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百年戦争である。ポワティエの戦いにジャンヌ・ダルク、十字軍を横目にしながら、ブルターニュ戦争である。イタリア戦争に宗教戦争、ノストラダムスにサン・バルテルミーの大虐殺とくれば、もう高校世界史の復習である。
お人好しやらスケコマシ、果ては狂人までいろんな王様がいて、なかなか愉しい王朝です。庶民にとっては「大迷惑」以外の何ものでもないけど(笑)
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カペー朝に続くフランス王朝史。本家が神殿騎士団の呪い?で絶えてしまった為、傍流のヴァロワ家が継いだフランス王家。だかイングランドから待ったがかかる。女系ながらより嫡流に近いイングランド王が正統なフランス王を称し攻めて来たのだ。100年戦争の始まりである。賢王シャルル5世、狂王シャルル6世、勝利王シャルル7世、そして神聖ローマ帝国と張り合ったフランソワ1世のド派手な治世。アンリ2世の予言された死。泥沼の宗教戦争。その200年以上に渡る治世で、フランスは王権は他を寄せ付けない巨大な権力を持ち、また国家としての機能を備える。
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カペー朝は個人商店の奮闘、ヴァロワ朝は中小企業の奮闘、そして次のブルボン朝の課題は大企業になること。
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直木賞作家が綴るフランス史。英仏百年戦争からユグノー戦争に至るおよそ260年の歴史です。日本で言えば鎌倉末期から秀吉の時代までですね。カペー朝で封建社会が確立したフランスですが、ヨーロッパ唯一の超大国として、規模が大きくなりすぎうまく機能しなくなります。財政上の問題もあり中央集権国家を目指します。しかし王権が弱く身内からも離反が相継ぎます。中央集権に不可欠な王や国家のカリスマは次のブルボン朝を待たねばなりません。諸侯の集まりでしかないフランスが、国としての自覚を持とうとする姿はダイナミック!
王朝が交替するということ
幸運王フィリップ六世(一三二八年~一三五〇年)
良王ジャン二世(一三五〇年~一三六四年)
賢王シャルル五世(一三六四年~一三八〇年)
狂王シャルル六世(一三八〇年~一四二二年)
勝利王シャルル七世(一四二二年~一四六一年)
ルイ十一世(一四六一年~一四八三年)
シャルル八世(一四八三年~一四九八年)
ルイ十二世(一四九八年~一五一五年)
フランソワ一世(一五一五年~一五四七年)
アンリ二世(一五四七年~一五五九年)
フランソワ二世(一五五九年~一五六〇年)
シャルル九世(一五六〇年~一五七四年)
アンリ三世(一五七四年~一五八九年)
国家改造の物語
著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)
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一番印象に残ってるのは、シャルル6世の項。と言ってもシャルル6世自体は影がうすい。
ブルゴーニュ公との熾烈な戦いは読み応えあった。
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前作に続きフランス王朝の歴代王のエピソード集?第二弾。ヴァロア朝はちょうどは日本でいうところの南北朝時代〜戦国時代にあたるので、このころ西欧(フランスをそう言ってそれほど差し支えはないと思う)が何をしていたかを考えるのが楽しい。
しかしなんというか、大国の余裕のなせる?ワザか、今回はビックリ面白王様大会みたいになっている部分もあり、いろいろ考えさせられる。
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著者はカペー朝からヴァロワ朝、ブルボンへの交代を、個人商店が中小企業、そして大企業へと成長していく過程に例えている。日本史でいうなら、ヴァロワ朝は江戸幕府でありながらある程度まで明治維新を進めた、というイメージになると。
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佐藤賢一さんのフランス王朝史。彼の小説を次々と読んだあとに読むと、舞台となった時代が次々に現れて、非常に楽しい。ジャンヌ・ダルクや、離婚した王妃、ミシェルとクルパン君が駆けた時代のパリ、その他もろもろ。それぞれの小説の舞台背景が、流れとして見えてくるのでとても楽しい。ブルボン朝も楽しみ。新教の王はどうやって旧教派たちのいきり立つ王国をなだめすかしていくんだろう。
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カペー朝から続くフランス王朝史第二弾。
先にカペー朝、ブルボン朝を読み終わっているが、
ヴァロワ朝が一番面白い
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フランス王国 ヴァロワ朝の通史。初代の王位継承を切っ掛けに勃発する英仏百年戦争から始まり、激化した宗教戦争の最中に終わるまで。戦争の歴史でもあるけど、同時に王朝の内部が変革されていく様は興味深かった。
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カペー朝と違い、前提としてフランス王国が存在するところから始まったヴァロア朝、百年戦争も乗り切り、フランスという(地域的な区分)入れ物に、フランス王国という中身が充填され、フランス王国が名実ともに成立して…と思ったモノの、宗教戦争、宗教戦争、宗教戦争……
