紙の本
幽霊退治ではない
2015/02/04 14:02
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投稿者:みとみと - この投稿者のレビュー一覧を見る
小野不由美のファンです。しかし、怖い話が大の苦手でもあります。
なので、この本も読もうかどうしようかずーっと迷っていました。だって、内容紹介を呼んだだけでもう半端なく怖い気配がひしひしと感じられる。
そして、実際に読んで「やっぱりちょっと怖かった」。でも、ただ怖いだけではなかった。
どのお話でも、怪異をただ悪いものとして退治はしません。そのままでは、暮らしていくのに障りがあるから、なんとか住む人が辛くないようにする、といった感じです。
そのため、読後感は怪異がなくなってすっきり爽快というのではなく、なんだかしんみり、切ないというほうがぴったりきます。
読む前に心配していたように、眠れなくなるほど怖いというわけではありませんでしたが、なんとなく肌寒くなるような空気感。
ただ「雨の鈴」は本当に怖かった。「よくわからないもの」が怖いんだなーと心底実感。しばらくは鈴の音は聞きたくないです。
紙の本
土地の怪
2017/03/23 16:18
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴーストバスター系の話ではなく最終的に怪異の大元が叩き潰されるわけではない。怪異にあった人の前から問題が消えるだけで 怪しいものは変わらず存在し続ける。終わるわけではない。これはかなり怖い事なのでは?
紙の本
場所の怪。
2017/02/05 17:12
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わってから表紙を見返して、それぞれの短編とリンクしていることに気づくとぎくっとする。
狂言回しのように出てくる営繕屋の名前がタイトルと呼応しているのもいい。
文章だけでなく装丁にまで、隅々に神経の届いている一冊だと思う。
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家にまつわる怪異を営繕という手法で解決していくという短編連作。主人公がいるにはいるが、営繕という仕事にプロとして徹して決して出しゃばらないというのが各短編でもお約束。それはそれでよいのだが、何故、この主人公がそういった立地位置で仕事をしているのかについては物語がありそうで、次作があるのであれば、そのあたりを期待したい。
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連作短編集。
古い建物にまつわる因縁話系というか。
イイ雰囲気です。しみじみしっとり怖くてほのぼの。
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ホラーものは長編の方がゾクッとくることが多いが、短編でも予想以上の"ゾクッ"があった。さすが小野不由美先生だなとますますファンになった。
よくある、「"祟り(この本では"障り"としているが)"の原因がほぼ100%断定される→お祓いなどで解決、霊さんさようなら~」パターンではなく「おそらくこれが原因?→じゃあこうしたらどう?で、場合によってはそのまま共存」というパターンもあって、その分妙なリアリティーを感じる。
個人的には「雨の鈴」がお気に入り。
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小話形式ですが、それぞれに営繕かるかやが関わって解決するパターンでした。
家にまつわる怪異ですが、ぞっとするものも多く、しばらくお風呂のふた開けるのが嫌になったり、天井裏が気になったりしました(笑)。
古い家屋にはそれだけで陰だとか暗闇だったりがあるのですが、それが小野主上になると、それは陰鬱な澱みとなって生臭い匂いまでしてきそうなものに変わるのです。
そしてどの話も、現れたものが『何か』はわからないが、建物を改装したり元に戻したりすることによって、とりあえず落ち着かせるという方法をとる、というところが目新しかったかなと思います。住んでいる人に害がなければとりあえずよし、といった感じですね。
いずれ忘れた誰かがまた同じように掘り出したり捨てたり暴いたりすることはあるのかもしれないなと思いました。
祀ってあるところは、それなりの理由があるのだからむやみやたらに触るな危険、ということですね。
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短編なので、好きなときに好きなだけ読めてうれしいです。
ちょっと怖いが、怖すぎないのが丁度いいですが
よくよく妄想すると怖いです。
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怪異が当たり前に存在する異世界にするりと連れて行ってもらえて、そしてその世界に取り残された気分になってしまう。
面白いけれど、もっと重い小野不由美世界に浸りたくなってしまうのだ。
http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-199.html
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ホラーよりも怪談寄り。
原因を追及してなくして対峙してしまうような派手な話ではない。
もっと、身近な感じ。
背筋を冷たい指で撫でられるようなぞっとする描写が随所に入っていて、それでいて深刻でなく、小粒だけども読み応えのある短編集。
表紙の作者名や、各章の扉などちょっとしたデザインがにやりとできてとてもいい。
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古い家はその家の歴史を背負ってる。
一緒に生きていく。生活の場だから共に生きる。
大工の私の妹婿が験を担ぐ人なのも肌で感じているからだろう。是非お薦めしたいと思う。
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全体的に薄暗い雰囲気。
古い家に纏わる怪談の短編集です。
こういった類の話が好物の人は、全編的にお気に召す一冊だと思われます。怪異の正体や原因の直接的な原因は謎のまま……そんなお話も多いですが、それがまた薄暗い良い雰囲気を醸し出しています。
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内容紹介
◎亡くなった叔母から受け継いだ町屋。あるとき一人暮らしの私は気がつく。ふだんまったく使わない奥座敷に通じる障子が、何度閉めても――開いている。(「奥庭より」)
◎古色蒼然とした武家屋敷に住む母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」。最初は息子も嫁も孫娘も見えなかった。しかし……。(「屋根裏に」)
◎袋小路の奥に建つ古屋を祖母から受け継いだ。ある雨の日、鈴の音とともに喪服姿の女性が隣家の玄関先に立っているのを見掛けた。一目で、見てはいけないものだと分かった。(「雨の鈴」)
◎亡くなった祖父の会計事務所を継ぐため、家族で郷里に帰った父。思春期真っ只中の真菜香は、何もかもが嫌だった。あるとき、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。(「異形のひと」)
ほか全6篇を収録。
※初出:「幽」(KADOKAWA)vol.015(2011年7月1日発売)、vol.016(2011年12月16日発売)vol.017(2012年7月2日発売)、vol.018(2012年12月17日発売)、 vol.019(2013年7月1日発売) vol.021(2014年7月4発売)に掲載。
【営繕】の意味
建造物の新築と修繕のこと。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より)
一般的には模様替(リフォーム)なども含む。
【かるかや】の意味
山野に自生する多年草。葉はイネに似て、秋、ムギの穂に似た小さい花を葉のわきにつける。高さは1.5メートルくらいに達する。(三省堂『新明解国語辞典』第四版より)
内容(「BOOK」データベースより)
この家には障りがある―住居にまつわる怪異を、営繕屋・尾端が、鮮やかに修繕する。心ふるわす恐怖と感動の物語。
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祓うでもなく、見てみぬ振りをするでもなく。ただ、あるものがあるように。家に暮らす者が日常を営めるように。
障りの部分をどうすればいいのかを営繕屋の尾端が修繕する物語。
人に害を為そうとする所謂悪霊の類いは一切出てこず、そう言う意味ではホラー色は弱めかと。害を成すわけではないけど、描写はそれなりにゾクッとする部分がありました。ただ最後には尾端の修繕で怪異は解決して、良かったなぁと何処か心暖まる終わり方が素敵です。
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2014年最後、26冊目。
絵本は除く。
久々小野さんの新刊は、優しい雰囲気もある連作ホラー小説でした。
この街の雰囲気好き。
どれも切なかったりしたけど、一番ドキリとしたのはおじいちゃんが隠れてるあれ。
しばらく戸棚とか開けるの怖くなりました。