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http://blog.goo.ne.jp/jishukan2006/e/2f8e70bf5fca5da52fc845a0616f66ef
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「簡単に幸せになるには?」その答えは、非常に簡単です。インターネット・ゲームをやればいい。ネットゲームの利点は数えたらキリがない。
まずその利便性。スマホ一つで、すぐに遊ぶことができる。
無料で遊べるものも多数あるし、操作性も簡単。少なくとも学校の勉強より難しくない。
ネットゲームを通して、世界中の人と同じ空間で遊ぶことができる。
そして、多くのゲームには、明確なミッションがあり、目的と役割を与えてくれる。
それらは、悪人から世界を救うものもあれば、宇宙平和を実現するもの、はたまた特定の悪人を倒すものまで、バラエティー豊か、楽しくないはずはない。
現実世界では、決して味わえない興奮や幸福感を味わうことができる。
ネットゲームは、テレビゲーム創世以来、数十年に渡る企業努力と技術の蓄積、
そして、ゲームクリエーターの天才的なアイデアで、
遊ぶものの脳が気持ち良いと感じる刺激や報酬を得られるように進化してきた。
言い換えれば今のネットゲームは、私たちが、何の努力もせずに、
一生かかっても得ることのできない幸福感をボタン一つで得ることのできる魔法だ。
ただし、1つだけ難点がある。それはネットゲームが私たちの脳に及ぼす影響だ。
麻薬や覚せい剤のそれと酷似していることが、この数年の研究でわかったきたことだ。
麻薬中毒者の脳に起きていることが、ネットゲームのユーザーの脳にも、同じことが起きている。
まさか!嘘だろと思いたいが、そのまさかが、今、確実に起こっている。
もちろん、国も企業も、この事実は喧伝したがらない。
ゲーム産業だけで、数兆円の産業だからだ。
ネットゲームは脳の神経ネットワークそのものの器質変化を引きおこす。
もっとわかりやすくいうと、脳が壊れてしまうということだ。
それは、人間が生活する上で、必要な共感性や痛みを感じる能力、
危険を察知する能力、感情の調整を行う能力、正しい選択をする能力が低下すること意味する。
残念なことに、それらの能力は一度下がってしまうと、
麻薬中毒者と同じように、再び回復すること絶望的に困難だということだ。
一生他人の気持ちに無関心で、冷笑になる。
これは、まともな社会生活を送れないことを意味する。
常にうつ状態に陥り、情緒が不安定、危険なことも鈍感になり、注意力が極端に低下する。
もちろん、麻薬依存症の患者の多くが、統合失調症(以前は、精神分裂病といった)を併発するように、
ネットゲーム依存患者も統合失調症を患う比率は非常に高いと判明している。
やはり、無料には理由があって、簡単に幸せになる魔法の道具はなかった。
2014年の厚生労働省の調査によると、日本には421万人のネット依存と疑われる人がいる。
その中で、どれぐらいの人がネットゲーム依存かわからない。
そして、どれらぐいの人が、重度の依存に陥り、麻薬依存者と同様の症状が出ているかもわからない。おそらく、これからも、突っ込ん��調査はしないだろう
日本のネット依存に対する取り組みは、あまりに後進的である。
お隣の中国は18歳以下は、1日30分以上ネットゲームを行いない仕組みをとっている。
では、日本は?野放しの状態だ。好きなだけゲームをできる。
若い子にとっては、最高の環境だが、ネットゲーム依存になったら、もちろん自己責任。
日本は専門的外来も数えるほどしかないから、
「自分の状態が、どうなっているのかもわからないまま」苦しむことになる。
もちろん、脳機能が極端に落ちているから、まともな人生を歩むことはできない。
全ては、ゲームをやったことだけど、これって、果たして、自己責任なんだろうか?
中高生のネット依存は50万人以上いる。
アンケート調査によると、
中高生のスマホ利用時間は、
平日 2時間以上が68.4% 3時間以上が41.6% 6時間以上が8.0%に上り、
休日に至っては、2時間以上が85.2% 3時間以上が64.8% 6時間以上が18.9%に上っている。アンケートを実施する度に、スマホの利用時間が伸びている。
1日 3時間を1年使用した場合1095時間 生活時間(16時間)で割ると、
68日になる。つまり、1日3時間利用しただけで、
1年の中で、68日、2ヶ月以上に渡ってスマホを利用していることになる。
10年続けたら約2年間、スマホを使用していることになる。
中高生は、その膨大な時間スマホで何をしているか?
