改めて人口減少の危機的状況を再認識しましたが、この20~30年間に及ぶ人口減少の本当の理由に対する分析がまだ甘いような気がする。
2016/12/09 08:52
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
改めて人口減少の危機的状況を再認識しました。ただ多くの人たちにとっては現在の日常生活において直接的に感じれるものではなく、もっと緩やかな「大きく減少する」といった認識であり、日本という国自体が「消滅するかもしれない」といった危機的認識ではないと思う。そして、それは所謂「団塊の世代」と呼ばれる現高齢者世代が生存しているために急激な人口減少が起こっていないだけで、この「団塊の世代」が消えていく20年くらい先には想像を絶する人口急減が待っているのである。そしてその人口急減の分析にあたって、20歳から35歳女性数を重視しているのが私には新鮮であったし、説得力もあった。こうした分析に基づき、その対応策として、「選択と集中」(消滅止む無しという地域は撤退し)により「防衛・反転線」を構築し、「地方中核都市の強化」によって「ダム機能を発揮させ」その戦線を維持するというのが大筋である。むーー、確かに一般的な発想であり、大きな間違いがあるとは思えないのだが、反面、日本国内における社会的機能の効率的な維持という面では良いかもしれないが、それによって本当に人口減少に歯止めをかけることが出来、将来にわたって生産年齢人口、特に20歳から35歳女性数を増加させ得る効果があるのだろうかと疑問になった。この20~30年間に及ぶ人口減少の本当の理由に対する分析がまだ甘いような気がするのである。
さて、この本を敢えて読み始めた理由は、本屋で見たらこの本の横に、506:山下祐介『地方消滅の罠 「増田レポート」と人口減少社会の正体』(ちくま新書、2014年12月10日、筑摩書房)という本が積み上げられているではないか。はて、一般の人があまり気にしていない人口減少による将来危機に対する啓発書を、何故敢えて批判するのかという疑問から興味を持ったためである。よって、本書は次書を読むための準備段階であり、短時間での流し読みであったが、印象としては従来の路線と大差なく、私が考えるあんちょこな対策とも大きな差異はないように感じたものである。こんな簡単な方法で「人口減少」に歯止めをかけれるとは思わないが、まあ基本的には常識的な範囲での対策のように感じた。
さて、新進気鋭の山下祐介氏は 「増田レポート」の何を危険と感じ、どうのような対策を提言しているのか期待しています。
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こちらのリンクも参照
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2014/07/r00027477/
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地方の人口減少問題について深く考えていない人が多いと。このままだと896の市町村がなくなってしまうと説く。石破さんの地方創生担当相は、この対策が仕事ではないかと思うところもあり、興味深く読めた。
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東京一極集中になると、持続可能社会にならない、ということが書かれています。
この本の中に「小泉進次郎」さんの名前があることを見るにつけ、小泉氏のセンス、敏感さを思い知らされます。
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「人口減少」は、今もっとも関心のあるテーマです。
全国の896の自治体が将来消滅する可能性がある―。
地方創成会議が5月に発表したレポートをご記憶の方も多いかと思います。
その地方創成会議の座長を務めた、元総務相の増田寛也さんの編著書(8月25日発行)。
「消滅可能性都市」と同様、刺激的なタイトルですが、決してオーバーではありません。
このまま何も手を打たなければ1億2,000万人の人口が、今世紀末の2100年には5千万人を切ります。
なんだか遠い未来のように思われますが、私の息子が90歳まで生きれば、その未来の姿を見ることになります。
すでに人口減少の進んでいる地方を中心に、そのほとんどが見るも無残に消滅していることでしょう。
そうならないための手掛かりが詰まっているのが本書です。
本書で強調されているのは、東京一極集中に一刻も早く歯止めをかけることです。
現状では、すでに多くの地方で人口減少が進んでいますが、一方で東京は地方からの流入で人口が増加し続けています。
全人口に占めるシェアも一貫して上昇を続けています。
これは日本特有の現象で、パリやロンドン、ニューヨーク、ベルリンなど他の先進国の主要都市は横ばいか、都市によっては減少しています。
ただ、東京は出生率が全国でも際立って低く(2013年で1・13)、このまま放置すれば、日本全体の人口減少がさらに加速することが懸念されます。
若者が東京に流出する理由の一つは、そこに雇用があるからです。
日本では大企業の本社のほとんどが東京にあるのも問題です。
これも日本特有の社会現象で、他の先進国では大企業の本社は地方にあるのが普通です。
本書で慶応大の樋口美雄教授も指摘していますが、全国一律の法人税を東京と地方で差をつけることも一考と思います。
地方も何とか東京に若者を流出させない方策を取らなければなりません。
その点、増田さんが主唱する「ダム機能」づくりに惹かれます。
つまり、地方拠点都市に限られたリソースを集中的に投入し、雇用を生み出すなどして魅力を高めることで東京への流出に歯止めをかけようというものです。
地方拠点都市に該当しない自治体には不公平感も生まれそうですが、それでも東京に流出させるよりはずっといい。
ここでは主に地方政治家の勇気と調整力に期待したいところです。
ちなみに私もお会いしたことのある宮城県女川町の須田善明町長は、本書で代議士の小泉進次郎さんと増田さんと鼎談していますが、「働く場は石巻でいい、女川には寝に帰ってくれれば」と合理的に割り切っています。
合意形成のために150回も住民説明会を開く、その粘り強さには敬服します。
さて、政府も現在、「人口減少」を大きな課題に掲げ、政策の検討に着手しています。
