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ARMS 6 みんなのレビュー
- 皆川 亮二 (著), 七月 鏡一 (原案協力)
- 税込価格:825円(7pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2014/09/13
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紙の本
擬似親子
2014/11/02 12:17
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投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカに渡った主人公達が立ち寄った街、ギャローズベル
「絞首台の鐘」という意味を持つ街の名から、不吉さを感じるが、それは的中。
夜中に襲撃を受けてしまう。
襲ってきたのは、「猟犬(ハウンド)部隊」と呼ばれる部隊。
個々は運動神経、反射神経、五感を人工的に強化した兵士だが、それ以上に強力なリーダーの下、完全に統率された行動をとるのが最大の特徴。
これまで出てきた敵が個々の能力が現実離れしている、というのと比較すると、非常に地味だが、実際は、こういう方がコワイと思う。
そして、その猟犬部隊を操るのは「チャペルの子供たち」
こちらも人工的に生み出された天才児たち。
当初、エグリゴリ(主人公達の敵の組織)の指示で襲撃してきた、と思われたが、それは違っていた。
「チャペルの子供たち」も「猟犬部隊」も、エグリゴリにとっては実験対象でしかなかったのだ。
しかも、どちらかというと「失敗作」・・・。
「チャペルの子供たち」は、天才児だけに、いち早く自分達の立場に気付き、エグリゴリに反旗を翻そうとする。
そのための実働部隊が「猟犬部隊」
エグリゴリの科学陣が制御できなかった主人公達のARMSを、自分達が制御(ロボトミー手術のようなものを行って、コントロール)する、という実力誇示兼戦力として使うため、襲撃したのだ。。
こんな事をしなくても、素直に共闘を申し出ればよかったのに、と思うのは凡人の発想か。
ただ「チャペルの子供たち」にも裏の事情があることが次第に判明する。
この子供たちは二重の意味で、「親」から捨てられていたのだ。
まずは「実の両親」
「チャペルの子供たち」(の脳)があまりにも早く成長するために、実の両親が恐れ、エグリゴリに引き渡してしまったのだ。
そして、その後、「親」代わりのエグリゴリから「失敗作」と見なされてしまう。
エグリゴリに反旗を翻した理由も、「打倒」と言うより、「"親"に"力"を認めてもらいたい」という気持ちからではないかと思う。
一方、猟犬部隊のリーダー、スティンガーはスティンガーで、過去に自分の子供より、自身の能力を高める(強くなる)事を選んでしまった、という負い目があった。
「チャペルの子供たち」が誘いをかけてきた時に、子供たちの裏の事情をそれとなく察して、「親」になろう、と手を組んだのだ。
「親」に捨てられた「子供」と、「子供」を捨てた「親」
主人公たちと闘う前夜、「チャペルの子供たち」のリーダー、オスカーが「猟犬部隊」のリーダー、スティンガーに「命令」を出すシーン。
「僕の前にひざまずけ。そして、抱きしめろ。息子を抱きしめるようにだ。」
「どんな事があっても、お前だけは裏切らない。これからも、この僕を守るんだ。」
「チャペルの子供たち」と「猟犬部隊」(と言うより、リーダーのスティンガー)は「使用者」と「道具」という関係でなく、「擬似親子」関係であった、というのが印象に残る。
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