1位 SNS 58.9% 2位 動画視聴 16.8% 3位 オンラインゲーム15.2%
となっている。1日3時間スマホを使用している40%の中高生は、
1日30分オンラインゲームを使用している計算になる。
より突っ込んだアンケートを行えば、どれぐらいの割合の中高生がヘビーユーザーだとわかるし、
その子たちに向けて、依存症になる前の処置を講じることが可能だが、現状では野放しになっている。
この代償は、あまりに大きくなるだろう。
あまり知られていないが、日本の精神疾患の最大の病気はうつ病である。
うつ病患者は500万にいると言われている。
その中で、アルコール依存、ギャンブル依存の者も何割かいる。
つまり、アルコールとギャンブル(ぶっちゃけいうと、パチンコ)がうつ病を作り出している現実がある。
アルコール産業に、パチンコ産業、そのどれも市場規模が莫大にデカいが、
それと同様に、桁違いのうつ病患者を作り出している。
もちろん、いずれは、ネットゲームも仲間入りをする。
冒頭の「簡単に幸せになるには?」ネットゲームをやればいいが、
ネットゲームは、あまりに面白くデザインされているので、
もし「はまってしまい」依存的症状が現れたら、その時点でアウトとなる。
以後、幸せを感じることはなくなり、一生苦しむことになる。自分なら、正直怖くてできない。
もちろん、ネットゲームの使用が、即、人生の崩壊に結びつくことはない。
ただ、国も企業もネットゲームの有害性対して、あまりに無知である。
そして、今もかなりの中高生や成人が、ネットゲーム依存で苦しているのか、
想像もしていない。実態把握をしない構造が、政府、産業、メディアで、スクラム化している。
そもそも知ろうとしていないかもしれない。
インターネットゲーム産業は、アルコール、ギャンブル産業と同じで市場規模が大きいから、経済優先の日本では、仕方がないんだろう。
でも、このままで良いんだろうか?
あまり知られていないが、アルコール依存も、ギャンブル依存も、立派な精神疾患に分類されている。
患っている人も熟知しているように、完治することは決してない。
1日、1日をやらないようにすることだけが、対処療法としてある。
麻薬中毒者と同様に一生付き合っていくしかない。
そのため、途中であまりの辛さに自殺する人が多いことも、
喧伝されて良いと思う。
ネットゲーム依存は、まだ、精神疾患にカウントされていないが、
近いうちに、精神疾患として認知されるだろう。
その動きとして世界保健機関(WHO)がネットゲームへの過度な依存を病気と指定することにしている。
もちろん米国や日本のゲーム機メーカーやソフト会社で作る業界団体「エンターテインメント・ソフトウェア協会」(ESA)が「ビデオゲームに中毒作用はないと客観的に証明されている」として反対する声明を出した。ESAには、任天堂やバンダイナムコエンターテインメント、スクウェア・エニックスといった日本の大手ゲーム関連企業も加盟している団体だ。
タバコが人体に悪影響を与えると認識されて、抜本的な規制が行われるようになるまで、
80年を要した。「タバコを吸うと、肺がんリスクが数倍になります」と一文を加えるだけで、
また、タバコ税を課すだけで、それぐらいの時間を要した。その間、タバコと人体の有害性は、客観的に証明されていないと、
タバコ産業は全力で否定していた。ネットゲームは、いつになったら、そうなるのか?もしくは、ずっとならないのか?
既に、ネットゲーム依存患者の身体に起こる症状が、麻薬のそれと酷似している科学的に証明されているのにも、
関わらずにだ。「ネットゲームをやると、脳が壊れるリスクは数倍になります」という一文が、社会的に認知されるまで、
どれぐらいの時間がかかるだろう。もちろん、それまでは、全て自己責任。
タバコと違うのは、脳が壊れて、まともな、生活が送れないことだろう。
アルコール依存は100万人以上、ギャンブル依存は400万人以上、
そして、ネット依存も400万を超えている。
アルコール、ギャンブル、ネット、どれも、私たちに手軽に幸福を与えてくれるものだが、
人工的に作られた幸福は、見ない、やらない、食べない、飲まない、遊ばないほうが良いかもしれない。
しかし、今の世の中、簡単に幸福感を得られるもので溢れている。
それに、どっぷりはまった場合、代償はあまりに大きいかもしれない。
まるで、ずっと日本国内で内戦が起こっているような状況だ。
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インターネット依存やインターネットゲーム依存を「デジタル・ヘロイン」とか「合成麻薬」だ、など煽りまくる文章が満載です。
先日、世界保健機関WHOが「国際疾病分類第11版(ICD-11)」で、ゲームに夢中になって止められない状態を疾病として認定することを発表していますが、それは今までのICD-10では分類先がなく、『その他』としていただけのことで、症状としては以前より認識されていたものかと思います。
ゲーム依存な人は昔からいましたね。なにか新しい悪者が出てきたが如く、無闇に読者を煽るような文章は、残念ながら理解できませんでした。
