投稿元:
レビューを見る
色々な作家さんが一つのテーマを題材にした短編集です。
話の最初に間取りとか部屋の設定が書いてあって部屋の描写が分かりやすいです。
まさか...と思うような衝撃の展開があり、面白いです。
私は越谷オサムさんの話が好きかな。
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウの短編がインパクトがあって良かったので感想を。
筆者は心の痛みというか、いらないプライドというか、無意識の優越感や嫉妬を書くのがうまい。ルームシェアをしている姉が出ていくため、シェア相手を探す大学生の話。ところどころ挟まれるモノローグが示す通り、女の子と二人組をうまく作ることができない。できなくても、できないのではなくしないのだ、と自分のプライドを守るためその気持ちを隠す。テレビ番組のルームシェアに憧れる友人をルームシェア相手として誘うため、彼女の好きそうなインテリアを買いサプライズを狙う主人公。ああ、まるで駄目な男の典型だ。好きな物を与えれば自分についてくれるだろうと考える、その思考がよくない。まずは訊こう、誘おう。ルームシェアしないかと。事情を話そう。見栄で高いランチを頼んだり、割り勘のお金を貰ってないことを言い出せなかったり、そんなんじゃきっとルームシェアしてもうまくいかないよ。願わくは彼女が、新しく同居人から広い愛を与えられて、変なプライドが砕けて素直になれればいい。が、そんなうまくいかないかな。自覚があってもきっかけと環境が整ってないとうまくいかないよね。彼女に友達が少ないのは彼女のせいなんだろうけど、分かったからといってうまくいくもんじゃないし!
投稿元:
レビューを見る
最後の吉川トリコさんの話がグワーンときた。13年共に暮らして生臭い気持ちがなくなってしまった二人の終わり。別々に暮らすようになったら、イライラしたことも泣いたことも忘れて、きっと思い出すのは冷やし中華にマヨネーズかけてたとか、シチューをご飯にかけてたとか、くだらないことだったりするんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
【収録作品】「それでは二人組を作ってください」 朝井リョウ/「隣の空も青い」 飛鳥井千砂/「ジャンピングニー」 越谷オサム/「女子的生活」 坂木司/「鳥かごの中身」 徳永圭/「十八階のよく飛ぶ神様」 似鳥鶏/「月の沙漠を」 三上延/「冷やし中華にマヨネーズ」 吉川トリコ
投稿元:
レビューを見る
アンソロジー。
一つの部屋、二人の物語。
朝井リョウさんの「それでは二人組を作ってください」を読もうと思い手にした。
でも、いまいち面白くなかった。
そのかわり、飛鳥井千砂さんの「隣の空も青い」と吉川トリコさんの「冷やし中華にマヨネーズ」と出会えた。
「隣の空も青い」は、韓国と日本の間にある溝にまつわる、大事な人とのコミュニケーションの話。
「冷やし中華にマヨネーズ」は、腐れ縁と思い出、そこから歩みだすお話。
この二編は読む価値あり。
投稿元:
レビューを見る
いやー
よかった(*^_^*)
かたちは様々、一つ屋根の下、「ふたり」を題材にしたアンソロジー作品
甘酸っぱかったり、ほろ苦かったり、懐かしかったり・・・・・・胸キュンです~
では
作品ごとに見ていきましょうか
『それでは二人組を作ってください』 朝井 リョウ 著
幼い頃から二人組を作るのが苦手だった女性
そんな彼女が自身の部屋をシェアする相手を探し求める物語
主人公の不器用さが痛々しいんだけど・・・なんだか自分を見ているみたいで・・・・・・
『隣の空も青い』 飛鳥井 千砂 著
面識はない、愛想もない、そんな先輩社員と韓国へ出張
楽しいはずであった出張
だけど、日本、韓国、二国間の歴史認識の差を見せつけらて・・・・
とっても悲しい気持ちになって(´_`。)グスン
そんな時に無愛想な先輩が・・・人生経験を話し始めて・・・・・・
先輩!!いいこと言うね~
『ジャンピングニ―』 越谷 オサム 著
夢を追い求めて田舎からやってきた二人
魅かれるように同棲を始めたけど
夢の行先はそれぞれにあるわけで
そのことが分かり始めた2人の行く末??
