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日本古代律令制下で、女官が多少の不平等はあるものの、男性官吏と並んで朝廷で、遺伝や季禄をもらう存在だったというのは、知らなかった。
古代社会で、夫のものとは独立に、女性自身の家司を持っていたというのも目から鱗。確かに、核家族で結婚して夫婦で住む生活じゃ無いわよね。
女官としての、年間の必要出仕日数は240日って結構ありますよね。結婚しても、引退しなかったと言いつつ、出産しちゃったら流石に休まんとやっていけんと思うんだが、出産休みはあるんですかね。
女官の全体の仕組みは、今まで知らなかった話で面白かった。しかし、現実にどういう仕事、暮らし方をしてたのかはよく分からなかった。分からないことの方が多いのかな。労作。
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「古代」で「女性」で「官僚」だぜ。釣られてしまった。
女官というと、天皇のお手つきじゃないの…と思いきや、きちんと行政システムになっていて、出世もすれば結婚もするし、定年はないので80歳まで現役だった人もいた。女官は決して後宮づとめの人ばかりではないのだ。
夫の有無も年齢も不問で求人をした例からも、天皇があんなことやこんなことを…というわけではなさそうだし、男子禁制の仕事場だったわけでもない。記録に残っているのは上級階層のものが多いだけど、どうやら下級役人でも女官と結婚していたりしたらしい。
というわけで、古代日本は女性が輝く社会、だったようにも見えなくもない。これが平安時代になると、ビジネスと恋を両方こなして地位を獲得していく女官から、夫や家のポジションによって地位をいただく存在に変わっていく。平安時代には、出仕は世の恥だ、というような雰囲気にさえなっていたようで。けれど、表向きの行政システムから女性が排除されていただけで、結局のところ、紫式部のような存在として力を振るったわけだ。
もう少しぶっ飛んだ想像などがあるかと思ったが、そういう本ではない。カタいといえばカタい。けれど、政治システム後進国だったはずの日本が、そこそこにうまくやれていったぽい気になれて、ちょっと嬉しい。
昨今の「女性が輝く社会」とかいうのより健全じゃないか。
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古代日本の女官について、その仕事、出世、生活、結婚など、多角的に解説。
古代の女官というと、紫式部・清少納言や大奥的なイメージがあったが、特に平安前期までは、男性官人とともに実質的な政治的行政的役割を果たし、活躍していたことを知り、目から鱗だった。
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女官というと、中国の皇帝に仕えるイメージが強く、わが国古代でなぜ、県犬養橘三千代のような女官があれほど活躍できたのかが謎だった。
この本は、その謎をしっかり解き明かしてくれた。