「ゲームは1日1時間。外で遊ぼう元気良く。僕らの仕事はもちろん勉強。成績上がればゲームも楽しい。僕らは未来の社会人」
これは、かのゲーム名人が残した言葉です。なにごとも行き過ぎは毒になり得ます。気をつけたいものですね。
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現実の行動というものは、容易に報酬が与えられるわけではない。仕事や勉強、スポーツなどによって得られる報酬は、努力に比例するとは限らない。頑張っても、逆に本人のプライドを傷つけ、落胆させるような場合もある。
あらゆる依存症は、大した努力もなしに、報酬を味わえるという性質をもっている。その報酬は、目先の報酬に過ぎず、長い目で見れば、損失になるのだが、短期的には、大した労力もなく歓びや興奮、開放感や快感をもたらす。アルコールや覚醒剤にしろ、パチンコやゲームにしろ、それを摂取するだけで、あるいはプレイするだけで、いとも簡単に興奮や歓喜を味わえる。そこに、依存症という病気の付け入るスキがある。(p.42)
危険な依存の段階になると、以前は関心や意欲を注いでいたことにも興味ややる気を失い、ゲームやスマホに時間を費やすことが優先されるようになる。かつては大切にしていたこともおろそかになる。
依存の対象が何であれ、依存症の状態に陥ると、それまで、とてもきちんとしていたような人も、だらしなくなる。その人をその人たらしめていた価値観が徐々に崩れ出すのだ。時間が経つうちに、見る影もない状態になる。それは報酬系が変容し、何に価値を置くかという部分がすっかり変わってしまうからだ。(p.95)
彼は仕事から帰ると一旦寝て、深夜に起きると朝までゲームをするという生活を続けた。子どもが生まれても、子どもの世話もせずにゲームをしている自分を、どうすることもできなかった。ときには片手で子どもにミルクを与えながら、空いた方の手でゲームをする時もあった。一年間に1400時間も、一つのゲームに費やしてしまうほどだった。もう一つ余分に夜勤の仕事をしているようなものだった。
妻に話しかけることもなくなり、妻が何をしているかにもまったく関心がなくなった。妻と出かけたいとも思わなくなった。彼の頭の中はゲームをしていないときもゲームの中のキャラクターをどうやったらもっと強くできるかということや、ゲームの作戦を考えることでいっぱいで、他のことには上の空だった。(p.137)
インターネット・ゲーム依存を抑止する特性として、勤勉性が挙げられる。勤勉性の高い人では、自己コントロールが高く、他の依存症にも陥りにくい。小さな頃から勤勉性を養うことは、依存に対する抵抗力をつけることになるだろう。勤勉性とは、少ない報酬で努力する能力だと言える。幼い頃からゲームのような強い報酬を与えてしまうと、勤勉性の獲得が難しくなる。(p.149)
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賛否両論あるテーマだと思うが、少なくともスマホ、インターネット、ゲームにはギャンブル、買い物と同様に行動の依存性があることは事実だと思う。依存して人生の時間をゲームに費やすのも、依存性を認識して適度に付き合うかも本人の決断次第かと思う。耽溺状態となり病的なレベルで依存してしまった人には専門の治療も必要だろう。少なくとも自分や家族には、このような依存症にはなりたくないし、なってほしくない。本書はそのような捉え方をすれば十分価値ある提言をしてくれたと思う。
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母がスマホ、アニメ依存で家庭が崩壊しつつあるのでこの本を読んだ。
しかし分かったことは、家族全員が依存症だったことだ。
まずは自分の依存を治さなければいけない。
YouTubeがないと寝られない体質になってしまった私。無音が怖かったのだ。
さらにYouTube依存を加速させる思考として、月々のモバイル通信を使い切らないともったいないと考えていたのだ。
これからYouTubeなし生活を始める。
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脳の画像診断が飛躍的に進んだせいか、こういう本を精神科医が書くとき、ファクト元として脳をひっぱってくるのが多いなあ。それはともかく。
行動でも覚醒剤などの薬と同じように依存性になる、と。確かにギャンブルや買い物なんかもそうだし、それは納得。
そして国内外の実例など、怖いエピソードが続き‥ちょっと食傷気味かつ個別ケースとその因果関係が本当にそうなのかあんまりよく分からんぞ、とは思うが。ただ、新しいものは何か影響がありそうだ、となっても、実際にわかるまで時間かかるので、君子危うきに近寄らずじゃないけど、慎重に取り入れていく必要はあるなと思う。結論としては予防が第一、と。なっちゃったら完全に治んないし、治療は予防よりはるかに大変、とのことで、予防法(子どもとのルール作り、時間制限、フィルタリングなどの機器設定、など)が具体的に書かれていてよかった。古本屋で100円だったわりに、良かった(蛇足)
