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図書館の地下迷路の奥にある牢屋に閉じ込められた主人公は、管理人の男に脳みそを吸われてしまう運命。
世話をしてれる羊男や謎の美少女の手助けで脱出を試みる。
村上春樹の文体に挿絵がなんともいえない情緒をあらわしている。
この内容から感じる私が思うイメージとはまるで違う挿絵だけど、綺麗だしこれはこれであり。
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表紙や挿絵のインパクトがすごいが、それに負けないインパクトのあるホラー的な絵本小説(とでも言うのか)。作者らしさがたくさん詰まっていると思う。
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最初は挿画のイメージに入り込めなかったのですが、村上春樹氏の文章にどんどん引き込まれ最終的には挿画のイメージと上手く融合しました。バージョン違いの「ふしぎな図書館」も読んでみたいです。
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初出は『カンガルー日和』で読んだはずだが、すっかり忘れていた。その絵本版の『ふしぎな図書館』のドイツ語版絵本で、イラストはカット・メンシック。そのイラストの雰囲気にあわせて(絵本版ではなく)オリジナルに手を入れた文章だという。
不思議なお話と手の込んだ絵、それでも定価を見るといいお値段だと思う。
15-64
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なんなんだよ、この、くだらないファンタジーは。
会話がウソっぽい。
人は、こんな喋り方は、しない。
ドイツ人のイラストレーター?が本をデザインしてる。このデザインはやたらと暗い。
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ダークな装画がホラーストーリーと見事にマッチしていて素直に堪能。
ちなみにいちおう『カンガルー日和』は文庫で持ってるんだがほぼ完全に忘却済みということで余計に楽しめたのも良かったなと。
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ドイツで絵本にしたものをふたたび日本語に戻して。
日本ではすでに絵本にされたものがあるが日本語のバージョンも違うし最早別もの。
こういうのけっこうおもしろい。
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村上春樹がよくいう、心の底の暗い部分を掘り下げていく話というのは、多分こういう短篇に原点があるのだろうな、と思う。夢でも見ているような突拍子もない転回に、どことなく後暗い思いが潜んでいる。その事を上手く覆い隠すのではなく、じくじくとした生乾きの傷痕に触れるようにして後暗いところに踏み込んで行けるのが小説家の本分なのだと思う。もちろん、つまびらかにした詳細をそのまま言葉に置き換えたりはしないだろうけれど。
夜の闇の持つ不可視さは、ひっくり返せば可能性ということでもあり、不可思議な世界の不可侵さでもある。そのことを村上春樹は理解していて、そのニュアンスをすっと入れ替えるのが巧みだと思う。多分、人は一つの物事を一つの意味できっちりと捉えるのが苦手な生き物なのだと思う。その時々で対象物は自分にとって善ともなり悪ともなる。だから、物事の好ましい面と煩わしい面は常に表裏一体であると考えておくのがよい、自分自身のことを含めて。
このシリーズは、挿し絵が夢とも現とも着かない「夜」の雰囲気を捉えていて、大人のための童話という印象が残るのが好もしい。矢作俊彦の名無しの探偵シリーズの谷口ジローの白黒の挿し絵のことが何となく思い出されるけれど、日下武司の朗読が活字になってこの挿し絵に出会ったとき、何か見てはいけないものを見てしまったような印象を抱いたのは、今から思えば思春期の少年には理解できない大人の雰囲気がそこにあったからなのだなと思う。活字だけなら堂々と電車の中で読むこともできるけれど、この大人の絵本は人前で読むのに今でも少し勇気がいる。
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通いなれた図書館で本を探していたら理不尽に地下の牢屋に囚われていた。
そこで受ける残酷な宣告。ぼくは地下から脱出できるのか…。
ぼくと老人と羊男と美少女の物語。
ドイツの画家のイラストとコラボした作品で読んでいる途中からもう短編とは思えない濃さと気味悪さでした。
ゾッとするようなイラストで地下の湿気とカビ臭さと淀んだ空気まで感じる。
一日三食とおやつにドーナツ付きでもこんな場所には居たくないです。
