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ある部屋を舞台に誰かの人生の一端をちらり垣間見る一冊。強烈な印象、濃い味の個性、というよりはそれぞれあっさり、さっぱり、たんたんと。どれも短く、さっと読めてしまうので通勤時におすすめ。
『それでは二人組を作ってください』いたくてつらかった。自分に重なるところがあるだけに。
『隣の空も青い』ある意味最も深刻で、その分最も爽やかだった話。この作家さん目当てで読んだ一冊だったけどやっぱり一番すきかな。
『ジャンピングニー』これもいたくて、でも苦しいより残念なかんじ。
『女子的生活』最初から最後まで軽薄すぎない軽快なテンポで、明るくてカラフルで好きな作品。
『鳥かごの中身』穏やかで好ましいけど、鳥かごにセンチメンタルが過ぎたような。
『十八階のよく飛ぶ神様』なんとなくミステリ仕立ての脈絡ない非現実的戦闘話。
『月の砂漠を』しっとりと切ない。悲しみと愛情とあったはずの幸せが淡々と分かち合われる。抑制がきいたセンチメンタルで意外ときらいじゃない。
『冷やし中華にマヨネーズ』これもすごい残念な話。なのになぜか残念で終わらず、こんなしょうもなさが現実的な切なさを放ってくる。
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ブクログのランキングで見つけて、好きな作家さんの作品入ってるし買おうと思った一冊。書店で見たら表紙がとても可愛かった。
個人的に好きだったのは女子的生活、十八階のよく飛ぶ神様、冷やし中華にマヨネーズ。十八階~はいろいろ衝撃的だったけど。ファンタジー寄りな感じ?
因みにわたしは思いきり騙されてました。
冷やし中華にマヨネーズ…のモータくん。あんまりこういうこと無いんだけど、昔の知り合いと口調とかキャラが同じだったので懐かしくなり思わずその人を当てはめて読んでた。元気にしてるのかなー。
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新潮文庫NEXという新しいシリーズ。いよいよ新潮もラノベかと思って読んでみたら、たまたま、作品がそうだったのかもしれないが、ラノベ風ではなかった。部屋に2人でいるということをテーマにしたオムニバスで、浅井リョウとか越谷オサムなど読んだこともある人も。タイトルのあとは部屋の間取り図になっていて、そこから物語がはじまる。いろいろな作風が楽しめておもしろかった。
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夫婦以外の二人を、部屋を起点に描いたアンソロジー。倦怠期の恋人、とかありがちだけどなかなかマニアックな設定のペアもいる。
朝井リョウ「それでは二人組を作ってください」が良かった。どこまでも不器用な話なんだけど、二人組に対する女の子の感覚がうまく描かれているなぁと思う。それとも、男の子でもこんなふうに感じるのかな。
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朝井くんの新作目当てで購入の「ひとつ屋根の下ふたりぐらし」アンソロジー。
新潮文庫から新創刊(スピンなし)の新潮文庫NEXレーベルの創刊ラインナップの1冊です。
朝井リョウがトップ走者、吉川トリコがアンカー。人気のある実力派若手(?)作家のラインナップはかなり豪華なのではないでしょうか。特に驚きのあるアンソロジーではなかったけど、おおむね安心して読めて、安心して人にも貸せる本ではないかと。
相変わらず女子目線な朝井くん小説。テラスハウス(作中では「ログハウスライフ」)に対する意地悪な目線といったら。
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同棲をテーマに描かれた本なんだけど、ラブラブな感じではなく、人と暮らすには、人と関わっていくには…と思ってた以上に深く考えさせられた話が多かったな。朝井リョウの話とか気持ちよくわかるーって思いながら読んだ。
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新潮文庫nexは使用している紙が好きです。つるりとしていて、指に少し吸い付くような感覚がして気持ち良いです。
というわけで、「知らない映画のサントラを聴く」に続けて、新潮文庫nex今月2冊目。
アンソロジーはいつもあまり期待しないで読むのですが(短編小説は書くのも難しいのか、あまり良質の話はないイメージだった)、これは好きな話ばかりの一冊でした。10~20代向けです。
「ふたりぐらし」をテーマにしたアンソロジーです。友人同士だったり恋人同士だったり夫婦同士だったり会社の同僚だったり、一人暮らしに子供や神様が転がり込んできたり。。。
また、どれも話の中でちょっとしたきっかけがあって、これから新しい生活へ……というエンディングが共通しています。前向きになりたい人にはおすすめです。
あと、話の最初にそれぞれの部屋の間取りが紹介されていて、見ていて楽しいです。間取りってなんであんなにワクワクするんでしょう。
どれも魅力的でインパクトもあるのですが、個人的なお気に入り。
〇 朝井リョウ「それでは二人組を作ってください」
→ 朝井リョウは初読みでした。独特な文体がめちゃ好み。「がしがしと玄米ブランを噛み砕くと、「食物繊維」という画数の多い文字が、一画一画ばらばらになって胃の中に押し込まれていく感覚がする。」(P.14)
〇 坂木司「女子的生活」
→ 坂木司大好きです。笑いました。そしてほのぼのしました。
〇 三上延「月の砂漠を」
→ 現代モノ続きのところに、いきなり昭和がやってきます。着物から洋服へ移り変わる頃。ほのぼの日常作品が連なる中で、少しシビアなお話でした。朝ドラの影響か、妻に優しい旦那さん。
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色々なパターンの二人暮らし。それぞれ楽しめた!
