紙の本
新たな作品に驚き
2015/10/16 11:51
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投稿者:川越ながちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までの作品ジャンルと全く異なるのでびっくりしましたが、それなりに楽しめました。
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文庫本かで再読。ギリシャ神話の神々や英雄の話を神話としてではなく、人間臭い物語として再構築した短編集。
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ギリシャをテーマにした短編集。この本の成立過程については『あとがき』に纏められている。
視点を変えると有名な神話が全く違う顔を見せるのが面白い。同じようなことは様々な作家が試みているが、本作はシンプルですっきり纏まっているところが良かった。
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【神話と思索と謎解きが、人間の真理を描き出す】ロジックと数理に生きた「最初の哲学者」がたどりついた境地とは。ギリシアの神々と哲人たちに材を取る哲学的ショートストーリーズ。
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ギリシア神話にまつわる13のショート・ショート。
神々や哲学者、歴史家などの超人的なキャラが、歪んだ異常心理に巻き込まれていく悲劇が面白い。作者独自の解釈もあり、オイディプスやイカロスなどのポピュラー(?)な逸話に意外な側面が垣間見え、着地を期待するという意味で短編としてもよく出来ていると思う。
ギリシア神話ってバカミスの世界だと思うので、困難な題材じゃないかと思い込んでたけど、なかなかどうして魅力的。無理にミステリ色に染まらなかったのもよかった。ゼウス誕生にはなるほどと納得し、ラストの『ヒストリエ』で浄化されたかな。
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スバイものでなはなく、
もうひとつ恒例の歴史もの。
ソクラテス、ミノタウルスなどなど。
ほんとはこうだったのかも?
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心理学の講義でエディプス・コンプレックスに興味を持った私って、つくづくCSIではなくクリミナルマインド派よねえと改めて感じ入りました。2014年、最後に読んだ本です、ソクラテスの妻。
人間の普遍的な心理というか、文化や時代に左右されない情動?のようなものに凄く興味を持ったころがあったんですよね~なんか中二臭いね!←
ミステリ作家が書くギリシャ神話ものだなんて…パブロフの犬のごとく、見取り図・神話or童謡or伝承モチーフ・入り組んだ家系図は条件付けですよねミステリスキーには…そりゃヨダレ垂らしまくりですわ…←
というわけで、本編感想。
ギリシャ神話をモチーフとして紡がれる、神々や人々の13の物語です。
正直、冒頭の「オイディプス」はちょっぴり肩透かしでした。「岩波文庫に載ってた本編まんまじゃん…ちょっと面白いとこ抜粋して分かりやすくしただけじゃん…」となってしまったのですが、以降の作品がまあ面白い。ギリシャ神話には小学生の頃にハマっていて内容自体は覚えているものばかりだったのですが、今作は「ミステリ」のスパイスや捻りが効いていたのが凄く面白い!
悲劇のヒロインだと思っていた少女が実は強かな曲者だったり、人々に恐れられる「怪物の目線」で語られる話だったり、単なる思慮不足の愚行だとされていた行為が実は悲しすぎる決意故のものだったり…。
幼い頃に読んだギリシャ神話は、「美しい神々の永遠に続く悪ふざけ」「その犠牲になる善良な人々」という印象が強かったのですが、もしかしたら逆転した構図も読み取れるかもしれないぞ、とワクワクさせてもらいました。うーん、やっぱり、神話って楽しい!
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読みやすいギリシャ神話。これまでギリシャ神話を読もうとしたことがあったけれど,だいたい興味を失ってしまった。しかし,この本は,たぶん登場人物を厳選し,エピソード間のつながりを計算して配置し,文章は平易なのでストレスなく読める。
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ギリシャの歴史や神話をベースとした短編集です。一話一話が短いため、無理なく読めます。知識ゼロでも楽しめます。
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名前と何となくこんな事したよね?という程度は知っているギリシャの神々のショートショート。実際の伝承を調べて比べると初めて皮肉が理解出来る。
軽く読めるけど違和感を感じるという面白い作品。
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平明と言えば聞こえはいいけど、アッサリし過ぎて物足りない。なんかデジャブだなあ、阿刀田高とかぶるからかしらん…と思ってたら、「最初の哲学者」改題、とあとがきにあった。版も題名も違う本で中身一緒って、どうしたら事前に知れるんでしょう?身銭切って買ってたら怒るぞ。出版社の良心問題だよな。
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ギリシャ神話を題材にした短編集でした。ソクラテスの妻は悪妻として有名ですが、ソクラテスの様な突拍子も無い行動を取る夫を持つと文句も言いたくなるだろうなと感じさせられた。
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「ソクラテスの妻」
表紙がジョジョに出てきそう。
ソクラテスの妻であるクサンティッペ(Xanthippe)は、歴史上の逸話の中では、かなりの悪妻として描かれている。Xanthippeは、口やかましい女性、口の悪い五月蝿い女のことを指す名詞としても使われている。ある時、クサンティッペはソクラテスに対して激しくまくしたて、彼が動じないので水を頭から浴びせた。それがクサンティッペだ!