「ガンバレ二人!!!!!!!」と応援したくなるような物語
『女子的生活』 坂木 司 著
女の子になりたかった男の子は夢をかなえるために女の子になった
女の子になった男の子と元同級生が出会って。。。。。
そこから始まる同居生活は・・・・・
とってもイマドキな感じ~?
軽快で元気いっぱいな感じ~?
『鳥かごの中身』 徳永 圭 著
同棲していた彼女が出ていった・・・・そんな男子と
母親が出ていった・・・・・そんな少女の
期間限定の共同生活
とっても悲しい現実だけど未来へ踏み出そうとする二人がとっても眩しい物語
『十八階のよく飛ぶ神様』 似鳥 鶏 著
神様との同居生活
悪い奴がやってきて神様とバトル開始です
素直に終わりそうで・・・・やっぱり終わらない!!!!
『月の砂漠を』 三上 延 著
私には妹がいた
だけど妹は関東大震災で帰らぬ人となった
彼女には婚約者がいた
私と彼は復興を遂げた街で暮らしていく
妹を想いながら・・・・・・
『冷やし中華にマヨネーズ』 吉川 トリコ 著
同棲生活も十年超えればどんなもんよ
惰性に馴れ合い、これってよく言う腐れ縁??
でも、でも・・・
二人の間には誰にも知れない絆もあったりする
けど、けど・・・
長期同棲中の二人の未来は・・・・このままではいけない・・・・・とも思う
今までここにあった
当たり前だと思っていた
そんな現状は永遠ではない
いつかは形を変える
二人だけの形が変わる
ちょっぴりセンチメンタル感に浸れる作品集でした(^.^)
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウさんの作品を読みたくて手に取った。今回の作品も、心情をえぐり出していてリアルだった。
どの作品も、舞台となる部屋に物件情報と間取りが出ているのが想像しやすくて面白かった。
印象に残ったのは、飛鳥井千砂さんの「隣の空は青い」。単なる海外出張の話かと思いきや重要な物語だった。ほかの作品も読んでみたいと思った。
【2014.9】
投稿元:
レビューを見る
アンソロジーなので、
普段読まない作家も読めると思って読んだけど
普段読んでる作家さんが一番良かった。
一人暮らししたことない私は、そっちに憧れるのだけど。
いずれにしても、どんな形でも二人暮らしって大変。。。
人とのかかわりがシェアの醍醐味なんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
数人の作者で書かれているアンソロジーなので、初見の方などの作風が知れるのは楽しかった。
同じ部屋で過ごすという展開の単純な図式なんだけど、作者さんによっていろいろかわるので面白い。男女間の話であったり、かつてとこれからの友情であったり、ファンタジーな設定であったり。ハッピーなだけでなく、重かったり痛かったりもしたりしたけども軽く読むにはいいんじゃないかな。
投稿元:
レビューを見る
〇「部屋」「二人」をテーマに、切ない物語が続く
新進気鋭の若手作家が織りなす、「部屋」「二人」をテーマにしたアンソロジー。一部だけ、レビューを。
「それでは二人組を作ってください」朝井リョウ
理香は、昔から二人組を作ってと言われても仲間はずれになってしまう傾向があった。
そのたびに強がり、一人でやり、「平気だよ」といい。
姉はそんなことがない、彼氏もいる。そんな姉とルームシェアしていたが、結婚のため部屋を出るという。代わりのルームメイトを探さないと家賃にも余裕がないのだが、誰が適任か?
