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紙の本
「数学記号」が世界共通語のように美しく磨かれてきた秘密に迫る
2019/06/05 21:44
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投稿者:永遠のチャレンジャー - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学記号の起源と進化の歴史を考察する著者のこだわりは、「数字」(第1部)を別異の発展史の範疇で捉え、「代数」(第2部)の八割方の頁数を用いて詳述している点に窺える。記述に先立ち、用語(「記号」と「代数」)の再定義をする念の入れようだ。
第1部の「数字」に関しては「重要な写本と創始者」の概要が先ず掲げられる。そして交易・商取引上の計算や記録の必要に迫られ、様々な民族がより良い「数字」表記を求めて競い合い、悪戦苦闘した歴史を興味深く辿ることができる。
第1部の頁末には、紀元前500年頃からの歴史項目と「重要な創始者たち」の名前と著作が年表風にまとめられている。鋭く上昇する曲線を眺めるだけで、近代科学の急速な発展を数学記号という表記技術、共通言語が下支えした事実が実感できるだろう。
第2部「代数」では、数学記号に関わった先人たちが「重要な創始者たち」として紹介される。そして、数学記号がなく、すべて言葉で書かれた時代の数学の問題と解答の実例が引用される。その迂遠なまどろこっしさに吃驚だ。
当時の書物は手書き写本だから転写時に誤記誤読が避けられない。不慣れな「外国語」の文章だと、今日の翻訳ソフトでも誤訳が日常茶飯事なのだから、省略記号が使用された当時の写本が猶更別物に変わっていった経緯に頷ける。
「数学記号」が一種の世界共通語のように美しく磨かれてきた秘密は、「記号」として作られながらも、「象徴」として意味・思考を伝える隠喩的な構造にあると著者はいう。「数学記号」の簡潔化能力は、相似、連想、同一、類似、反復などの経験的イメージや潜在意識に働き、創造的思考すら導き出してくれる代物らしい。
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