紙の本
園江さん最強
2017/01/25 14:08
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハッピーエンドに一安心。結果的に全員が園江さんに勝てないのですね。あそこまでいくとかえって爽快です。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代末期が舞台。天保の改革を軸に町役人(吟味方 与力)高安門佑の目線で当時の人々の葛藤が描かれています。
西條加奈さんの作品を初めて読みました。
女性の書く時代小説は優しさが滲んでいて、好きです。
別の作品も読みたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
2015.1.28.時代小説で結末、驚天動地、そして感動!夢にも思わなかった。夜中に読み終わったのだが、ソチ五輪の浅田真央選手のフリーの演技を観終わった後のように、涙で目が完全に醒めてしまった。355ページの後ろから4行目、ここですべてが逆転する。まさかの結末。ここまでも、天保の改革についてじっくり書かれた作品として読み応えがあったが、底流に流れるもう一つのストーリーが浮かび上がる。まるで組曲のような作品だった。これを紹介して下さった読み友達に心から感謝したい。図書館で借りたが、購入して最後のところ何度も読み返したい。
投稿元:
レビューを見る
苦手な享保の改革、寛政の改革、天保の改革もちょっとわかった。遠山金四郎は、杉良太郎よりも、高橋英樹よりも、松方弘樹よりも中村梅之助がぴったりだと納得!赤ら顔の丸顔でおおらか。
投稿元:
レビューを見る
西條さんというとどうしても『金春屋ゴメス』のインパクトが強く。こんな本格的な時代小説も書くのですね。
最初は主人公が長身で強面だが実は気が優しい、上司の遠山景元(遠山の金さんです)が意外に俗で出世欲が旺盛なところを除けば、ごく普通の捕り物の様でした。
しかし後半は良くなります。遠山の政敵であり、妖怪の異名で知られる鳥居耀蔵の心情や、主人公が最も苦手とする出戻りの姉の思わぬ手配りなどによって、物語に深みや情緒がグッと増します。
爽やかな話でした。
投稿元:
レビューを見る
★2018年7月15日読了『涅槃の雪』西條奈加著 評価B+
江戸時代の物語、高安門祐という北町五番組吟味方を主人公にその上司である花吹雪の遠山の金さんこと遠山右左衛門尉景之を描く。
南町奉行の矢部定謙と二人して、民衆無視の財政緊縮策を進めた水野忠邦の大緊縮に抵抗する江戸の町を描く。
茶番白洲
雛の風
茂弥、勢登菊
山葵景気
涅槃の雪
落梅
風花
の7短編からなる。
投稿元:
レビューを見る
★3.9 2021.03.20
とても読み応えのある物語だった。
北町奉行遠山金四郎の元で与力として働く高安門佑の目を通して、老中水野忠邦の天保の改革を描いている。
史実に忠実であろうとするあまり、説明が長く、途中面白味にかける部分があったが、主人公はもちろん、敵役の鳥居耀蔵もとても魅力的な人物だった。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、門佑の姉の園江には絶対に勝てない。
絶対に勝てない。
武家の子女には子女なりの戦い方があるということか。
↓↓↓内容↓↓↓
町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。お卯乃との生活に安らぎを覚える門佑だったが、老中・水野忠邦が推進する天保の改革は、江戸を蝕み始めていた。改革に反対する遠山らと水野の鬩ぎ合いが苛烈を増す中、門佑は己の正義を貫こうとするが―。爽やかな傑作時代小説。第18回中山義秀文学賞受賞作。
投稿元:
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
