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2014年で一番不可解な事件でした。鳴り物入りの発表を、コロンブスの卵を絵に描いたような大発見、やってみたら出来てしまたんだろうなあと受け止めましたが、その後すぐにネット上で様々な疑惑が次々と浮上、指摘された事柄のあまりの杜撰さに唖然としました。何度か行われた記者会見は、更に混迷を深めるもので、論文の取り下げ、笹井さんの自殺、検証実験の失敗と事態は推移していきましたが、釈然としないものが残りました。この一連の動きの経緯を取材してきた著者が、不正の再発防止の願いを込めてまとめています。本書発刊後に理研の最終報告がありました。
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STAP細胞の最初から2014年秋頃までの記事。
中心となった小保方さん、笹井さん、若山さん、CDBの事などが細かに書かれている。
毎日新聞科学環境部の著者が、渦中の人物やSTAP細胞事件における他の科学者の見解や意見のインタビューしたこと、メールのやり取り。
時系列に沿っているため追いやすい。
世間で騒がれているレベルで知っていたが詳細を知ると驚きが多かった。
そして、研究者として生きていくことの恐怖も少し感じた。
もちろん丁寧に実験を進め、正しいデータを提示すること、発表までの段階で研究についてなるべく多くのdiscussionをすることは当たり前だが、、、
読んでいく中でSTAP細胞の不正が解明されていく中で若山教授の態度は一番、真摯だったように感じる。
それでも撤回された論文に名前が載っていたことに変わりはない。
一度やってしまったことは元には戻せない。
ちょうど研究計画書を書きながらこの本を読んでいた。
自分のしていることを、これからすることをちゃんと見つめ直しながら研究を進めたい。
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テレビや新聞で騒ぎすぎた終わった祭りのような感があるが、科学者の姿勢や在り方に一石を投じた一冊。論文内容や疑義の詳細、論文撤回までの詳細な流れなど、丁寧に描かれていて分からないながらも図の掲載などもあって、かなりわかりやすく感じた。
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小保方さんは研究とか実験に対して非常に不真面目な人だったのだと思う.論文はすべてコピペで仕上げるような.小保方さんを擁護する向きもあるがそれは間違いだ.彼女が笹井さんを殺しCDBを解体したのだ.
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STAP細胞のアノ騒ぎってなんだったんだ?と思うところにこの本。色々な問題が重なってあんなにも大事になったんだなぁ。コピペ捏造はもちろん悪いが、問題が起こってからの理研の対応の悪さも目立つ。科学論文というものは分業というところから知らなくて、科学分野に関して、へぇーと思うこともしばしば。
小保方さんは本当に科学者としての、常識を身につけないまま来ちゃったんだなぁと。卒業論文からしてコピペだったり、画像無断使用だったり、そんな状態で博士論文を与えたとなると早稲田大学の信用も落ちるよな。
そんな中名だたる科学者が信用して来たから、その歪みがあんな形で出てしまったのだと思う。
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事実を淡々と並べているだけだが、疾走感があって面白かった。
小保方氏という人の本当の人物像というのがやはり気になる。嘘に嘘を重ねて科学的な業績を作り上げたとしても、逃げ果せられる種類の”詐欺”ではないわけで、他の研究者によって再現されなければ忘れ去られる。確かに一時的には時代の寵児としてちやほやされたのだが、そこが犯行の動機だとはおもえない。
読了後もモヤモヤ感が拭えないのはなぜか?科学者の批判精神ってそんなにやわなのだろうか?基本的な科学者としての研究アプローチを積んでいない人が国際的に見ても第一級の研究機関でチーフを務めるなんてことがこのシステマティックな世の中であるんだろうか?こういった捏造・替え玉が頻発する背景にはもう少し何か(陰謀論的なものではなく社会科学的な背景や心理学的な問題が)あるのではないかと思ってしまう。
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読後まずは「科学者の世界ってそうなのか!」という驚きが大きかったですね。
私たちが通常考えている一般的な、あるいは常識的な「組織」というものには当てはまらない組織なのだなぁということがつくづく判ったように思います。
「そこはそういう審査をしているだろう」「ここは根拠があるのだろう」と当然のように一般の人が考えていることは、科学者の世界では「上司ではないから」とか「一科学者として尊重しているから踏み込まない(私たちの考える常識がその世界では、ない)」などという言わば「思い込み」でスルーされてきてしまうのだな、と恐ろしく感じました。
世界の有名科学雑誌に掲載される場合の素読者の話も興味深かった。