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ゲームは瞬発的に強い興奮や快感をもたらし、繰り返すうちに報酬系を崩壊させてしまったり、二次性発達障害を引き起こすという恐ろしい話。画面内のキャラを操作できるという没入感がこれほど人の感情に強い影響を与えるのか、ゲームはやっぱり唯一無二の強い力があるなぁ…ゲームを作る側としてはと都合の良いようにひっくり返してしまいそうだったけど、読んでいくうちに「ああぁこれはヤバイ」となった。ゲーム依存症者の扁桃体、海馬、前帯状皮質の萎縮症状は戦争帰りで硬直した兵士と同じレベルだったり、麻薬とギャンブル依存症と依存する経緯が大差なかったり(何なら制限されていない分ゲームの方が…)、これいいの?と焦る。オンラインゲーム大国の韓国と中国が自国民にゲームを制限してから、ゲーム会社がまだ規制していない日本に輸出しようとしているのを「逆阿片」とうまいこと書いたのも笑えないね。
ふとゲーム開発系本で「大事なのは持続的にテンポ良くプレイヤーに報酬を与えること」と書いてあったのを思い出した(こわ)。
第6章で「魅力的な新しいテクノロジーは危険を伴うものだという前提で対策するべき」と、結構大事そうなことをサラッと書いている。これは今回のテーマの「インターネット・ゲーム」だけを指摘しているのではなく、依存症専門家として「新しいからって楽観的なのやめなよ」ともっと広い意味で訴えている。筆者の言う通り1つの依存症が認められるまで20年以上かかる中で、新しいテクノロジーが登場するたびに随伴する依存症を1から検証していくのでは到底追い付かない。ゲーム依存症者が殺人を起こしてから調査するとすでに何千万人の依存症者がいたように、「悪い理由が解明されてから言わないとやめないよ、根拠は?」精神は超危険。ギャンブル運営会社が、ギャンブル依存症者防止策とか発症者カウンセリングを徹底的にする姿勢を見せないと国から運営を認められないように、「ゲーム=人を楽しませる=良いこと」とだけ考えるのはやめて、ゲーム会社ももう少し世間から厳しく監視されるべきなのではと思う。これからどんどん新しくて面白いものが発明されていくんだろうけど、それはスマホ、オンラインゲームよりも強力と思うと、確かに楽観的じゃいられない…。
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結構昔に読んだ本なので内容がどうだったのか細かく覚えていないのですが、依存症ビジネスの本は基本的なパターンは同じですよね。
脳のドーパミンが出て、それを求めて依存症になる。
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インターネット依存症は現代の“感染症“と言っても
いい位になっている.
この本では、依存症の症状、依存の理由、予防や
克服の仕方まである.
ぜひ見てほしい
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そうかー、2014だから8年前だ。コロナの前だ。この後処方箋は変わっているのかなあ。家族第一主義みたいのがなんかしんどい。家族以外で何とかしたいとしたら、どうしたらいいんだろう。
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精神科医で実際にさまざまな患者の治療にもあたっている著者による、インターネット・ゲーム依存の危険性を説いた書。
日本人によってこのトピックについて書かれた本は少ない。この本では日本に関連する色々な情報を得られて参考になった。諸外国に比べ、政府によるスクリーンタイムの規制が少ないのはどうにかした方がいいような。この本は8年前の本だけど、状況は変わってなくて残念。
自分がインターネット依存ではないかと不安になっている人は、まずこの新書を読んでみるといいのではないか。もしくはお子さまがインターネット・ゲーム依存ではないかと思う親御さんにも。このトピック関連の本で、実際の治療に基づいた知見から対策、治療、克服までの道筋を示してくれる本は貴重だと思う。
私はインターネット依存ではないかと思ってしまうほど一日中スマホを眺めてしまうこともあるし、もし子どもを教育する立場になったら、しっかりとデジタルデバイスとの距離を管理せねばならないと考えている。
なので、この本はしっかりメモして折りに触れて読み返したい。
星-1は、やや強引と思われる議論がいくつかあったため。より緻密な論証がほしかった部分がある。まあ新書だから仕方ないか。
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ネットやスマホ、ゲームが頭で考えることに悪影響なのはその通りだと思うし、制限をしながら子供に使わせるのが理想的なのもその通りと思う。しかし、現実的に歯止めを効かせるのは難しく、もっとメーカー側でも効果的な制限ができるような機能づくりをすべきと思う。