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謎な手紙に書かれる謎なお母さんと謎な生い立ちにグイグイ引き込まれて読みました。
次のページでは舞子はどうなってるんやろうと気になって気になって。
でも…この終わり方は好きじゃないなぁ。
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図書館にて。
相変わらずのものすごい世界観。
自分の今生きている世界は、本当に狭い世界なんだと思い知らされる。
ありがたいほど幸せな世界だということも。
結局何が本当だったんだろう。
母親も本当のことを言っていたんだろうか。
ともあれ、マイコは彼女の真実の中で生きていくことを選び、落ち着いたようだ。
どんな母であっても母のそばが良かったということか。
過酷な運命、広く暗い世界、先を読むのが辛いほどの閉塞感だったが、先が気になって仕方がなかった。
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図書館から借りた。
あーーーっという間に読み終えた。
読みやすい。(内容が薄い?)
この方の作品はかなり読んでいるが、毎回、うーん…な感じ。
OUTなど、初期の頃の方がぐいぐい引き込まれた気がする。
主人公が書いた見知らぬ人への手紙でお話が始まる。
最初だけ、かと思ったらずっと…だった。
まず、ここが個人的にダメだった。
ストーリーテラーとしてはありなのかもしれないけど。
日本語上手過ぎだし。(母親から教わったことを差し引いても…)
スパイ、テロリスト、マフィア、実在する危険がいっぱい出て来るが、なぜかハラハラしない。
突拍子もない展開にも感じたし、ご都合主義のようにも。
事の良し悪しはともかく、良くしてくれた人、お世話になった人から盗むのか?と、身勝手さにちょっとがっかり。
娘を思い通りにする母親との関係に悩むマイコがなぜか桐野さんと重なってしまう。
環境は全く違うのだけど。
わりと評価が高い中、★1つはちょっと辛口過ぎ?
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何もかもがファジーなマイコ。国籍、宗教、家族、、、自分という人間をつくりあげているはずのものが、無い、見えない、居ないという事実。自分のほんとうの"居場所"がないという恐怖、不安が、マイコはもちろん、エリス、アナの行動や発言から、ずーっしり伝わってきました。
読み終わった後は、わたしはつい顔をしかめちゃいました。。この終わり方は、あまり好きではなかったなー。結局のところ、何も解決していないきがする。ただ、マイコとお母さんという括りだけで見ると、これが一番マシだったのか?とも思ったり…ても、マイコが七海さんに向けた最後の手紙は、これでいいんだと自分に言い聞かせているような、妙に明るく、それが少し不気味でした。
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19歳の主人公が産まれた時からの特異な環境の中で自我に目覚め他者との関わりを経て自分の運命を受け入れるまでー
と、一括りにするには物足りないし、そんな生易しいストーリーではなかったけれど、読み手のわたしが受け取ったメッセージは、「生きていくこと、それこそが人生。」ということ。
母も、主人公の舞子も、国は違えど壮絶な経験をして生き抜いてきたエリスやアナも、自分の人生を諦めてはいなかった。世間の掟や常識という枠からはかなりはみ出ていたかもしれないけれどね。善悪を問うてはいない、生きることは何人たりとも裁かれるものではないんだなと。
後半に行くにつれ話しが加速するように、こちらもぐいぐい物語の中へ引き込まれていった。
国籍もIDも持たない存在、不法入国者、犯罪者の子どもや家族の世間からの苛めを負い、贖う事実。闇を抱えた幾つものポイントがこのお話には撒かれていて、それこそがタイトルに暗示されているみたいに。
唯一自身と重ねられるものがあるとしたら それは “ もう一人のわたし ” の存在かな。
決して良い読後感とは言えなかったけれど必死さがガツンと届く一冊。
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桐野夏生は日本でも珍しい暗黒小説の書き手である。ジャポン・ノワールとでも言おうか。『OUT』を皮切りに女性を主人公にしたノワールばかりを書くようになった作家。ハードボイルドの書き手としてデビューした作家の暗い世界の方角への傾きはさらに危険な領域に達している。ノワールの黒さにもさらに磨きがかかってきている。
日本社会から疎外されたり、自ら社会と相容れなかったりする女性、それも少女の姿を描くことで、最近の桐野夏生は一段とオリジナリティを増し、他の追随を許していない。時代風土の中で、女性の自立が強化されればされるほど、あまり顧みられなかった反社会性という女性には意外と思われる属性をフォーカスし物語に独自な砂漠性を与えつつ、過酷な物語を紡いでゆく。
『グロテスク』『残虐記』『アイム・ソーリー・ママ』など、一時期集中して書いていた素材に、『優しいおとな』『東京島』などの馴染まない世界を背景として与えた感のある新手のノワールが本書『夜また夜の深い夜』なのである。タイトルですら夜を三度繰り返すほどのこだわり。そしてイタリアはナポリのそれも地下迷路や最下層の街を舞台に描く。
手紙で綴られてゆく少女の人生。返事の来ない手紙の宛名の人物が誰なのかもなかなか明かされない中で、手紙が少女のいる地獄のような水面から差し伸べられた溺れる者の精一杯の腕であり手のひらであることがわかる。手紙は悲鳴であり、救いを求める獣の咆哮であることがわかる。
理由はわからないが逃亡生活を続ける母のもと、自由を奪われ、名前を奪われ、国籍すら持たず、生まれたことすら誰にも知られぬままにこの世に生を受け、他社との繋がりを断ち切られ、ヨーロッパで転居と移動を
続けてきた母子。その裏側の真実は何なのか?
