投稿元:
レビューを見る
「つぶやきのクリーム」で、相変わらず良いタイトルで出してくるなあもう!とにまにまし、「つぼやきのテリーヌ」でげらげらと笑い、今回、「つぼねのカトリーヌ」で、そうきたかーと目を丸くしながらにまにました。
読書感想サイトの話が何度か出てきたけれど、たしかに、意見というよりも感情の垂れ流しになっているレビューもあるので、ユーザーだけれども納得してしまうところも。小学生の夏休み絵日記みたいな内容なら、寝かしておいた方がよほど有益かもしれませんね。と書きながら、自問自答。
そう、彼のこのシリーズで優れているところは、ユーモアのあふれた文章で、愛と理性を惜しみなくあげながら、ふと「あれ、じゃあ私は?」と思わせるところだと思う。狙ってやっているなら(狙ってやっている可能性が大だけど)、にこにこして乗せられたい。
解説の土屋教授が面白くて面白くて、電車の中で唇を噛みしめました。私も、「知り合うんじゃなかった」とか言えるくらい仲良くなってみたい。あらら。これはただの嫉妬か。
解説を読む前に、100番目のエッセイをしみじみと何度も読みました。死期なんて、誰にもわからないけれど、彼はそれを意識して生きているのだなと。それ自体はごくごく当然なのだけれど、果たして彼が遂にいなくなったとき、私の人生はどう変化するのだろう。誰かがいなくなっても人生は続いていくし、そもそも私は彼の知り合いでもなんでもない。それでも、世界のどこかで彼が生きていて、同じ時間を共有しているのだと想像することはとてつもなく幸福なことである私にとって、彼がいなくなるその日は、涙なんて出ないくらい哀しい寂しいものになるのでは。
何度も書いていることですが、読書をしていて一番幸福なのは、見ず知らずの誰かに、人生を左右されるくらいの影響を与えてもらうことだと思う。それがどういった影響であっても。その影響を受ける皿を持った自分であることも尊いし、そんな相手に巡り会えたことも尊い。こういった読書感想サイトでは、そんな一冊に巡り合ったひとのレビューを読むのも、また一興かもしれません。
投稿元:
レビューを見る
今回のエッセイもはっとさせられる言葉が転がっていた。何回読んでも発見がある。あとは考えて実行するのみ。
また、解説が著者への嫉妬心むき出しで面白いので是非一読を。
投稿元:
レビューを見る
24:本を読んでも、自分を知ることはできない。
が、私とは違うなぁと感じたところでした。つまり自分はあまり客観視できないため、他人の知を知ることにより自分と比べ、自覚することが大いにあるからです。
あとは、
76:奥様が「幸せだね」を連発するのでビビっている。
について、やはり経年の影響を垣間見れるという点が、同時代に生きて体験している感(ライヴ感)があって興味深いです。
ちなみに、一番のお気に入りは、ふと目に入ってきた最後の方の著者プロフィール。前作から続けて読んだので思わず、にやり。
投稿元:
レビューを見る
7値段が高いときに買っても、お得感はある。
10自分は基本的に一人である。
20人に嫌われる覚悟が、人生の活路になることがある。
33家族とか夫婦とかに期待をするのは甘え。
34一人で遊べる人は寂しいとは感じない。
93「神」も落ちぶれたものである。
今の関心がどこにあるかわかりますね。。
投稿元:
レビューを見る
クリームシリーズ、第三作。やっぱり凡人には実践出来ないことばかりだ。参考にすらならない——“天才”にしか理解出来ないだろう。
投稿元:
レビューを見る
著者は一般に言う「普通の人」ではない。
なのでそういう人がただ考えていることをつらつらと並べて
それを本にしたとしても、普通になるはずがない。
なので、万人に受けるようにはやはり書かれていない。
自身にクリティカルヒットするような項目もあれば、
まったくもってどうでもいい項目もあると思う。
それらを含めて、なんでもありなのだと考えてしまうのが
この本の楽しみ方なのではないか。
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだ森博嗣のエッセイ。小説で始めて読んだのは、「すべてがFになる」。この「すべてがFになる」で、森先生の大ファンになったのだけど、そこからなかなか手が出せないでいました。シリーズが長いのと、読了するのに結構疲れた記憶があったので、気になるけど・・みたいな感じでした。
それでも、森先生の本が気になるのは、理系の人の文体が新鮮だったのと、ストーリーが面白かったのと、タイトルに魅了されたのと・・いろんな要素がありました。とはいえ、先述のとおり、次に手が伸びないのも事実でしたが、そんな時に見つけたのが、この、つぶやきシリーズ。本屋さんで見つけて、中身をパラパラと少し読みかじって、これならと思い、いそいそと購入したのがこの「つぼねのカトリーヌ」でした。
