和日郎の、からくりサーカス、全巻もってたりするのである。
てなわけで読みました。
読了して、最高峰とか歴史的うんぬんとかは残念ながらそこまで響かなかったけれど、気持ちのいい爽快感と、軽い充実感は十分、得られたなあという印象。
特に最初の一話は、白眉。2012年のさまざまなアンソロジーにとりあげられたとあったけど、うべなるかな。ああそうか、って、終わってからその設定を思い出してあらためてじっくりと騙されるほど、ひきこまれていた。
ただ逆に、この一作のあまりの完成度に、後半わたしなんかは、もうこれで完結にして、終わり切ってよかったんじゃないかって思ってしまったけれど。
あまりに切なく美しい話だったので、いわばそれに続くほかの物語のすべてがなんだか、後追いの後日談として、凡庸に見えてしまった、といったら大袈裟すぎだろうか。
しかしそうなのである。
もはやそれ以上は語ってくれるな、潔く幕引きにしませんか、と。
だからAmazonの紹介にあったような、儚いエロスもオートマータの恋情も、政治的な策略合戦も、あたしには余分、あるいは過分であった、と、すこしだけおもう。
ステージで輝いていたスターを舞台裏で拝見して、嬉しい反面、夢の終わりを実感してしまうような。
いやもちろん、スターのリアリズムは、それとして愛しますけどね。
ただそう、なんだかそうね、うーんっとね、
ま、とりあえず、読んでみてよ。
感想聞かせて。
って誤魔化しちゃっても構いませんか?
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異世界の江戸時代ものという設定でからくりもののオートマタという設定だけでも、なかなかな話であり、そこにリアリティを求めてはいけない話だろう。そういう意味で、連作ものとなっているが辻褄を合わせる様な最後の話は無くてもよかったかもしれない。
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江戸時代物というか武家社会物が苦手傾向なのと、連作とはいえ短編集ということで一話目意外はほとんど入り込めず終了。。。
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実際の生き物と寸分違わぬ異形のからくり人形が登場する時代劇ミステリ。今までに読んだこの人の作品の中ではダントツの面白さでした。
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時代設定は江戸時代辺りと違うけれど、攻殻機動隊が好きな人には気に入る内容だと思います。ストーリーの逆転、隠密、転換が起きるので自分は二度読みました。ぜひ続編が出ることを期待している満足の一冊です。
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時代SF、というのでしょうか。江戸時代的な世界にオーバーテクノロジーが紛れ込んでいる設定。リアリティとか時代考証とかが気になる人はやめといた方がいいと思います。そうでない人は存分に楽しめると思います。
いくつか出てくるどんでん返しは、後から考えればそんなに目新しい手法ではないのだけれど、読んでる最中はすっかり、気持よくだまされました。
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首長竜に続き、筆者の作品は2作目。
江戸とおぼしき時代に、人間と区別がつかないほど精巧に作られたからくり人形が登場する。軽いSF設定が入っているものの、基本は遊廓やら武士、幕府が出てくる時代物。
一体の機巧であるイヴを巡る連作短編集で、もの哀しいトーンのなかにどんでん返しを盛り込んだ一作目が秀逸。これが好評で、ほかの作品を作り足したのかなという感じ。
遊廓の色香を漂わせたかったのだろうけれど、表紙の装丁には抵抗感が…。
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江戸時代らしき時代設定。からくり人形が発達しアンドロイドとして存在している短編集。どの話もアンドロイドと人間の業が絡み合って物語を推し進める。表題は、落ちが効いてて好み!
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江戸時代の忍者物+カラクリと摩訶不思議な人造人形の世界+純愛物。ドンデン返し的な要素も含めてとても面白かった。
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完全なる首長竜の日、忍び外伝等、素敵な作品に続き、本作も楽しませてもらいました。
イヴが伊武で、創生の女人であり、永遠の美として話を回す展開がワクワクさせてくれました。
読んでみてよと薦められる作品です。
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この特殊な設定と世界観を、登場人物の視点で理解できるのが面白かったなー!説明的ではないのに説得力があるというか。それだけに、この表紙にしてしまったことが悔やまれる。面白いのに手に取りにくいよ。
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機巧人形といえばミルハウザー(私的に)。確かそんな物語があったような。まぁまぁありがちだが、実権を握る公儀と象徴としての天皇という江戸時代っぽい時代背景と、機巧人形をめぐる謎がかみ合ってさらさらっと読めた。エンタメ小説なんだけど、ときどき、ロボットものならではの問い=心とは何か、人間とは何か、生とは何か、が差し込まれてくるので、何だか引っかかる。特に心に残ったのは、相撲取りが腰掛け(じゃないんですが)になってしまう「箱の中のヘラクレス」。出てくるたびに、天徳さんは幸せなのかなぁと思って胸が詰まる。最後の「終天のプシュケー」はイマイチでした。
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SF時代物ミステリ連作集。精緻な機巧人形を巡るさまざまな事件と、大きな陰謀。それに加えてややロマンティックな要素もあって、さまざまなテイストが楽しめる一作です。
お気に入りは表題作「機巧のイヴ」。これにはもう「やられた!」と思ってしまいました。
「箱の中のヘラクレス」もいいなあ。しかもあの人が終盤までああして存在するとは(笑)。
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パラレルワールドな江戸時代を舞台にした和製スチームパンク。っちゅうても蒸気機関は出てこないな、あっ風呂屋が結構重要な舞台となるのでええか(笑
一番最初に掲載されている表題作がなんせ素晴らしい。SF短編として秀逸でこれがあまりに素晴らしいから世界感を踏襲して、残りの4作品が書かれたって感じを受けた。ってことで、所謂短編集という感じではなく5章だての長編として考えた方が良い感じ。実際表題作以外は短編としては(説明不足という意味で)独立して読むには弱いと思う。
といってもそれは欠点ではなく(少々のダレ感は否定しないが)ページを繰るごとに、伏線や謎や背景が見えてきて、活劇シーンだけでも前半と後半では視野が違うという味の変化を楽しめる。この広がり感は実におもろい。
風呂敷を広げすぎず、程よいところで収束させてるのも良い。続編はあっても良いと思うけど、本作で続編をあからさまに予感させるような下品さがないのも良い。イブがこれまた随分と可愛くて、荒んだシーンの後でもほっとできたり。その辺のさじ加減は実に上手いなぁ。
似たような作風の「黄金機械」も良かったが、こっちの方がヒロインロボット(笑)の可愛さも含めて一枚上手だと思った。乾緑郎、要注意やな。
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13層の大楼閣に君臨するという噂の遊女・伊武。カラクリ千年の秘術を求めて彼女を追う、幕府配下の機巧師・久蔵。遷宮と幕府転覆計画が絡み合う中、魂の歯車たちが狂乱する!
連作短編集。作者のこのミス大賞作「完全なる首長竜の日」がイマイチ私には響かなかったのでどうかと思いながら読んだが、表題作はなかなかの切れ味だった。ただし似たようなオチの米国映画を観たことがある(題名忘却)けれど。苦手な時代物にも関わらずさして違和感なく読め、全体的には楽しめた。
(B)