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貴族出身のアルテ、社会勉強
2017/09/13 02:28
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投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一巻最後の謎の貧民街から始まり、ヴェロニカ姉さんの説法。
何も間違ってない。 恋程度でブレる将来の夢なんて、浅はかとも言える。
現代でも専門職といえば、敷居が高くカッコいいイメージもあるかもしれないが、
その内側というのは、おおよそどこの分野も「女のくせに、女なのに」
と言われるアルテの生きた時代と大差はないケースが多い。
男社会の悪しき慣習と硬い頭の産物だ。
想像力に、ものを作り出すのに男も女もない。
(女性の左官や映画監督をわざわざ取材する番組や記事にも感じる差別的ニュアンス。
「女〇〇」と呼ぶナンセンスさといったらない。同じように扱えばいいだけのことである。)
せっかくヴェロニカ姉さんがいるので究極的なことを言えば、
売春という世界最古の職業さえもまた、男も女もない。
娼婦だけが世界最古ではなく、男娼もまた同時にいたという事実。
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成長中
2022/04/28 15:31
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投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る
隣の師匠レオさんでなく、目の前の絵に真剣に。恋心を持ったならそれも大事にしてほしい気もするけど、絵をおろそかにはしちゃいけない。アルテに反感持ってたお針子さんの心持ちを変えちゃう話もよかった。ヴェネツィアをヴェニスって書いてる箇所があってエッと思ったけど、屈しないアルテのこれからの成長が楽しみ。
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アルテの成長
2021/09/09 13:46
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投稿者:tsug - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴェロニカの助言で悩み、考え、人とのふとしたやりとりで気づくことができるアルテ。
そして、何やら癖の強い依頼人との交渉。画家の仕事は絵を描くだけではない。
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男前!
2020/06/25 15:15
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投稿者:ねむこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヴェロニカってすっごく素敵。
容姿・教養・たしなみなど、多くのことを求められる高級娼婦ではあるけれど、深い思いやりの心、までも持ち合わせている。
比べちゃいけないけれど、アンジェロとその姉妹とは雲泥の差。
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前巻で登場した高級娼婦さんが今回も登場しアルテに様々な示唆を与える。またお針子さんも登場し当時の女性が自活していく労苦を見せてくれる。ハウスメイドさんとの生き方の対比も面白いなぁ。
そんな女性たちの生き方だけでなく、16世紀初頭のフィレンツエにはミケランジェロやラファエロ、ティッツィアーノやジョットやベッリーニなどがわんさか居たはずだが、彼らの登場が楽しみだ。
もちろん作品だけでなく画材や技法といった制作に関することや、注文される絵の主題や取引方法などにも触れてくれるとより面白くなるだろう。
追放後のメディチ家復権と教皇の権力増といった社会情勢も、少なからずフィレンツエの芸術家たちに影響を与えるから、そのあたりの社会の変化についても扱ってくれると更に楽しめるのだけど。
次巻以降がますます楽しみな作品だ。
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今回もアルテのまっすぐなところがとてもいい。
ヴェロニカに対して、やっていることは許せなくても、努力は尊敬していたり、彫刻のスケッチのため実力で認めさせたり。
次巻も楽しみ。
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非常に難しいけれど、多分、アルテ(やヴェロニカ)の魅力ってやっぱり「強さ」なんだろうと思うのです。
正直な所、中世世界での女性の地位という制限や差別が表に出すぎていて、ともすれば極端なフェミニズムに寄っている印象もあるのですが(つまり、「女性だって自立できる!」「男性より働ける!!」という主張)…。
アルテ達の生き方は性差以前に、一個の人として認められたい、という信念によるものが大きい。そのために最大限努力をするし、自らの生き方にプライドを持っている人を尊敬する姿勢を持っているわけです。
男性と同じ地位を、扱いをという男性基準のフェミニズムとは違う、人としてのかっこよさ・強さ…それこそが彼女らの魅力であろうと。
ただ、ヴェロニカの生き方は、ちょっと哀しいかなぁ…。
やや自嘲気味になりながらもアルテに忠告するあたり、本質は誰かを傷つけたくて傷つける人ではないのだろうに。
ともかく。
レオさんの本音の漏れ方に笑ったw
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画家になる夢を抱く女性「アルテ」の生きざまを描く物語、第2巻です。
16世紀のフィレンツェは、女性がひとりで生きることも困難な時代。
2巻では、夢より恋が気になる「アルテ」と、人を傷つけても毅然と生きる「ヴェロニカ」。自分の仕事に自信が持てない「ダーチャ」の、三者三様の生き方が語られます。
女性の立場や識字率と言ったわかりやすいテーマで当時の時代背景を描く作品です。
理解と感情移入のしやすい物語構成と、描き込みの豊かな画面には見惚れてしまいます。
一方で、時折
「アルテの行動はすべて正しい」
「周りの人は、必ずアルテを好きになる」
という作品の前提が透けて見えるのは残念でした。
今巻では、恋で足元のふらつくアルテを、ヴェロニカがたしなめる場面があります。
しかし、そこで交わされる会話には疑問が残りました。
多くのものを背負い、己の業の深さも自覚した上で生きるヴェロニカに対し、アルテの意見は「正論であるが幼い」以上のものを感じられなかったからです。
それを許容し、アルテを友とするヴェロニカの懐の深さを感じる一方で、腑に落ちない気分になりました。
また、女性であるがゆえにアルテが軽視されるエピソードがありますが、その解決法が「男性並みに重いものを持てるので仲間入りを認める」というのは少し安易に感じられました。
もっと彼女の技術や実績といったところで評価されてほしかった、というのが感想です。
1巻とは、少し趣が変わってきている印象です。
1巻を読んで楽しまれた方は、今後上記のような傾向が強くなることを踏まえた上で手に取ることをお勧めします。
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自らの制御できない感情に思い悩むアルテを引き連れ、貧民街へとやってきたヴェロニカ。そこにはヴェロニカと同じように、かつて高級娼婦として活躍していた女性の落ちぶれた姿が……。ヴェロニカがアルテに問う「あなたの夢は何?」アルテの導き出した答えは――――。(Amazon紹介より)
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圧倒的な時代背景を感じさせる描写量と、主人公アルテの芯の強さと恋にときめく心情表現が合わさって、少女が周囲の人々を巻き込み、時代を変えていくさまを見るかのような熱量を感じることができる稀有な作品
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アルテ、頑張る子やなぁ。それがちゃんと評価してもらえるならいいけど、この時代、なかなかそう上手くもいかないよね。アンジェロはいい友達ポジで終わりそうな予感(笑)
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女のくせにやるじゃねえか
男女に限ったことじゃなくて年齢とか能力とかステータスで判断する文化はまだまだ根強いし、だからこそアンジェロのように無自覚に属性で人を見て頓珍漢なことを言う
あぁやっぱり作者さん女性なんだ