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群像劇。人生のなかの極端な場面が描かれているのに、それをむしろいろいろな人がいて、考え方があって、とるにたらないことであるかのように穏やかに思える。
シジミチョウくらいの軽さでいきたい。
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拓人の世界を読んでいるときの
なんともいえない心地よさ。
純粋で清らなもの、そのもの。
それでも現実世界との折り合いをうまく
つけていくさまは、たくましくも切ない。
その現実世界を生きる大人たちの物語と
交互して読み進めるのも楽しく
やっぱり素敵な一冊でした。
私もヤモリンや葉っぱ(カエル)と話してみたいわ~。
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拓人の語りの部分が読みにくいが、次第に慣れる。
育美と拓人がお互いをとても好きで、その関係がすごく穏やかで良かった。
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かわいい、愛らしい、純粋、稚い、幼い……。
子どもを表すそんな言葉には、
ものを知らない、道理が通らない、わがまま、役に立たない、手がかかる……
などの意味が裏っ側に隠されている。
育実はもちろん拓人にも、そんな言葉は当てはまらない。むしろ彼らを取り巻く大人たちこそ、傍迷惑で自分勝手な困った生き物たちだ。
しかも、自分は生活者として立派に自立していると思い込んでいるらしい。
哀しいもんだねと思った。が、そんな風に感じてしまった私もまた、同じ仲間なのだと認めざるを得ない。
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そういえば、江國さんの本は久しぶりに読んだ。
うわぁ、もう、おもしろかった。
拓人のところがよかった。なんだ、この感じ。わからないけどわかる感じ。
寝る前に布団の中で、毎日読んだ。
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いくみちゃん、出来すぎ!
この歳でこの言葉遣い。
素晴らしい。
で、カエル、たべたよね?(ドキドキ)
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言葉の発達が遅い幼稚園児の拓人はちいさな虫たちと話し、人や空間を色で感じる。そしてそうした拓人を健気に愛しみ面倒をみる姉、育実。
幼い拓人の世界がひらがな文で奇数章に綴られ、その後の偶数章で、姉の育実、母、ピアノの先生、ピアノの先生の母、隣家の老婆、墓苑管理人、父、父の恋人・・・の大人たちの都合が語られてゆく。
結婚後も恋人のいて何日も家を空ける父、その状況に耐えながらも離婚できない母・・・等々、とかく意味ありげで偏頗な大人たちの都合の中で、その大人たちに翻弄されながらも自分のそして自分たちの世界を生きていく姉弟。
拓人、そして育実のもつ世界観を読み進めて、たしかに子供の頃の感覚なり世界観ってこんな感じだったなあと改めて思い出した。
幼い子どもへの触れ合いのときに思い出して、大切にしたい感覚だ。
(内容紹介から抜粋)
虫と話をする幼稚園児の拓人、そんな弟を懸命に庇護しようとする姉、ためらいなく恋人との時間を優先させる父、その帰りを思い煩いながら待ちつづける母―。
危ういバランスにある家族にいて、拓人が両親と姉のほかにちかしさを覚えるのは、ヤモリやカエルといった小さな生き物たち。
彼らは言葉を発さなくとも、拓人と意思の疎通ができる世界の住人だ。近隣の自然とふれあいながら、ゆるやかに成長する拓人。一方で、家族をはじめ、近くに住まう大人たちの生活は刻々と変化していく。
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桃の木枇杷の木~みたいな雰囲気の作品。
登場人物のキャラクターも所々似ているような気がする。
拓人のひらがなしかないパートが読みづらくて困った。
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7歳の割にしっかりし過ぎた女の子と小さな虫と話すことができる弟、なかなか家に帰ってこない父とその帰りを待つ母とその周囲の人のお話。
なかなかすごい設定。振り返ると。
読んでいると普通に展開するのだからすごい。
小さな子がこんなに鋭く言うんだったけと思いながら、子どもの時間を送っている。かつて私にもあったと思う。
忘れている、思い出さないだけで。
ただ、ひらがなのページが5ページ以上続くとつらい‥
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ひらがなで表記された拓人の世界がたどたどしく美しい。その空気の周りで大人の世界が別にあり、時々姉の育実、墓守のおじさんなどが二つの世界をつなぐ。カエルの葉っぱは可愛いし、やもりんも健気だ。ただ、業界の人間である父親が本当に感じ悪かった。
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内容(「BOOK」データベースより)
虫と話をする幼稚園児の拓人、そんな弟を懸命に庇護しようとする姉、ためらいなく恋人との時間を優先させる父、その帰りを思い煩いながら待ちつづける母―。危ういバランスにある家族にいて、拓人が両親と姉のほかにちかしさを覚えるのは、ヤモリやカエルといった小さな生き物たち。彼らは言葉を発さなくとも、拓人と意思の疎通ができる世界の住人だ。近隣の自然とふれあいながら、ゆるやかに成長する拓人。一方で、家族をはじめ、近くに住まう大人たちの生活は刻々と変化していく。静かな、しかし決して穏やかではいられない日常を精緻な文章で描きながら、小さな子どもが世界を感受する一瞬を、ふかい企みによって鮮やかに捉えた野心的長篇小説。
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苦手意識のあった江國香織の本だが
今回は割とすんなり読めたように思う。
物語は主に一人の幼稚園児を中心に進む。
その子には姉、母、父という家族が居るが
それぞれが少しずつだが歪んでいる。
結婚後も恋をし続ける父。
それを良く思わずとも離れられない母。
大人びているようで、子どもっぽさの溢れる姉。
外言ではなく内言で会話を行う主人公。
内容としては浮気のある家庭の話。
この父親のような人、割といるよなあと
思いながら読みました。
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これで終わりー((((;゚Д゚)))))))という衝撃はあったけど、全体的には昔の作品で大好きだった「流しの下の骨」のような、変わった形の家族小説で淡々とつづられてるそのテイストが気に入った。
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最初すごく読みにくかったけれど、話が進むにつれて、だんだん引き込まれていった。
子どもの持つ不思議な世界、そこが理解できない大人、大人も年齢に応じたそれぞれの世界観が描かれていて、おもしろく読めました。
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虫と話をする幼稚園児の拓人、そんな弟を懸命に庇護しようとする姉、ためらいなく恋人との時間を優先させる父、その帰りを思い煩いながら待ちつづける母―。危ういバランスにある家族にいて、拓人が両親と姉のほかにちかしさを覚えるのは、ヤモリやカエルといった小さな生き物たち。彼らは言葉を発さなくとも、拓人と意思の疎通ができる世界の住人だ。近隣の自然とふれあいながら、ゆるやかに成長する拓人。一方で、家族をはじめ、近くに住まう大人たちの生活は刻々と変化していく。静かな、しかし決して穏やかではいられない日常を精緻な文章で描きながら、小さな子どもが世界を感受する一瞬を、ふかい企みによって鮮やかに捉えた野心的長篇小説。
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大人の世界の中での子どもの存在とその世界が瑞々しく描かれていて胸を突かれる。平然と浮気を続けながら、平然と家にも帰って来る夫と、鬱屈しながらもその状態を崩そうとはしない妻。そんな大人を父と母として、郁美と拓人は日々を過ごしている。幼稚園児の拓人は、心の中で虫と話ができ、それは特殊能力でもあるのだろうが、子どもの本質のようにも思われる。大人から声をかけられた時の反応や、他人の認知の仕方が、おそらくどんな子どももある程度こうなのだろうと、さまざまなことが腑に落ちもするのである。ある意味欲に駆られた大人の事情とは全くかけ離れたところにある子どもの世界のみずみずしさに溺れそうになる一冊である。