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私が、本を読み続けている目的。
それがこの物語で明らかになりました。
私は、確実に自分の『サラバ!』を探しているんだと。
私の本を読むきっかけは
資格試験のうっかりミスをなくす為だったのですが…。
その資格試験も、読書しようと思ったことも
少しずつでも読書を続けてきたことも
この本『サラバ!』に繋がっていたんですね。
ここは通過点ではなく、
何かが意識的に変わるであろう分岐点です。
貴子や歩をみていれば、容易に手に入るものではないのはわかってます。
私はまだまだ信じきることができていません。
胸にストンとおちて、急にピントがあったように
はっきりとわかる日まで、
自分の思うがまま、選ぶがまま、
これからも読書を続けたいと思います。
ああ、こんな読書体験もあるのですね。
自分の後ろには自分が読んだ本たちがつながっている。
本だけではなく、今までのありとあらゆるものが
うねるように流れている。
私が私を連れていく次の場所。
横道だろうが、遠回りだろうが躊躇せず
自分に任せて直感で選んでみようと思わせる一冊です。
こうありたいと願うものが、ここにありました。
西加奈子さん、私も私だけの『サラバ!』を探しはじめます。
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伏線はあった。信じるものは生まれた時、最初に出会っている。
生きている瞬間を無意識に信じている。いつからか、気がつかないうちに揺らぐ、そう、生きることは決して楽なことではない。楽しいことだけでは、本当に楽しいか分からなくなる。全ての根っこはつながっている。帰りつくのは、気づくところはいつも同じところ。いつかはこの世にサラバする。生まれたときには信じてないことも、いつか信じられる自分を見つけられる。だから今できることを信じていこうと、密かに思っている。
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父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。
ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。
絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。
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うーん、はじめは良かったんだけどなぁ。
最後もちゃんとしめてくれたけど、後半の話が「なんだかなぁ。」という感じでした。
そういうところを抜いて1冊にしてくれたら良かったのに!
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(2015/3/13読了)
僕は僕を信じている…ここに至るまでの絶望、傷つかないための生き方にとらわれてしまう歩。
終盤は頁をめくるほどに胸が高まり、涙をこらえることが出来ませんでした。
久しぶりにいい作品に出会えました。星5つでは足りない!
(内容)
父の出家。母の再婚。サトラコヲモンサマ解体後、世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。大人になった歩にも、異変は起こり続けた。甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。
(目次)
第四章 圷家の、あるいは今橋家の完全なる崩壊
第五章 残酷な未来
第六章 「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
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書きたいことを全部詰め込みましたっ!って感じw
上巻が、すべての序章・・・長いよww
ちょっと難解。それなりに面白かったですけど。
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下巻もなんかわかんないけど、「すごい物読んだ」感がすごい。歩のグズぶりがどんどん増して行って、それこそ「いつまで甘えたこと言ってるんだ」と思うのだけど、それがまた面白い。 自分の人生を切り開き良くも悪くも進むのは自分しかいないのだなーと思った。何かを信じることですべてが救われるわけではないけど、くじけそうな時に「信じる何か」があるのとないのでは違うのだろう。
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面白かった。歩さんのこれからが楽しみ。感動しました。サトラコヲモンサマ意味が深い。信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。サラバ!
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長かったなー。
成長、人生、拠り所、挫折、達観、受容・・・
んもう、色々考えさせられた。
思い浮かぶ情景が濃いのは西加奈子さんの技なのか。
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なんだろう。物語の終わりに近づいて涙が止まらなくなった。早く寝なくちゃと想いながら頁をめくる手が止まらなかった。 背中を押してもらえた感じです。 いまも、どこかで、物語の主人公が 頑張って生きている姿 が浮かびます。
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お父さんもお母さんもお姉ちゃんも歩もおばさんも別れた彼女もみんなの気持ちに思い当たる部分があって、物語の中で人を役割じゃなくて、みんながひとりの人物として生きているのがすごいと思った。すごいと思いました。
出てくる人たちを、予期せぬところで“この人は自分だな”って思えて、そこ泣くとこじゃないでしょってところで泣きそうになりました。
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基本他責にして受け流して生きているイケメン男子が
人生をこじらせる物語。
自分のことを振り返らされる結構ツライ小説だった。
力がある小説ってことで。
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見た目がカッコ良くて、存在は派手じゃないのに行く先々で女性にモテてた男性(歩)が30代になって頭髪がどんどん薄くなりはじめるって想像以上に恐怖なんだろうな。
歩は沈みはじめた頃、姉の貴子がアメリカ人の伴侶と出会い、すくいぬしを見つけどんどん穏やかに母親との関係も良好になっていく対比。
でも、あのさっぱりとした魅力的で強い母親が、父親とのなれそめから恋愛に至るまでのあれやこれやで、自分達が裏切った仲良くしてた先輩上司(父の婚約者)が日本で癌にかかり会いたいって手紙がきて、それに反対して猛げんかになっるってどうも解せない。
矢田のおばあちゃん、いつも受身でも、多分一番強い夏枝おばさん。魅力的な人に囲まれて貴子も歩も一歩を踏み出せたんだね。
もちろん、ヤコブの存在なしには語れないけど…。
サラバ この小説の書き出しが下巻のラストなんて、気がきいてる。
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上巻を読み始めた時「自伝的小説?」と思ったものの、であれば西さんは恐らく歩ではなく貴子なのだろうし、それではあまりにエキセントリック過ぎ、結局これはあくまでも物語なんだろうと(自分なりに)結論付けながら読んだ。
流れる時間と大いなる距離、それらに伴う、また成長による自らと周囲の人々の移り変わりが、月並みに言うと「ダイナミックかつ繊細に」描かれていたと思う。
信じるもの、がキーワードのひとつであり、それが宗教を指すわけではないだろうと思ってはいたものの、実はもっとベタな想像をしていたので、このラストは良かった。人は自分の力で変われる、というか、根本的には自らの力でしか変わることはできないという事実が爽やかに迫った。