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日米同盟、中東情勢、ウクライナ危機について深く考えさせられた一冊。特に「第五章 ロシアの怒り」を読むと、ロシアのとった行動がよく理解できる。
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覇権国家としての力を失いつつあるアメリカの外国戦略の見通しについて書かているが、内容はなかなか難しい。ウクライナ危機におけるロシアの狡猾さは読み応えあった。満足度7
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本書にいう国際情勢分析は妥当だと思います。私も、著者が典拠とする文献の幾つかは読みました。米国のグローバルパワーが低下する中、中国は地域覇権を目指します。狭間にある日本が何事もなく平穏に過ごす近未来はないのでしょう。ただ、中野氏が開陳している文脈は、「理想主義」「現実主義」の権威が書いたモノをつぎはぎしているのにすぎません。気鋭の論客なら独自の国際政治理論またはよって立つ位置を明らかにして書いてください。
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今の世界各地で起こっている危機的状態は、アメリカが主導してきたグローバリズムが、経済縮小に伴い崩壊しつつあることによるものだ。近年保っていたリベラルな国際秩序は覇権国家を必要とし、アメリカがその座を守ってきたが、いまその力を失った。E・H・カーは、政治はパワーであり、それは軍事力と経済力と意見支配力で構成されると言う。▼覇権国家が撤退すると、カオスが待ち受ける。ユーゴ、イラクなどがその例。日本はアジアの覇権を狙う中国が仕掛ける覇権戦争に巻き込まれる可能性が非常に高い。尖閣はその象徴で中国にとっては欠かせない。アメリカは今後は撤退主義をとるため安保同盟は期待できず、日本は自主防衛力を高めるか、中国の属国になるか、他に道はない。……筆者の記述は説得力が高い。しかし、未来は過去の繰り返しだけではないはず。他に道はないのだろうか?
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【由来】
・図書館の新書アラート。「日本の大問題」での佐藤優の言及も。
【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・アメリカの覇権が終焉する。それは自ら主導したグローバル化の帰結であり、実は第二次大戦前の国際秩序の崩壊もグローバル化のせいだった。パワー・バランスが変化する中、日本はどうなるのか? 国際政治の深層を分析する。
【目次】
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2021年現在に読むとだいぶ前の視点で書かれている(当たり前)のでなんとなく賞味期限は切れている感が否めないが、アメリカがどのようにグローバリズムを推し進めたのか?現実主義、理想主義とは?等グローバリズムについて考える上で必要な知識や考え方の基本はしっかりと抑えられており大変勉強になった。
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2014年の作品だが、その後のアジアにおける中国の領土拡大に向けた動き、そして現在のロシアのウクライナ侵攻を見事に予測している。「TPP亡国論」でグローバリズムの危険性を指摘されていた時にはピンとこなかったが、今となると、あまりに著者の指摘どおりになっていて恐ろしい。
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中野剛志氏の著書なら何でも目を通しておきたいというようなモチベーションで読んだ。少し古いが、世界を見渡す力を引き上げるのに有効。
東アジアシナリオについて。
①アジア地域へのアメリカ関与が継続、秩序維持②アジア地域へのアメリカ関与減少、アジア諸国による勢力均衡
③中国が政治的に自由化し、多元的で平和愛好的な東アジア共同体が成立
④中国を頂点とした排他的な華威秩序
現実主義者の思想はプラグマティックなものであり、常に目的志向的。目的は、理想主義のような普遍的な善ではなく、あくまで「国益」。ナショナリズムと理想主義は必ずしも不整合ではなく、国際分業的な観点では同居可能。
アメリカがモンロー主義から覇権国家化する合理性とは。海洋国家ゆえ地域外の大国に安全を脅かされる心配はないはず。ソ連の脅威があった事に加え、答えの一つは、日本やドイツの封じ込め、ビンの蓋であった。
イギリスとドイツは双方にとって最大規模の貿易相手国であったが第一次世界大戦へ。経済の相互依存関係が平和を齎すのは幻想。民主化が平和を齎すも同様に誤り。寧ろグローバル化ぎ国際秩序を不安定化する。
日本企業は中国への投資を積極的に行うことで、中国の経済成長に貢献し、中国の軍拡を間接的に支援したとも言える。
東アジアシナリオに戻るが、今のところはまだ①だ。これを見てよく分かるのは、世界は今は、アメリカと中国次第だというリアリティである。