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これは…親だとか大人だとか才能だと年齢とか そういう社会概念を外した部分から感じた 物語なんだろうと思う。
恋話 で括るのは勿体ない、不思議な感覚の、作品。
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澄んだ水の流れ、豊かな自然と共に過ぎる夏。ピアノの調べが聴こえ、全体像は静謐な小説なのだが、さわとりょうの恋に違和感を感じてしまう。最後までザワザワして落ち着かないままだった。
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前に読んだ2作が好みだったので期待していましたが、感情移入できず。
設定に無理があると思うし、なんだか何をどうしたいのかもわからない主人公。
完読できたのは、風景描写の美しさに尽きます。
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「ママ!へんなしゃべりかたになってる」と娘のみやびがツッコむけど、まったくそのとおりで、方言を活字で読むのは辛かった。
さわは大人にも母にもなりきれてなくて、まぁ、自分にしてもそこは否定できないけど、その姿をまざまざと見せられるといたたまれない感じで、とにかく早く読み終えたくて、読んだ。
四万十は行ったことがあるので、きれいな風景を浮かべつつ、話は残念…(~_~;)
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田舎の故郷で過ごす最後の夏の日々。
沈下橋の向う側にある実家に帰省したさわと娘のみやび。
かつて同級生だったひかるは離婚して息子二人とともに、戻って来ていた。
ひかるの長男のりょうがさわに寄せる思いを知りながらも、彼がひかるのお腹の中にいるときから知っていることへの喜びと、戸惑い。
ピアニストになりたくて、なれなくて、ピアノ教室の先生で満足した自分の挫折と栄光。
一番好きな人はいつだってたった一人しか作れなくて、年を重ねるごとにそれは変わっていくことの罪悪感。
文の最後がいつも悲観的で感傷的だった。
りょうの恋心を知っていながらも、自らも同級生の息子にたいする気持ちを知っていながらも、結局は失いたくないものたちの元へと帰っていくさわの残酷さを感じてしまった。
エロいね。どうにかなっちゃえばよかったのに!(ぇ
時間も過去も取り戻せなくて、歯がゆい感じ)^o^(
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四国の郷里へ娘とともに里帰りしたさわは、親が家を売りその郷を出ることを知る。去来するさまざまな思い出とともに、惹かれてやまない少年とのひとときを描いた物語、です。
繰り返し描かれる少年とのほのかな…それでいてどこか扇情的な恋情に揺らめかされながら、かけがえのないふるさとでの思い出のひとつひとつに、主人公とともにたゆたうように読めたお話でした。
故郷で過ごすうち、忘れていた記憶、忘れたふりをしていた記憶が混ざり合いよみがえっていく。それはとても大切なものであるときもあれば、傷ついた自分を思い出すこともある。けれど、どちらにしても、今の自分を構成する大事なかけらたちだったのは間違いのないこと。その危ういきらきらしたものたちをひとつひとつすくいあげたような、物語です。
少年との恋愛…といっていいのかわかりませんが、これはいったいどこまでどう本気なのか仄めかせているだけなのかと思っていたら、わりとそうだったのかという展開になっていき、いやいやそこまでどうしてのめりこむの?という理由については、少しわからないなと思うところがありました。年齢差がいかんせん…まあ、だからこそのあやうさが魅力的でもありましたが。正直言って私は嫌いではないというかドキドキしました。橋のシーンはとてもきれいで切なくて、かつ、ひどく残酷な場面でしたね。
正直、ラストの主人公がいたった境地(そもそも彼女はいろいろ悟り過ぎでは…)がいまいちわかりかねましたが、あたたかなようで裏もある人々とのひとときを淡々としているようで実はねっとりと描いている、そんななかなか一筋縄ではいかない話だな、と思いました。
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新感触の中脇初枝 笑
澄んだ川の中から見上げるまぶしい光のような小説。
風景描写や人物描写、触れるか触れないかぎりぎりの惹かれ合うような心理描写はすごく刹那的で抽象画のように浮かんでとらえどころのない。
とらえどころがなさすぎてなんだかやっぱりぼんやりしてしまう印象。
言葉が難しくて(方言)読み進めるのに少し苦労した。
過疎化した町や田舎の描き方って本当に大きく差があるなあとつくづく思う。どの書き方もきっと真実なんだろうなと。良い側面と抜け出せない深い水の底のような側面と。
んー随所に死者の匂いのようなものを色濃く感じる。それは恐いものではなく、ただそこにあるような。そんな感じの匂い。
良し悪しでなんだか割り切れない1冊。
2014年10月30日 新潮社
装画:フジモトヒデト
装幀:新潮社装幀室
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不倫という言葉ではない、本当にたったひと夏の、たった一瞬の思いの寄せ合いと言うかなんというか・・・・