町与力の高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元の片腕として市井の取締りに励む毎日だ。その最中、元遊女のお卯乃を屋敷に引き取る。お卯乃との生活に安らぎを覚える門佑だったが、老中・水野忠邦が推進する天保の改革は、江戸を蝕み始めていた。改革に反対する遠山らと水野の鬩ぎ合いが苛烈を増す中、門佑は己の正義を貫こうとするが―。爽やかな傑作時代小説。第18回中山義秀文学賞受賞作。
令和3年6月4日~8日
投稿元:
レビューを見る
悪名高い、天保の改革の中くらいで若き町与力の高安門佑
苦悩しながら成長していく姿に感動。
北町奉行の遠山影元や鳥居耀藏らの捉え方も面白かった
投稿元:
レビューを見る
あの遠山の金さんの元で働く、武骨な町与力「高安門佑」の物語。
老中「水野忠邦」の改革に異を唱える北南町奉行の苦労と挫折、と共に門佑の妻となる卯乃との交流が同時進行で語られていく。
短編からなるお話も、表題作「涅槃の雪」が沁みる。
投稿元:
レビューを見る
天保の改革を描いた小説って読んだことなかったなぁ。
主人公は、北町奉行所に勤める町与力。本来、市井の人々と為政者の間に立つ役目が故に、苛烈な取り締まりに思うこと多し。
主人公を通し主要人物が複眼的に描かれていて、主人公の真摯さや謙虚さとともに、単純に善悪で割り切れない厚みのようなものを感じました。水野忠邦だけは、自分だけしか見えていないやつとして描かれてましたが・・・。
それとともに、題名「涅槃の雪」という言葉の持つ、静けさ、哀しさ、美しさが心に残りました。
投稿元:
レビューを見る
今の時代にも通じる、世を動かす上の思惑で右往左往させられ、地獄の苦しみを耐える庶民。そんな庶民のために働いてくれる遠山の金さんと、その部下、高安門佑。鷹のように鋭い顔なので鷹門と呼ばれています。主役の鷹門が私のモロ好みで、読み終えてしまうのが寂しく、割に読むのが早い方なので前半面白すぎて読み進め、鷹門に魅せられると、別れるのが寂しく。少しずつ噛み締めるように読み、しかしとうとう読み終えてしまいました。
今や鷹門のような男はそうはいません。男性もムダ毛まで処理し、パックし、美を追及する時代。
鷹のように鋭い顔の男など淘汰されてしまいました。怖がられる容貌の人はことさら優しい人になります。生まれた時から、人から恐れられるという苦しみを耐えねばならないので。
そして水野忠邦の改革の急先鋒であった鳥居輝蔵もまた、おもてには見えない深い考えの持ち主。このお話に出てくる人たちは男も女もウカウカ生きてはいません。覚悟して、己の貫くものを大事に、いかに苦しくても折れることなく幸せになります。
涅槃の雪の意味が途中でわかりますが、私はその場面で大泣きしました。ぜひぜひ読んでください。
投稿元:
レビューを見る
天保11年
町与力・高安門佑は、新任の北町奉行・遠山景元から、右腕になるよう言われる。が、実態は、愚痴の吐口のようだ。
隠売女の取締・女浄瑠璃取締・株仲間解散令・芝居町所替・人返し令・上知令と、世に言う「悪名高い天保の改革」を強行する老中首座・水野忠邦。
奢侈禁止令は、江戸の生気を奪い取っていった。
南北両奉行は、上申書を提出したが、悉く認められず、改革を本気で進めたい水野は、名奉行の誉高い、南町奉行・矢部定謙を解任。後任に、鳥居耀蔵を任命する。
己の正義を貫こうとする門祐。
元遊女・お卯乃の過去を通じて「妖怪」の異名のある鳥居耀蔵の一面を見る、門佑。
最後に、出戻りで烈女の姉、園江が取った行動は、この作品に、幅を持たせた。
投稿元:
レビューを見る
教科書で読んだ天保の改革が、様々な立場から捉えた物語として描かれていて、とても面白く読みました。誰が適役かなぁと役者さんの顔を思い浮かべながら読むのも楽しかったです。時代劇が少なくなって寂しい…。
今も昔も政まつりごとは変わらないのだなぁ。お仕事小説の要素もありましたね。
投稿元:
レビューを見る
悪夢の水野政権じゃん‥…最悪だな、天保の改革って。
ラストに救いがあるのが良かった。
遠山の金さんが俗物ぽくてむしろ好感。