昨日、「まち・ひと・しごと創生本部」の初会合が開かれました。
マスコミでは第2次安倍改造内閣が発足以降、地方創生担当大臣の石破さんと安倍首相の確執ばかり面白おかしく報じていますが、人口減少問題が今後ますます深刻化するのが必定の中、創生���部の役割は大変大きいものがあると認識しています。
これは推測ですが、恐らく日本創成会議のレポートと増田さんの提言も踏まえ、東京一極集中の是正と地方で雇用を創出するための政策が立案されてくるものと予想しています。
政治的なトレンドとしては東京から地方への風が(〝風速〟はどの程度かは別にして)吹くことは間違いありません。
私は北海道の空知地方(美唄市)に住んでいますが、地方はただ口を開けて待っているだけではいけません。
若者が住み続け、かつまた東京からの移住者に選ばれる魅力ある地域づくりに汗をかく必要があるでしょう。
私も一住民としてちょっとだけ頑張ります。
人口減少は止められませんが、人口の偏在を是正し、知恵を絞ることで決して悪くはない未来を描くことは十分可能と考えます。
最後に本書から増田さんの言葉をご紹介します。
「いたずらに悲観することはやめよう。未来は変えられる。未来を選ぶのは、私たちである」
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人口減少によって、とりわけ出産適齢期の女性人口の減少によって、消滅する自治体が出てくる可能性があることを主張し、その対策について述べられている。報告書のような内容、書き方のため、面白味は無いが、内容には説得力がある。
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人口問題を甘くみてはいけないということを痛感。
地方が消滅する(生産年齢人口が減る)ということは、将来的には東京へ行く人もいなくなるわけで…。
教育・雇用状況が改善しないと、いくら地方で暮らしたくても暮らせないんですよねえ。
「希望通りに子どもを産む」という表現にもやっとするのは、自分が当事者世代だからでしょうか?
働き方を変えないといけない、女性が暮らしやすい環境にしないといけないといわれて久しいですが、本書のデータや提言が良い意味で煽ってくれることに期待しています。
でも、撤退戦って、日本が一番苦手としていることですよね…
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地方の自治体の人口が維持できるか、減るとしたらどれくらい減るか、を女性人口に着目して予想した本です。衝撃の事実が明らかになります。
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将来子どもを産む若年層を「人口再生産力」と考えるならば、地方は単に人口減少させたのみならず、「人口再生産力」そのものを大都市圏に大幅に流出させることになった。その結果、加速度的に人口減少が進む事態となった。
一方大都市圏は、「若者流入」で人口増となったが、流入した若年層にとって大都市圏は、結婚し子供を産み育てる環境としては必ずしも望ましいものではない。出生率は低くとどまっている。 これは全国的な初婚年齢の上昇などに表れているように、結婚しづらい環境があるだけでなく、地方出身者にとっては親が地方にいるため家族の支援が得にくく、またマンションやアパートに住む若者にとっては隣近所の付き合いも希薄であると言ったことが理由と考えられている。
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東京一極集中→晩婚・未婚→出生率低下
本社移転
なぜ、東京に本社がないといけないのか?
小売業…本社は稼がない
店舗が主役の発想
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2040年までに896の自治体が消滅する。
そんな研究結果が公表されて、やっぱりヤバいじゃん少子高齢化!
その研究結果が詳細にまとめられているのが本書である。
人口減はすでに起きている。
そりゃ、俺が住んでる田舎もご多分にもれず2040年には人口半減の1万5千人らしいですよ。
少子化対策が高じて出生率が上がったとしても2040年までは、確実に人口が減り続けることは確実だ。
社会インフラの整備して、子供を持ちたいと思う夫婦のバックアップ態勢を整える必要があるとのこと。
だそうです。
相手がいないからどうにもならない(27才独身男性)。
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これからの日本社会を生きる上で、必読の書であると感じた。大学業界も少子高齢化というフレームワークを外し、自大学が消滅可能性都市に位置しているのか、このような未来予測にどのような役割として社会貢献していけるのかをしっかりと考える必要がある。私達だけの問題でなく、私達のあとに連なる子どもの大きな問題でもある。
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あくまで書籍としては大変に物足りない。新書的な浅い編著でモッタイナイ。女川町長と進次郎議員と増田さんの鼎談「対話篇2」は唯一良かった。確かにデータとして正確に問題を認識していない私たちかもしれないが、そんなこと言ったって目の前の課題には黙々と取り組んでいる。と、どこか冷めた目線で読んでしまうのは何故だろう。躍起になっても仕方ない。
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本書の中に“撤退戦”という表現が在る。私はこれがキーワードのように思った。100年以上重ねられた「成長モデル」というようなものは、既に“破綻”してしまっていることが、本書のような研究で明らかだ。である以上「人々が幸せに平和で暮らせる?」というテーマで、社会の仕組み、経済活動を見直し、「過去のような“成長”は見込み悪い中、何とか未来を…」ということを考える、正しく“撤退戦”が今後の課題なのであろう…
本書の中の知識…有益だ…
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良書。
日本の人口は、必ず減る。政治、行政、住民が
まずそれを認識することだ。
人口減少は、深刻な事態をもたらすのに、直ぐ
は解消出来ない。