このりょうとさわさんの関係を不倫というような言葉では言い表せない何か・・・・なんとももっやとするようでいて綺麗な清流のように澄んだ感じも受ける不思議な話。
もっと深くまで関係が進んでほしいとも途中少し思ったけど、それだとただの不倫話になる。
りょうの年齢もあえて13歳。
この若すぎるようでいて、これからどんどん大人の男になっていくのぼり出しの年齢がまた話にいい味をだしているのかも。
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本屋大賞第3位「世界の果てのこどもたち」がなかったんでとりあえず中脇さんどんなもんかと新刊をチョイス。
雰囲気はなんとなく煮え切らない柴崎友香のようでもあるがなんといっても文章の彩が素晴らしい。四万十の川の流れと沈下橋をモチーフに水面のように揺れ動く心の機微や恋情、浮いては沈む人生の儚さを風景画の如く鮮やかに描き出す筆力に圧倒された。
ただ残念なのが描き出されるヒロインがクズ女過ぎるということで…全くもって何やってんだがわからない惨状で感情移入などまずムリ、これでは作品も台無しだわ。
でももう少し追ってみたい作家さんではある
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心理描写が細やかというか文学的というか官能的というか。悪くなかったです。土佐弁も憶えがあるので辟易することもなかったし。ただ、主人公はいただけなかった。大人になりきれなくて自分勝手でずるい。そして幼馴染みの中学生の息子に惹かれ、残酷にも戯れてみたり。なんだろう。田舎の夏に潜む魔力のような。
無邪気なみやびの夏の描写などいいなと思うところと背徳的で目を伏せたくなるところとすごいバランスだったと思う。
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触れたら壊れてしまいそうなほどの繊細な筆致。行き場のない想いを記した言葉たちの余韻。ゆっくりと、あぶりだしのように主人公の感情を浮き立たせてくるそのテクニックには酔いしれた。随所で感情を揺さぶられるような表現もあって、はっとさせられる。ただ残念だったのは、少年と主婦との恋愛感情に共感できなかったし、息苦しいほど精緻な田舎の描写にも、さほどの郷愁を覚えることができなかったことだ。ピアノの件とか、音楽室の件とか、同じようなエピソードが繰り返し現れるのにもちょっと食傷気味。最後のまとめもちょっとしつこかったように思えた。
「沈下橋」が重要なキーワードな物語でした。
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(2016.09.19読了)
3冊続けて中脇初江の作品をよみましたが、感動した前2冊とはかなり趣きが異なりました。
帯を見ると「禁断の恋」「衝撃恋愛小説」といったことが書かれているので、一応恋愛小説なのでしょうか。
実際には恋愛以外の様々な深いテーマが絡み、抽象的でわかりにくい感じがしました。
でも、嫌いじゃないです。
なんとなくまあまあでした(^_^;)
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前2冊とは全く違う感じ。同年代の主婦としては、親友の息子への恋愛感情なんて全く感情移入できず、どう読んでいいのか戸惑った。
田舎の行事や伝統や自然描写など、丁寧で、ゆっくり進む話。苦手な分野なのに読めてしまったのは流石。
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帯が煽りすぎ。
「読者の想像を裏切る衝撃れない小説!」とか、どれだけハードルを上げてるのか・・・
高知の過疎の村を舞台に、過去からの因習にからめとられた人々の、濃くて哀しい物語が、娘と帰省した佐和子目線で語られる。
ピアニストになれなかった彼女の屈折した思いと、村に出戻った同級生の息子「りょう」との禁断の恋。
って、いくらなんでも、中学1年生の子供に恋をするか~???そこまでの心の動きも到底納得できる描写ではなく、あおるだけあおって、そんなもんかい!って印象。
これじゃあ、旦那と子供がかわいそうだよ~。
沈下橋、日に焼けた子供たち、川にまつわる言い伝え、盆の送り火・・・せっかくの清流の村の夏の情景が、陳腐な恋の設定で損なわれたようで実にもったいない作品と感じた。
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(2018/6/14読了)
「あの人とあの本の話」の、「 成長とか、恋心とか」の章で紹介されていた。
中脇さんは、多分初読。四国出身で、この本もお国言葉がふんだんに使われている。その方言が読みづらく、でも読書のリズムを満たされたくなくて、わからない部分はそのままにしたけど、物語自体が最終的な事柄を、事実を言葉にしていないので、それほど問題はなかった。
さわとひかるの昔、さわの母とひかるの父、さわとりょうに起きた事、さわの未来。もしかしたら、そのわからなかった部分に、書いてあったのかもしれない。
私にとっては、答えは読者にお任せだったけど、さわの決心(これも具体的にはわからないけど)を、強く感じたので、ラストは清々しくもあった。
(内容)
あたしたちは繋がったまま、橋から飛びおりた。彼と触れあうことは、きっともう、二度とない―。考えもしなかった相手に心を奪われ、あの腕に、あたしはからめとられた。水のきらめき。くもの巣。お旋餓鬼の太鼓。夜のピアノ。台風の日のかくれんぼ。誰もかれもがしてきたこと。何万年もくりかえしてきたこと。読者の想像を裏切る衝撃恋愛小説!