Xanthippeの代名詞として語り継がれている時点で当時は相当な厄介具合だったに違いないと思ったが、こんな逸話が言い伝えられてきた時点で察するべきである。怖すぎる!逆に噂が噂を呼んで真実ぽく語られ、受け継がれたならば、不幸なことこの上ない。
表題は、クサンティッペは本当に厄介女で悪い妻だったのか?と言う疑問を持って読みたい短編だ。そう、バイアスは捨て去って読みましょう。きっとクサンティッペは悪い妻じゃないかも知れない。ソクラテスだって偏屈が行きすぎた天才偏屈なのだから気が荒すぎるくらいが丁度良いかも知れないのだ。
そして、分かっちゃう。そりゃ水をぶっかけたくもなるし、あんた何を言ってるんだと言いたくもなる。夫婦喧嘩が為されないもやもやがクサンティッペにはあったのだ。これって現代人も共感できますよ!クサンティッペ!と言ってあげたい。
因みに、当時の古代ギリシア社会では、女性は15歳前後で30代くらいの年長の男性と結婚することが通例。ソクラテスが70歳辺りで死んだ時、彼には三人の子がいて内、10歳位年齢が離れていた兄弟もあったようだ。
すると、大体ソクラテスが50代の時に15歳前後のクサンティッペと結婚したことになる。しかし、ソクラテスを調べながら超ロリコン結婚か、ありえないな、とか思っていたら、今だって法律上では女子は16歳から結婚出来ることを思い出す。つまり、古代ギリシアから法は全然発展していないのだ。こんな時代をソクラテスはどう思うんだろう。こんなもんさと言うのだろうね。
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『最初の哲学者』(幻冬舎2010刊)の文庫化なのに、タイトルが変わっていたため気づかなかった。が、読んでみたら殆ど覚えていなかった…。
ギリシャ(主に神話)に関する掌編12編に、単行本化するときに付けた額縁の小話(ヘロドトスの話)、という成り立ちを文庫あとがきで記している。
掌編はサラサラ読めて、特にひねったりはしていない。ヘロドトスについての「ヒストリエ」が、短いながら、記録することの意義を痛感させる(記録が蔑ろにされる社会にいるので)。
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クレタ島に伝わるミノス王とその息子・牛頭人身の怪物ミノタウロスの伝説について。ミノタウロスを閉じ込めた迷宮を作ったダイダロスの息子イカロスについて。父親を殺し、母親と性的関係を持つという忌まわしい神託から逃れられなかった、オイディプス王の悲劇について。夫イアソンと共に故郷を捨てたコルキスの王女メディアの、激情の結末について。
12の掌編はそれぞれの登場人物たちが微妙に絡みあい繋がっていき、最後の書下ろし作品「ヒストリエ」にて、歴史の父と呼ばれるヘロトドスが各地を転々と旅しながら見聞きし、書き記した物語として大成する。
本書のタイトルにもなっている『ソクラテスの妻』は、作曲家モーツァルトの妻コンスタンツェ、文豪トルストイの妻ソフィアと並んで「世界三大悪妻」と名を馳せるソクラテスの妻クサンティッペが語り部。
「皆さんがおっしゃるほど、わたしはあの人にとって“悪い妻”だったのでしょうか?」
と、ソクラテスの死後に、クサンティッペから見た亡夫の実像を語る。
よく知られる物語も、語り部を変え角度を変えて見れば全く違う印象に。哲人ソクラテスと悪妻クサンティッペも、よくあるだらしない夫としっかり者の妻になる。なまじソクラテスが哲学者として絶大な評価を得ていたがために、実像とかけ離れて理想像が独り歩きした。そんなありがちな過程と顛末、本当にあったかもしれないと考えてしまう一篇。