大学の友人をあたっては見るがなかなか言い出せず・・・
二人組になれない寂しさ。表現できないもどかしさ。
「隣の空も青い」飛鳥井千砂
「ジャンピングニ―」越谷オサム
「女子的生活」坂木司
会社員のみきは、メイクアップアーティストのともと同棲中。しかし彼氏ができともは家を出ていくことに。新しいルームメイトを探さないと、と考えているとき、「小川」という男を追い「後藤」が部屋を訪ねてくるが・・・・
ビックリな展開から、ほっこりな展開へ。
「鳥かごの中身」徳永圭
「十八階のよく飛ぶ神様」似鳥鶏
「月の沙漠を」三上延
「冷やし中華にマヨネーズ」吉川トリコ
ミーコは、大学を卒業あとすぐにバンドマンの尚紀と同棲し始めて13年。ようやくミーコはイラストで稼げるようになったものの、尚紀のバンドはそうでもなく。ミーコはバンドマン仲間のモータと、尚紀は公衆便所と呼ばれるようなビッチと付き合うようになっていった。
お金も家に入れない尚紀に腹立たしく思っていると、尚紀がそのビッチを妊娠させてしまい・・・
13年の記憶や刷り込みの重さ。
投稿元:
レビューを見る
朝井リョウ『何者』のスピンオフ作品がお目当てで買った、シェアハウスがテーマのアンソロジー。たまたまですが今タイムリーにふたり暮らししてるのもあって楽しく読めました。
というかどの作品もすごくいい!!特に最後の吉川トリコさんの作品は電車の中で読んでたにも関わらずボロボロ泣いてしまいました。ながーく同居して恋人でもなくなってしまったカップル。共感できすぎる!!吉川トリコ作品、多分初めましてだったと思うんだけど、長編も読んでみようかな。
投稿元:
レビューを見る
似鳥鶏先生の短編目当てで購入。やっぱりこの作者さんの書くアクションシーン好みです。(いや、ミステリも好きですけど!)一度、べったべたのファンタジー書いて欲しいですわー。
投稿元:
レビューを見る
新しい作家開拓もかねて,坂木司の名前につられて購入。(その割には坂木司の短編はあんまり好みでないものが多い…。)
一時的に,あるいは永久的に,一つの部屋で二人が暮らす物語集。友達同士だったり,会社の先輩後輩だったり,恋人同士だったり。「部屋の中」という特別な空間だからこそ見えてくる他人の内側に触れることで,代わり映えのしなかった日常が少しだけ変化していく様子が素敵でした。
飛鳥井千砂「隣の空も青い」,徳永圭「鳥かごの中身」,三上延「月の砂漠を」,吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」が良かった。
▼短編
朝井リョウ「それでは二人組を作ってください」
飛鳥井千砂「隣の空も青い」
越谷オサム「ジャンピングニー」
坂木司 「女子的生活」
徳永圭 「鳥かごの中身」
似鳥鶏 「十八階のよく飛ぶ神様」
三上延 「月の砂漠を」
吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
投稿元:
レビューを見る
部屋で2人に纏わる短編小説。 朝井リョウと越谷オサムが読みたくて買った。朝井リョウのそれでは二人組を作ってください、は朝井リョウらしいモヤモヤ感、大学生に1番近い感性で描かれた大学生は、やっぱりどこかに卑屈で暗い部分を含んでいた。 越谷オサムのジャンピングニーはどこか笑える、スカッとするような話だった。 その他の作家もなかなかにおもしろかった。
投稿元:
レビューを見る
+++
誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。
+++
朝井リョウ 「それでは二人組を作ってください」
飛鳥井千砂「隣の空も青い」
越谷オサム「ジャンピングニー」
坂木司「女子的生活」
徳永圭「鳥かごの中身」
似鳥鶏「十八階のよく飛ぶ神様」
三上延「月の沙漠を」
吉川トリコ「冷やし中華にマヨネーズ」
+++
いろんな時代、いろんな場所の、いろんな部屋で繰り広げられる、いろんな二人の物語である。冒頭に、不動産広告のように部屋の案内と平面図が載せられていて、それを見ただけで周囲の環境や部屋の様子が想像できてすでに愉しい。物語に飛び込めば、どの二人もしあわせいっぱい大満足というわけではなく、何らかの屈託を身に宿して日々を暮している。それぞれの部屋の間取りによってもたらされるものもあって、それがなおさら興味深い。そしてそれぞれが最善とは言えないかもしれないが、なんとなく満たされて終わるのが心地好い一冊でもある。