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後書きにあるけれど、デザイナーやイラストレーターの創作意欲をそそるの、わかる。このダークな世界観、奇妙な登場人物、不釣り合いに美味しそうな食事。想像力次第でどこまでも広がってゆきそう。
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村上春樹。
日本で最も有名な作家の一人で、世界でも有名な作家の一人である。
読書家だと自負している私だが、村上春樹を読み通したのは実は本書が初めて。
というのも、小学生から中学生にかけて、村上春樹を読んだことがあるものの、苦手意識があったのだ。
しかも、村上龍と角川春樹とごっちゃになってしまっていたという、どの口が読書家というのやら、な認識もあり、かなり久しぶりに手に取った次第である(今は区別はついています!)。
イラストを手がけるのはドイツ人画家、カット・メンシック。
個人的には、日本人にもなじみやすい絵だと感じた。
その理由として、色を抑えていることで、切り絵を思わせるからではないかと思う。
さて、本文について、図書館はまさに不思議空間である。
一冊一冊に異なる世界が描かれ、それは無数の、しかし薄くて軽い扉たった一枚のの向こう側にある。
主人公の「ぼく」は、その不思議な世界に迷い込んでしまった。
「知識の詰まった脳味噌というのはとてもおいしいものなんだよ」
羊男は語る。
確かにそうかもしれない。
グロテスクでありながら、そうかもしれないと思わせる、この世界!
牢獄から出ようとする「ぼく」と、美少女と羊男。
三人は一緒に閉じられた世界から出ようとした。
しかし、一緒に、という言い方は間違っているのかもしれない。
なぜなら彼らの世界は同一でありながら、異なる世界に生きていたから。
私は図書館でたくさんの夢を見、知識を得た。
そしてもっと頭が良くなれば、もっと知識を得られたならば、と望んだ。
「ぼく」はちゅうちゅうと脳味噌を吸われるのを嫌がったけれど、知識と引き換えなら私はどうするだろう?
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大人が読む絵本といった感じ。完成度がめちゃくちゃ高い!!
「羊をめぐる冒険」や「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」などの初期の作品を思い出させる作風になっていて、まるで昔にタイムトリップしてしまった様な感覚になった。
これこれ!私の好きだった村上春樹だーっと興奮して読み終えたけど、それもそのはず。
あとがきに書いてありましたが、この「図書館奇譚」は1982年に発表された作品が元になっているとの事。それから何度か加筆修正を繰り返して、何パターンか出ているとな。
うーん、全部読みたい。
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図書館奇譚、3冊め。
(同じ話の本が4冊あってこれは4冊めらしい)
佐々木マキさんの絵でも怖かったのに、メンシック版、さらに怖いよこの絵、リアルすぎる。羊男はあまり可愛くない。人なつっこそうな瞳じゃないし。男というより少年ぽい。逆に主人公のほうは少年のイメージだったのに、急に青年になってそれはそれでミステリアス。
文章は少しずつ書きかえられているそうだけど、最初に読んだ絵本「ふしぎな図書館」(佐々木マキ絵)が好き。でも新たに書き加えられた良い場面もある。
ここにも黒い犬が出てくる。やはり不吉なもののメタファー?
図書館に美少女も。何かこだわりがあるのかも。
なんだろうこの不安になるデザイン。よく見ると、この絵の怖いわけは、虫をモチーフにしているところだった。虫がいない画面にも印刷の加工で虫の形が入り込んでいる。
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「カンガルー日和」の佐々木マキさんでずっと読んできたので、この絵にビックリ!
しかもドイツのイラストレーターさんとのことでそれにも驚く。
文章にも手を入れたとのことだけど、絵のおどろおどろしさに本当に同じ話?と「カンガルー日和」を読み直したい気持ちになる。
どちらかというとファンタジーと思って読んできたのに一気にホラーのエリア入り。
挿絵に虫を描きすぎだし。
主人公は少年なのか青年なのかわからなくなってきた。
それにしても、脳みそちゅーちゅーも毛虫壷も闇の中裸足で何か踏んじゃうのも嫌すぎる。
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絵が気持ち悪すぎて読みにくかった。
あの挿絵、ない方がいいなぁ。
内容もちょっと怖い感じだったけど
絵がなければもっと普通に読めたと思う。