なるほど、「絶対王政」が必要とされた理由が理解できた。
ただし、どうやってそれを実現するのかは、ブルボン朝に託された。
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ヴァロワ朝のフィリップ6世からの歴史。ブルボン朝に比べると資料が制限されるのか、歴史の教科書的記述が多く、話を膨らます脱線は少ない。この時代は、イングランド、神聖ローマ帝国、スペインといった強力な王に囲まれそのプレッシャーを受けつつ、ブールゴーニュ、ミラノ、フランドルといった各公国を取り込んでいってフランスの版図を拡大していった歴史だが、それは戦争、謀略の繰り返しで、一歩進んでは2歩下がる、その中には百年戦争も含まれ他、中世的な歴史がある。この中で、三部会を数多く開いて徴税範囲を拡大し、常備軍を作り、国力を拡大させることに成功するが、ドイツから来た宗教改革の影響が政治的争いを拡大し、国王の無能さもあって(?)、国内は混乱に陥り、アンリ4世の台頭につながる。
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長い歴史で仕方ないのだが、羅列が多く、ほとんどカタカナ。そして個人的に、著者の文章が未だ苦手だ。小説のような言い回しなのに、カタカナの羅列で、頭に入ってこないのだ。片手に置いて、辞書がわりに使うなら良いだろうと思い、続編も購入した。
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フランスの中世の歴史、なかでもヴァロア朝を扱っています。
教科書的な事実の羅列ではなくお話であるので、楽しく読めます。他方で、当時のヨーロッパを共通して起こった事象(例えばペストとか、あるいは宗教改革とか)に関しては多くを触れていません。ですので、ビギナー向けの新書というより、あくまでフランス史を集中して知りたいという方にお勧めの作品だと思います。
世界史をよりよく学びたいために購入しました。
前作カペー朝に続き、ヴァロア朝でも王様たちの功績をヒストリカルに扱います。これを縦糸と例えますと、並行するようにおこった百年戦争とイタリア戦争をメインに描いており、本作の代表的なモチーフになっています。その中にはオルレアン奪還でヒロインとなるジャンヌ・ダルクやユグノー戦争の象徴とされるサン・パルテルミの虐殺なども出てきます。
本作の特徴といえばやはり人物描写。相変わらず、人を語るのが上手です。対英戦争である百年戦争の最中、イギリスから逃げ出した捕虜に代わり、「なら私が!」と自ら捕虜となることを申し出るジャン2世。シャルル9世の母として隠然たる力を持ち、美人局兼スパイ隊である「遊撃騎兵隊」(女官集団)を組織したカトリーヌ・ドゥ・メディシスなどです。そんな気になる人物をAmazonで検索すると大抵この佐藤氏が別の作品を書いてたりします笑。はい今度読みますよ。
他方、ややわかりづらいと感じるのは、当時の時代背景である反ハプスブルグの動きであるとか、オランダ独立の動きとか、宗教改革であるとか、いわば横糸と捉えられるような事象については多くを語っていないため、世界史全体のうねりについては奥深さを欠くように感じられました。王様の喧嘩のような話が続くこともあり、読んでいて冗長である(長くて終わらない!!)という感覚にも陥りました。
・・・
前作のカペー朝から引き続き読みましたが、何故か、前作と比べ大分苦戦しました。何しろ王様の名前が同じ過ぎて、自分を見失います笑 殆どの王様がアンリ、シャルル、アンリ、シャルル、たまにルイ、そしてアンリ、シャルル、アンリ、シャルル。。。いや、もちろん、フィリップ、ジャンもあるけど。そうそう、フランソワもあるけど。。。
とにかく、通読には資料集必須!あるいはフランスの地図や系図が横にあると数倍読みやすいと感じました。
Kindleで購入しましたが、ページの行き来が面倒ですので、折角系図や地図を載せてくれてもジャンプしてわざわざ戻りませんよね。紙の本はこういう内容の時には強さを発揮すると感じました。
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狩猟に舞踏会にと捕虜生活を楽しむジャン2世。
晩年に授かった一人息子を大事あまりに軟禁するルイ11世。息子たちが人質に取られていても条約破棄して戦争を始めるフランソワ1世。…そしてそれらのしわ寄せは、母や祖母やおばや妻や娘たちに。女性陣、苦労するハズである。
例えば、ジャンヌ・ド・ナヴァール。アンリエット・ロリミエ《ナヴァールのジャンヌ》(マルメゾン城美術館所蔵)のモデル。父親はフランス王位を狙う小国の王。母親はフランス王シャルル5世の妹だが、自身はナヴァラ王女だわな。3つで母に死なれ、王女だから16歳で嫁にやられるのは仕方ないとしても、相手はバツ2の47歳(ブルターニュ公ジャン4世)。3男6女に恵まれたんだから幸せだったとは思うが、30前で寡婦になり、今度はイギリスでヘンリー4世妃に。政変に巻き込まれて幽閉されたりしながら、晩年はイギリスで過ごした。牛追い祭が恋しかったりしたかしらん(首都パンプローナはヘミングウェイの『日はまた登る』の舞台。牛追い祭で有名)。
しかしまあ、『王妃マルゴ』の世界がゴールと思いながら読み始めたけど、長かった、ヴァロワ朝!日本の皇室やら藤原氏やらはネーミングにバリエーションがあって有難いなと改めて思ったー(笑)