森先生が思った事・感じた事を、徒然なるままに書いていましたが、これがなかなか面白かったのです。100のテーマで、1つずつ読んでいくと、「あー、なるほどなあ・・」と思うものや、「んー、理屈は分かるけど・・気持ち的には、あたしは、こうだなあ」とか、「森先生の立場や環境が、この考えを作ったのだな」とか、森先生の意見に賛成したり反対したりしていました。
そうして読み終えた時に思ったのは、森先生は、静かに主張する人なのだな、という事でした。
上から目線で語るでもなく、「俺が俺が」と前のめりに熱弁するでもなく、自分の考えを述べながら、同時に、読み手にも考えさせる。「僕はこう思うけど、君はどう思う?」と。
本を読みながら、森先生と議論が出来る。森先生の意見を聞きながら、自分の考えを構築する。
そんな稀有な体験が出来るのは、森先生のエッセイだけなのだろうと思います。楽しい授業でした。
投稿元:
レビューを見る
解説おもしろいなあ。ももちとはまた違うおもしろさ。
森博嗣は作家読み(という言葉はあるのだろうか)しているので、何を言っていてもウンウンそうだねとまるで聖母になった気分が味わえる。
のび太とドラえもんを抽象化すると、騙される人間と詐欺師になるのか……。
投稿元:
レビューを見る
エッセイ。シリーズ3作目。
森作品を100冊以上読んだ今では、どのコンテンツも納得できる!
森さんに影響を受けまくっていることを実感しました。
投稿元:
レビューを見る
森節炸裂。清々しいほど。
“ものを買うときには、出した金の価値が、買ったものの価値になる。安く買えば、安い価値と交換しただけのことだ。”
買い物っていうのは、自分がそれにどれだけの価値をつけるのかってことだというのね。
だから、本当に必要なもの、本当に欲しいものは高くてもいい。
どうでもいいものは安く買ってもいいだろう。
安いものを探すために時間を費やすのは、決してお得ではない。
“「よす」という動詞は、命令形以外は聞かなくなった。”
確かに。
「よせ!」と「やめろ!」は同じくらい使われていると思うけど「よして!」より圧倒的に「やめて!」だな。
「よしとく」と「やめとく」はどうだろう?など、いろんなパターンで考えた。
“奇跡を信じろ、というのは無理な話だ。”に続くのが“理由は簡単である。信じられないものを奇跡と呼ぶのである。”
実に全くそうだった。
往往にして本質を忘れてしまいますなあ。気をつけないと。
“奇跡を信じるまえに、奇跡に縋らなければならない状況に陥らないことが大事だ。当たり前の道理である。やるべきことは、状況を常に分析し、間違いを修正し、少しでも確率を上げること。つまり、奇跡を遠ざけることが大事だ。”
頑張ります。
“若い時には、「幸せ」なんて感じたことはない。子供はそんなものは知らない。幸せというのは、死に近づいた者にしかわからない。”
私が幸せを自覚するようになったのは、やはり最近のことのような気がする。
「幸せだ」とか「嬉しい」を素直に言えるようになったのは、鬱病になってから。
素直に口に出せない性格だったというのもあるけれど、そういうものに無自覚だったというのが大きい。
常に「幸せ」を意識している子どもは、あまり「幸せ」ではないような気もするし。
子どもの頃に比べたら確実に死に近づいているわけで、“死に近づいた者にしかわからない”というのはその程度のこと。
森博嗣の主張は、必ずしも同意できるものばかりではないけれど(極論が多いし)、自分の思考のくせを一回リセットできるというのは結構気持ちがいい。
だから時おり無性に読みたくなるのだな。
投稿元:
レビューを見る
森博嗣氏の小説はいまだ読んだ事がないが、これはエッセイであります。
とても考え方が斬新というか視点が普通じゃないというか。こんな考えもあるのかと思わせてくれて面白かった。
投稿元:
レビューを見る
本編はいつものことながらで申し分ないのですが、解説でここまで笑わせてもらったのは初めてかもしれない。
さすがすぎる。
投稿元:
レビューを見る
クリームシリーズ3作品目。
日常の出来事や人生論、趣味の紹介など100個集めた「森博嗣の世界観」を味わえるシリーズ。
特に20項目の「人に嫌われる覚悟が、人生の活路になることがある。」で、成功の代償として嫌われるのは必然であり、自分に嫌われないことが大切だという主張にとても納得させられました。
毎年発刊されているシリーズものらしく、自分自身も似たような考え(理系独特の考え方?)をもっているからか、共感できるお話や学びがとても多かったです。3作目から読んでしまいましたが、全作読んでみたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
森博嗣のエッセイ集『つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3』を読みました。
森博嗣の作品は先月に読んだ『つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2』以来ですね。
-----story-------------
超ベスト&ロングセラ!