2014.9.24
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一時的であっても、誰かとともに暮らすことが書かれた作品を集めたものです。似鳥鶏さん目当てに買いましたが、どの作品も面白く、非常に得した気分です。今まで接点がなかった作家さんの作品を読めるのが、アンソロジーのいいところだと思います。とくに坂木司さん、飛鳥井千砂さん、徳永圭さんの作品が出色で、ほかの作品も読んでみようと思いました。
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海外出張に行く前に、飛行機内で手軽に読めて軽い文庫を、と思って買ったけれど、結局行きは予習、帰りも報告書と睡眠で読まずじまいにしていた本。
一気に読んだ。…違う作家によるアンソロジーなので、タイプは違うけれど、読後感は、あぁ、なんかいいなぁ。
朝井リョウの、もやっと、ひやっとする女の子同士の関係を描いた作品もあれば、飛鳥井千砂さんの、出張リーマンのお仕事小説かと思ったらどんでん返しで民族間の確執を書いた話や、坂木司さんの、LGBTの彼女が同級生を何だかんだ言って食べさせてあげる面白い話や、徳永圭さんの、淋しいリーマンと少女の刹那の交流を描いた温かい話や、三上延さんの、震災で妹を亡くした姉と妹の元婚約者の泣ける話…(結構なネタバレです)
作家として坂木さんが好きなのはあるけど、飛鳥井さんの話のもっていきかたはよかったなぁ。
一押しは、ビブリアの三上さんの作品の、元妹の婚約者が規則の厳しいアパートメントを選んだ理由が、今の妻である姉を守るためだったという展開。「鉄筋コンクリートの建物は、今までの木造よりもずっと地震や火事に強いそうです。」「同じことを、繰り返したくない」…これは、落ちますよ!
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初・新潮文庫nex作品。
二人暮らしをテーマにした作品である。赤の他人と二人で暮らすことは、身内以上に難しいなと感じてしまう。
また、出会いもあれば、別れもあり、一緒に暮らすパートナーによって、人生が左右されることもあるので、これもひとつの人生経験になると思う。
この本のいいところは、それぞれの話に部屋の間取りが載っているので、話の内容・背景が想像しやすいなと思う。
個人的に好きな内容は、「女子的生活」、「鳥かごの中身」、「月の砂漠を」である。
「月の砂漠を」は、他の話が現代の内容であるのに対し、関東大震災があった年から昭和の初めの話だというので、逆に新鮮さを感じるのである。
手紙の部分で、暖かい気持ちが伝わっていてほっこりとした気持ちになった。
「女子的生活」は、女装している男性との生活を解消し、意外な形で、同級生の男性と一時的であるが一緒に生活し始めた。その男性との生活の続きが見てみたいのである。また、それはそれで面白そうだなと思う。
「鳥かごの中身」は、母が家に戻らない小学生の女の子と、主人公の僕が一緒に生活する話である。最後に女の子の祖母が出てきて、「バカ娘の代わりにこの子を育てる」と言い、そこには、娘が子育てをまともにできないことに対しての贖罪の気持ち、娘のようになって欲しくない孫を気遣う気持ちが強く感じられる。
女の子も母の所へ行きたい気持ちが強く、祖母へついて行くのは嫌がっていた女の子の辛い気持ち、僕が女の子と別れ、一生会えないという悲しい気持ちが入り混じり、切ない話だと感じてしまった。
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二人暮らしをテーマにしたアンソロジー本。友達、会社の先輩と後輩、腐れ縁の恋人、傷心の青年と少女、夫婦、棲みついた人じゃない者・・・
最近アンソロジー本にハマってます。
今回も面白かった!8人の作家による作品たち。
ルームメイトを探す『それでは二人組をつくってください』、出張先で数日間同じ部屋になった先輩後輩『隣の空も青い』、それぞれ夢を追いかける同棲カップル『ジャンピングニ―』、突然現れた高校時代のクラスメイト『女子的生活』、母親がいなくなった隣の少女と暮らすことになった青年『鳥かごの中身』、突然部屋に現れた自称神様との生活『十八階のよく飛ぶ神様』、慣れない新居に住む新婚夫婦『月の砂漠を』、腐れ縁で一緒に住んでる元カップル『冷やし中華にマヨネーズを』。
お気に入りは『女子的生活』かな。読んでるうちにそういうことかと納得。
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ふたりで暮らすアンソロジー。
ほぼ初読な作家さんだったのかな。
いわゆる男女のふたり暮らしなだけでなく
いろんな形の同居の話。
間取り図から始まるのがよかったでした。
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気鋭の注目作家が描く、一つ屋根の下アンソロジー。
一度は耳にしたことのある作品の著者の魅力をぎゅっと詰めた作品集です。「この作品はよくドラマ化や映画化されているけど、実際に読んだことない」人や、「流行には乗らん!」という硬派の方にぜひ読んでほしいです。
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部屋で二人で住む話をテーマにしたアンソロジー。恋人や夫婦中心の甘めの話が多いかと思っていましたが、様々な設定でどちらかというと寂しかったり辛口のものが多かった印象。特に、朝井リョウさんの作品はぐいぐいえぐられるようでした。二人組になるのって難しいと私自身が思ってしまうので納得してしまうし、ぐいぐいえぐられました。三上さんの作品が切なくほろりとするものに、胸が温かくなるものもあってよかった。