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短編集として、これはダントツ、という作品も
苦手だという作品もありませんでした。
サドルと会話するお話は面白かったです。
総じて記憶に残りにくい一冊でした。
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きっかけになった朝日の書評を探したらBookAsahi.comにあったので以下に著者のコメントを一つだけ抜粋。
「言葉で表せない未整理の記憶や心の中の他者たちの存在によって自分は生きている。ずっと感じてきたことが少しはかたちにできたかな」
もともと音楽家の著者らしく、「マジック・フルート」にはバッハやシューマンやベートーヴェンの作品名が出て来るのも楽しい。
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短編集。
短編でなく長い物語になりそうな話ばかりで
とてもよい短編集だったけれど
読後感のあまりよくない話もあり
読み終わった後は霧雨に濡れてしまったような
じっとりとどんよりした気分になった。
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久しぶりに読んだ湯本香樹実の作品。
短編集。
私は最後の「夜の木の下で」が好き。生と死を彷徨う弟を見守る姉視点の話から、当の彷徨う弟視点に変わり、2人の姉弟が互いを想い合う気持ちが温かく感じられた。
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短編集。過去の記憶を辿る。緑の洞窟、焼却炉、私のサドル、リターン・マッチ、マジック・フルート、夜の木の下で。
さりげに想い出しているけれど、深いし大きい過去。
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あまりの装丁の美しさにジャケ買いした時に読んだ時には、このひとつひとつの物語の良さが全然わからなかった。この夏、久しぶりにじっくり時間をかけて読みかえしてみて、ようやく意味がわかったというか、この物語と私の焦点があったような気がする。
誰もが抱える心の奥底にあるさまざまな想いをそっと浮上させて浄化させていくというか。今まで仕舞い込んでいたものをようやく語りだすことで見つけられるものがあるのですね。
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短編。
病弱だった双子の弟をアオキの木の下で思い出すこと。
トイレ掃除を一緒にした同級生と進路。
幼なじみの男の子との別れ、サドルとの別れ。
いじめられっ子の同級生との友情と罪。
祖父と一緒に暮らした時に出会った網枝さん。
事故で意識不明の弟と看病する姉。
静かな悲しみと穏やかな愛に溢れる感じ。
夾竹桃って花がよく出てきたのが印象的。
もっと著者の本読みたい)^o^(
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題名のイメージどおり、しーんと静まった雰囲気で話は進むのだけど、ちらちらと激しいものが潜んでる感じ。短編集。
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筆者の本は初めて読んだ。男性・女性、いろいろな視点で描かれた6篇のストーリー。変なロマンチシズムがなく、さらっとして、優しい。
感情についての「気づき」が多く、それをすくって書き上げる感性が豊か。
通底するテーマは、過去の自分を振り返り、いまの自分のありようを素直に認ること。誰もがどこかで求めている「肯定」を与えてくれる。
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静かだなあ。すれ違いのお話たち。
大きく心が動かされるほどの衝撃ではなく、静かにそこに横たわっているような、
日常に潜む影を少し切り取ったような。
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「夏の庭」でおじいさんの死んでゆくのを観察したぼく、「春のオルガン」でオンボロバスに立て篭もるわたし…そんなこどもたちが成長したらこんなふうになるのだろうと思わずにはいられない短篇集。
〜湯本さんおひさしぶりです!ずいぶんと時が経ってしまいましたがこの柔らかな過ぎ去った時へのレクイエムが心に響くのは木山やともみが私たちのなかに生き続けている証しなのでしょう〜
どれもみな素晴らしいのだが敢えてのイチオシは過去の作品から持って来た「マジックフルート」、この思春期の少年が年上の女性に抱く淡く儚い恋心はどれだけ草臥れた男の胸にもときめきを思い出させてくれるだろう
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「緑の洞窟」、「焼却炉」、「私のサドル」、「リターン・マッチ」、「マジック・フルート」、「夜の木の下で」
登場人物もストーリーも無関係だけれどなんとなく共通のトーンを感じる6つの短編。
思春期の心の痛みだとか、友達や家族への思い、取り戻すことのできない時間。せつなく辛い物語の中にも、どこか愛情が感じられたり可笑しみもあって‥人と関わること、生きることに希望を感じる読後感。
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小説らしい小説だと思う。作者が丁寧に言葉を選んでいるのがわかる。
そのため、濃密な、気配のある小説になった。
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この本の装丁にぴったりの
短編が詰まった一冊でした。
大切な記憶の欠片を、
どこか薄暗く濃密な場所から
呼び戻してくるような。
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青春期のほろ苦さ、自分の気持ちを上手く言い表せないもどかしさやジレンマ…大人の誰もがかつて辿ってきた道が6本の短編のあちらこちらに、静かに淡々と描かれている。
ふと胸が苦しくなり切なくなって泣けてくる。
人はみな色んなものを亡くし、それを振り返り思いを馳せながら、それでも生きていく。
湯本さんの描く物語にはよく大きな木が出てくる。
青春真っ只中の彼らをそっと見守ってきた木。本人が大人になっても、木だけは何ら変わることなく同じ所にそっと佇んでくれている。
どっしりとした大きな木があるだけでほっと安らぐみたい。
あの頃の焦れったい自分を思い出させてくれる優しい短編集だった。