『すべてがFになる』原作者
森博嗣は、こんなふうにできている。
自分は基本的に一人である/トイレ掃除から僕が学んだこと/リンスをシャンプーだと思って一週間使った/人生なんてものは、思いどおりにしかならないのだ ほか。
実は、僕の研究室にいた秘書さんが、カトリーヌという渾名だった――。
小耳に挟んだ日々の小事から死生観、自己紹介まで、全一〇〇個の笑えて、考えさせられて、納得する森イズム。
役に立つか立たないかは読む人しだい、でも読めば確実になにかが変わる。
『すべてがFになる』などの超ロング&ベストセラ連発、絶大な人気を誇る森博嗣の等身大。
-----------------------
2014年(平成26年)に刊行された文庫書下ろし作品……森博嗣が思いついたことを思いついた順に綴った100篇のエッセイを収録したクリームシリーズ第3作です。
■まえがき
■1 「欲しいものはない」より「欲しくないものはない」の方が上。
■2 なんらかのトラブルがあったと見て調べている?
■3 「今のままで良いのだ」というのは、格好悪くない。
■4 「号泣」を使いすぎるこの頃。
■5 「今のままで良いのか」といつまでも意識したい。
■6 トイレ掃除から僕が学んだこと。
■7 値段が高いときに買っても、お得感はある。
■8 完成の瞬間だけが目標ではない。
■9 行列に並ぶというのは、恥ずかしい貧しさだと感じる。
■10 自分は基本的に一人である。
■11 「よす」という動詞は、命令形以外は聞かなくなった。
■12 禁煙したと周囲が気づくのは、禁煙が終わった頃。
■13 選挙というものは、民主主義の基本となるシステムだ。
■14 ただいま森家は電話がつながりにくくなっております。
■15 才能の差のせいにした方が、人に優しい。
■16 他者に対する欲がない。欲はいつも自分に向かっている。
■17 森博嗣はこういうのが好きなんだ、とよく言われるもの。
■18 夏目漱石はラノベか。
■19 正式文書では西暦にしてもらいたい。
■20 人に嫌われる覚悟が、人生の活路になることがある。
■21 国会中継するなら、野次をやめてほしい。
■22 難度の高い問題を考えることは簡単である。
■23 みんなが褒めてくれたのは、僕の足跡です。
■24 本を読んでも、自分を知ることはできない。
■25 たまに整頓をすると、捨てたもんじゃない、と思う。
■26 「難しい」にもいろいろな意味があるようだ。
■27 「ノリ」というのは、調子に乗ること。
■28 人生なんてものは、思いどおりにしかならないのだ。
■29 天才は突飛な人格だ、という幻想がある。
■30 子離れ、親離れが難しい現代。
■31 矛盾した思考は、むしろ大切である。
■32 TVの一番の欠点は、時間枠に囚われていること。
■33 家族とか夫婦とかに期待をするのは甘え。
■34 一人で遊べる人は寂しいとは感じない。
■35 ダムとか橋とかは、建築ではない。
:
:
:
:
■解説 土屋賢二
独特な視点やユーモアが楽しめる一方で、著者の人生観や哲学にも触れられるエッセイ……自分の考え方や行動について振り返るきっかけにもなりましたね、、、
そんな中で特に印象に残ったのは、
そうそうその通りと思った『19 正式文書では西暦にしてもらいたい。』、『44 捺印って、遅れていないか?』、
子離れや愛情の在り方等について考えさせられた『30 子離れ、親離れが難しい現代。』、『33 家族とか夫婦とかに期待をするのは甘え。』、『37 嫉妬という感情が、どうも僕にはないようだ。』、
死生観に共感する部分のあった『41 「死」を無理に悲しもうとしている人が多い。』、
生きている時間は限られているんだよなー と、自分が無為に過ごしている時間が惜しくなった『62 時間は無料だ、という認識が一般的である。』、
かな……自己紹介についての『51 では、自己紹介をためしに書いてみよう。』、『52 もう少し、自己紹介を続けて書いてみよう。』も面白かったけれど、巻末の著者紹介欄にちゃんと使われていて笑ってしまいましたね。
クリームシリーズの他の作品も機会があったら読んでみたいな。
投稿元:
レビューを見る
ズバッとモノを言うので気持ちがいい。森博嗣先生の本は売れるべくして売れたのだなとこの本を読んで思った。やはり考え方が面白い。