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【Pretty】【Pop】【Pure】【Pipin】
【女の子はP】が好き!
予想外の配置転換により、全く興味の無い中学生女子向けのファッション雑誌の編集者になってしまった男性主人公。
大学時代は、マスコミについて調査するサークルに所属し、語学留学や体力作りにも励んだ。
その成果が実を結び、サークル内では快挙と呼べる名門と言われる老舗出版社「千石社」に入社する。
文芸部門の編集者を志ざしながら、入社後二年間は時事ネタ満載の週刊誌の雑用係として働いた。
裏方ながらも、誰もが知る週刊誌の現場で働けることに誇らしさもあった。
そんなさなかでの配置転換!!!
文芸部門からは程遠い、ローティーンの女の子向け雑誌の編集者だった。
担当する雑誌も編集部室も、自分の興味とはかけ離れた世界。見ただけで胸焼け、胃もたれがしそうなする小物やフリフリのついた洋服達を目の前にし、戦意喪失..。
全く前向きにはなれないが、文芸部門への移動を夢見て、それなりに仕事をこなそうとする。
人当たりも良く、物事をそつなくこなすことが得意だと自負していた主人公だが、慣れない仕事にミスの連発!!!
どうなってしまうのか、、、⁉︎
一冊の小説を通して、色んな人の仕事に対する本気さや光と影を見れた気がする。
主人公と同じように、今までは興味が低かったファッション雑誌に対しても興味を持てた。華々しい世界にも沢山の努力と涙があることを再確認し、敬意を払いたくなった。目の前に与えられた仕事に真正面から向き合うことは、人生をも変えるのかもしれない。
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老舗出版社で文芸部門の仕事がしたかった新見だが、PrettyでPopでPureなローティーン向け女の子雑誌に異動になる。
不平たらたらの新見
しかし本気で仕事に取り組む先輩たちや、カメラマン、スタイリストたちに、叱られたり教えられたり助けられたりしながら本当の“仕事マン”として目覚めていく
ローティーンの雑誌モデルたちのプロのお仕事、オーディションの悲喜こもごも、“スター”の光なども見どころ
〇お仕事小説。登場人物たちにみんなを応援したくなる。
〇スポンサーとのトラブル怖い
〇仕事は本気でやると何かしら面白い
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不本意な異動の中、やるべきことはきちんとやっているほうじゃないかな?と思った私は仕事に対する意識が低いかもしれない…
希望もしていない、今まで関わったことのない分野の仕事を好きになれ!と言うのはなかなか難しいと思う。新見の奮闘や葛藤する姿、スタッフ、モデル達との関わりはなんだかんだ前向きで読んでいて楽しかった。関連の作品もありそうなので読んでみようと思う。
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難関の大手総合出版社に入ることができた新見佳孝。
就職して4年。
人事異動で配属されたのは、まったく興味も持てないローティーン雑誌「ピピン」の編集部だった。
誰も本名で呼んでくれない(新見なので、「南吉」と呼ばれ続ける)。
持ち前のそつなさで、表面的に仕事をこなし、早く次のところに異動しようと目論む。
ここからは、もうお約束。
そんな「適当」な彼が、次々に試練にさらされる。
なれない職場での失態、広告代理店やスポンサーとの確執。
売り上げ競争の中で必死に少女たちをときめかせる紙面を作ろうとする先輩の契約社員たち、スタイリスト、メイクや撮影スタッフたち。
何より、人気が出なければお呼びがかからない十代の読モたち。
こんな人たちの懸命さにふれ、南吉くんは自分の未熟さを恥じて成長していく。
自分にとっても、ティーンズ雑誌は未知の世界。
少女たちにとって、夢の王国であるそれを作り出す人たちに、作者はとても温かい。
勘違い系の主人公も、素直に成長していくので、さわやかに読み終えることができる。
ただ、ちょっと後ろめたい思いもなくもない。
読者モデルの少女たちが、十二歳かそこらで、厳しい競争にさらされる。
本人が望んで、もしからしたら自分もという夢を見る。
でもそれがかなうのはごく一部。
人気が出たモデルも、その後うまくいくかは全く保証がない。
にもかかわらず、撮影の場の空気を悪くしないために、いい写真が撮れるように、懸命に明るくふるまおうとする。
性格までも自ら矯正されてしまうという、考えようによっては恐ろしい世界だ。
そして、そんな彼女たちの夢は、広告代理店やスポンサー、出版社の「大人のビジネス」の種になる。
なんだか、大人がこの子たちの夢を搾取している感じがしてくる。
こんな風に考えてしまうのは、私が「いたいけな子ども」という先入観にとらわれすぎなのか?
作品としては素敵な作品なんだけれど、読み終わった後に、だんだん心苦しくなってきてしまった。