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この人はホントにやさしい人だと思う。文体から人間性が伝わってくる。劣等生から劣等生へ向けた人生の教訓はどんな人にでも当てはまる、完璧な人間など絶対にいないのだから。こんな人が身近にいればもっと色々とご指南頂きたい。
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この本を通じて得た人生訓は、自分の骨肉になっていると思う。「勝ったって人が許してくれなければ勝ちがつながらない」「難しいところなんだが、一生懸命に自分の限界まで見せてしまうのは、ちょっとまずいんだな」とか。若いうちに読むべき本。
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マジメなアウトロー、人生の教訓。
わたしはこの著者のことをあまり知らなかったけど、いわゆる”優等生”じゃなかったこと、そして、愛することの大切さを知っていて、しかもそれを実践していることは、ありありとわかる。次の世代に対する著者の視線は優しい。この人の生き方を真似したって、わたしの人生は生きられないけれど、著者のくれたことばを大切にして生きることはできる。
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「がんばれよ」のメッセージが温かい人柄と共にじわっと滲み出てくる本。
立ち止まった時に再び読むと思う。
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出張に行く時は必ず持っていく本。気軽に読むことが出来るし、重たく読むことも出来る。なんど読んでも飽きない。
博打で身に付いた勝負論で世の中の原理原則を色川流に説いてゆく。
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はじめて色川武大の本を読んだ。
あるラジオで幻冬舎の社長である見城徹氏が、「色川さんは本当にやさしくていつまでも一緒にいたいと思える人だった」という主旨のことを言っていた。編集者として色々な人に出会ってきた人が、一番に名前を挙げる色川武大と言う人はどういう人なのだろうと興味が湧いた。
それも、もう何年も前の話である。
そのほか、著者に対する知識と言えば「阿佐田哲也」の名前で「麻雀放浪記」を書いていたことと、マンガ「哲也~雀聖と呼ばれた男~」による知識くらいだった。
イメージとしては勝負の世界でしのぎを削ってきたという得体の知れない怖さとやたらと存在感の大きな人というのがないまぜになっていた。
本書は劣等生の青少年に贈る人生の書である。
上から見下ろしてああだこうだいう本や宗教はいくらでもある。それらが気持ちを導いてくれる場合ももちろんあるが、所詮人徳者の言うこと。凡人には真似できない部分が多い。
しかし、本書の著者は隣に寄り添い「俺はね」と語りかけてくる。運をロスしないこと、自分のフォームを崩さないこと、相手を逃げ場のないところまで追い込まないこと。そして、その根底にある愛。著者が肌で学んだことをやさしく包み込むように教え諭してくれる。
私にとって大切な一冊になった。
子供たちにも伝えていきたい。
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若いときは随分な無茶もしたらしい、、今はなんとなく落ち着いて見える近所のおじさん。
そのおじさんが、若い落ちこぼれに対して訥々と言葉を掛ける。自らの半生を振り返りつつ…。
そんな優しい哀しみとユーモアに満ちた人生論。
いわく、「魅力的な弱点を持て」、「負けかたには巧拙がある」。
伊集院静「いねむり先生」を読まれたら、この本も是非。
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色川さんの文章を読んだのは、この『うらおもて人生録』が初めて。行間から滲み出ている色川さんの人柄、なんともいえない好感を持てる。「若い人たちが色川さんを訪ねてくる」エピソードがいくつかあったけども、その訪ねていった若い人たちも気持ちが、私にもよくわかるんだ。だって私も、色川さんが生きていたら是非会いたいなって思うから。「たぶん、この人は嘘をつかないんじゃないかな、私っていう人間をないがしろにはしないんじゃないかな」っていう信頼。文章だけで、そう思わせるって本当にすごいなあって思うんだけど。
人に優しくしたい、人を愛したい、そういう想いが伝わってくる、こっちまで誰かに優しくしたくなる。私は思わず、おじいちゃんに電話してしまいました。