そうした疑問のさなか、少女は成長しつつ、友達を知り、一筋縄では潜り抜けてゆけない社会の過酷さを知ってゆく。恐怖と不安と貧困の中で生き抜く少女の姿が『優しいおとな』の少年の姿を思い出させるが、世界は現代日本と繋がっておりあり得ない架空の世界ではないところが、かの作品とは各段に違う。
世界に満ちた恐怖と悪に触れながら、少女が徐々にタフな存在になり闘ってゆく様子とその切ない心情とを変化に満ちた文体で描き切った桐野版実験小説の新たな地平ともいえる力作である。
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桐野夏生ファンにはたまらない桐野ワールド全開の一冊。
謎と不思議が入り混じる冒頭から、人情や愛情が交錯し、どんどん引き込まれます。
不思議な設定が桐野夏生ワールドらしく、すっきりよみふける事ができます。
あんまり書くとネタバレになりそうですが、生命力とその国の風が吹くような爽やかな読み応えです。
ハードボイルド、ダーク、そんなイメージが、この小説の舞台「イタリア ナポリ」でどう表現されるのか?
そんな疑問もありましたが、読んでいくうちに、坂の多いこの街の中に、色々な高低差が見えてきます。
人・街・歴史。
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桐野夏生さんの作品は大好きなので
楽しみに読みました。
と言うか楽しみにしすぎたかな。
ラストが納得いきませんでした。
あっけなくて。
せっかく途中までワクワクしてたのに。
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どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい…。魂の疾走を描き切った、苛烈な現代のサバイバル小説。
気が滅入るような暗い話が次から次へと出てくるけれど、ミステリアスな展開に引っ張られて気が付けば1日で読破していた。全体的に現実味が乏しく、オチもやや拍子抜けした感もあったが、少なくとも時間つぶしにはなった。
(C)
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壮大な物語だったなあ。どこに着地するか分からなかったけど、最後は主人公が笑顔だったと思われるので良かった。
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(2015.02.07読了)
まぁまぁですかね(^_^;)
桐野夏生、かなり好きです。
が、最近書かれたものは昔のに比べると今ひとつのような気がします(。-_-。)
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自分のルーツを知らない女の子の不安感。19年ともに暮らしているにもかかわらず母の本名どころか本当の顔もあやふやであることの、己という存在へのよりどころのなさ。このような世界観で生きることの不安感はどんなものなのだろうかと色々と考えながら読んだ。
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リアリティのないストーリーであってもちゃんと読ませる内容になっているのは、さすが桐野夏生。他の作家だったらもうちょっと低かったかもだが、贔屓の作家なので星3つ笑。
内容は特に心に残るものでも、読後の余韻に浸るものでもないが、読んでる間は独特の空気感に引き込まれる。母親がなぜ逃げ回っているかの真実は実はどうでも良くて、舞子の日々、彼女の気持ちの変化の描写、サバイバルの様子の描写が楽しかった。
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桐野作品の持つ「毒」中毒として、このなんだか良い感じのラストに逆に怖さを感じてしまう。
■ ■ ■ ■ ■
この作品にもロクな男がいないなぁ。
そりゃぁ女が毒花咲かすしかない訳だよ。
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エリス R.I.P.(涙)
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手紙の文章が主で読みやすいが、ラストがあっさりしていた印象。
途切れ途切れに読み進めていたので結局七海がなんだったのか、理解出来ず。
一気に読んだらまた違ったのかもしれません。