「人を愛したいし、自分も大切にしたいよなァ」って、しみじみと述懐するんです。そのくせ、ひどい仕打ちをしてしまったりする人間の裏腹な気持ちも一緒に綴る。そこがいいと思うんだよ、生きるって愛だけじゃないないですか。残念ながらまっすぐな気持ちで、愛し続けるなんてぜったいむりじゃん。憎んで、蔑んで、憎まれて、蔑まれて、そして愛や優しさがあって、積み重なった過去があって、今があって。そういうのをちゃんと理解してて、きれいごとだけしか言わないわけじゃないのが色川さんの魅力。「うらおもて」っていうのは、作中では「勝ち負け」の話で、多く割かれてるけど、何かの現象/人間の感情、ひとつとっても、「うらおもて」っていうのは常にあるんだよなあって、当たり前のことだけど、立ち止まって考えさせてくれる良作でした。
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本人いわく劣等生へおくることば。
就職前によみたかったなぁ。
C0195
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色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子。
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著者は戦後にばくちを打って生計を立てていた人らしい。むかしマガジンでやってた「哲也」っていう麻雀漫画のモデルになった人だとか。
麻雀の話はまったくない。「運の量は決まっていて、実力が拮抗すると運の奪い合いになる」とか「全勝も全敗も良くない。九勝六敗が理想」とか「一病息災」とか、独自の勝負観をわかりやすく語ってくださってる本。
本を読んでるとき、いいフレーズがあるとそのページの角を折り曲げるようにしてるんだけど、この本はいっぱい折ったなぁ。
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人間が持つ力と運の総合を実力と考えた場合,運に頼った生き方(勝負)はプロではない。運は巡り合わせであり不確定要素。自分自身の力を見極め,下手をなるべく打たず,自分の力を発揮できる時勢を捉えて生きていく。そうすればクンロク(9勝6敗)のプロの生き方ができる。
運を実力の一部として捉え,且つ,不確定要素として捉えることによって自分の力をいかに出して「負け越さないか」を著者の体験をもとに若者に説いている。学生にぜひ読んで欲しい。
時勢を見極めるための知識を得るために最初は「見(けん)」に徹底するという考え方に感服。いろいろ体験になると思って好奇心のままに首を突っ込む私には勉強になった。
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戦後の賭博師・阿佐田哲也こと、色川武大先生が送る、劣等生へのメッセージ。
9勝6敗のセオリー、大きく負けないために自ら負けることの必要性、先取点の重要性など…。時代背景、環境は違えど、何故かすんなりと腹に落ちる。
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なんか優しくて、まるで小さな飲み屋で人生のあれこれを思い出して語りかけてくれているようで。若い人達やお母さんだけじゃなく、何か馴染めない若い日々を送った自分にも響きます。近所にこんなおいちゃんが、いて欲しかった。いや、成ろう、こんなおいちゃんに。そう思わしてくれる深い内容ですね。良くあんなに深い感情が言葉になるもんですね。感動。
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「運(=ツキ)は決まった一定量。全勝もないし、全敗もない。致命傷となる大負け越しにならないように、適当に負けを拾っていく」15日間で勝負のつく相撲の一場所での勝ち星・負け星になぞらえて、人生では九勝六敗をよしとする筆者の教えは、人生の真実を突いていると思います。どうでもいいところで、ツキの無駄遣いをしないように、ここぞという勝負どころで実力も運も出し切れるよう、普段から鍛えておく必要があると痛感しました。とても楽しく読めました。
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私は原理原則が好きだ。
先を取る。そして9勝6敗を目指し、けがをしないこと。
秋場所での3大関の休場と、日馬富士の全勝優勝、横綱昇進を見ながら、このことをすごく納得した。
自分の欠点を1つだけ大事に育てる、一病息災の考え方。欠点とは、その欠点のために必ず不幸に見舞われること。そうでなければ他者は愛してくれず、笑ってもくれない。自分の育てていく欠点はなんだろうと真剣に悩んだが、そう簡単に出てこない。いまだに出てこない。欠点はたくさんあるが、一つだけにしてあとは直さなければならないという。うーむ。難しい。
自分が生きているということを、大勢の人がなんとか許してくれている・・・この表現は嫌いじゃない。どちらかといえば好むが、これを理解するにはまだまだ時間が必要で、再読が必要だと持った。
人間は二代も三代も前からトータルで考えなければならないことも何か納得した。3代の長い時間をかけて人間はつくられる。生まれる前からの養分が大切。自分は幸運だと思うから、子どもができなくてよかったのかもしれない・・・そう本気で思える日は来るのかなあと思った。