小保方さんの野心と、理研の金銭的な思惑や名誉などとが同調して増殖してこんなとんでもないことを生み出してしまったのだろうか、と思いましたね。
難しい科学の世界のことを、何も知らない一般人が読んでもわかるように、かなり丁寧に書かれていると思います。ただ何だろう、文体なのか、時々時系列が前後するせいなのか、文章は読みにくかった。
記者さんは文章のプロではありますが、本にするとなると文体がちょっとどうなのか、というのは思いました。私だけの意見かもしれませんが。
皮肉なことに、これを読むと山中先生のiPS細胞のすごさが一段と判る気がします。
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世を騒がせたSTAP細胞事件の真相に少しでも近づきたくて読んだ。
もちろん、真相はわからない。
しかしわかるのは、小保方氏のずさんさが事件の大きな要因であるということだ。世のとくに男性は、そこをきちんと知らなければいけない。
ただし本書には、「不正行為が、すでに確定された小保方氏による二件にとどまる可能性はよもやないだろう。」という記述もある。
新たに真相に少しでも近づける日は来るのであろうか。
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昨年のSTAP細胞に関わる一連の騒動は、報道内容を追うだけでは何となく訳が分からないうちに幕引きされた印象がありました。事態の真相を知ろうと関連本を探していたところ、毎日新聞科学部記者が執筆、大宅壮一ノンフィクション賞受賞という本書ならと思い読んでみました。期待を裏切らない内容でした。個人的な取材でやり取りしたメール、記者会見の内容などが時系列でまとめられており、華々しい記者会見から事態が一転して疑惑が次々と出てくる状況の下、それぞれの当事者がどう発言し、主張したかが非常によく整理されています。最初から誰がシロ、誰がクロと決め付けるのではなく、事態の進行に従って著者が感じた疑問を素直に取材対象に質問し、咀嚼しつつ取材を進めるプロセスには好感が持てます。またこういうニュースを理解する時に必要となる専門分野の基礎となる知識も解説されており、これ一冊でSTAP細胞に関わる事態の全体像がつかめます。どういう状況で研究不正が発生しやすいのか、真面目に研究に取り組んでいる研究者はどういう印象を受けたのか等について貴重な提言やコメントもあり、研究職を目指す高校生や大学生には是非読んでもらいたい気がします。
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STAP問題とはなんだったのか?
須田記者とチームの丁寧な取材記録。
関係者の証言やメールのやり取りで当時の状況が時系列に整理されるが、全容解明と言えないのは、やはりキーパーソンの証言が足りないから。
笹井氏には生きていてほしかった。
そして、いつかは小保方氏本人から「なぜ問題が起こったのか」の説明を聞きたいと心から思う。
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結局のところ「捏造」だったのか?
つまり稀代の詐欺師だったのか? そして、偉大な科学者たちが名誉欲に駆られた結果騙されてしまった、ということなのか? そのことについては、最も重要なプレーヤーである笹井氏が亡くなった今、明らかになることはないのだろうか? この本ではついに明らかにならなかった。最も知りたい、核心だった。残念。
あるいは「動機」などなく、ただ小保方氏はただ未熟だっただけなのか? 未熟な科学者の間違いに、すでにそれなりの評価を得ていた科学者が気づかなかった、それだけのことなのか?
詐欺師だったのか、単に未熟なだけだったのか、小保方氏はまだ何も語っていないし、ジャーナリズムもまたそこには迫っていない。これで幕引きなんだろうか?
なんだか、不完全燃焼な一冊となったしまった。
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学術用語が難しいが、おぼろげながら何が起きていたのかは掴める。
世紀の詐欺ショーの再現はスリリング。
原因とされる研究所の資金稼ぎの為の名誉確保、私のような一般人のような人間を含む部外者としての政府の評価を好転すべくというのには、いまいち説得力はない。
土壌が腐敗しているから花が咲かないのはわかる。
が、腐った種もまた芽吹かず花も咲かないのだと思う。
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毎日新聞の科学記者が、平成26年秋までのSTAP細胞事件に関する情報についてまとめた本。著者は新聞記者なので、STAP細胞に関わる関係者との取材やメールのやりとりが頻繁に登場するので、各関係者がどのようにSTAP細胞に関わっていたのか、どのように疑念を抱くようになったのか、または存在を信じていたのかなど、ニュースでは知りえなかったようなことを教えてくれる点が興味深い。また、文系で理科の成績は特に悪かった科学オンチの私が読んでも、詳細はよくわからないにせよ、何となくこんなようなことを言っているということをイメージできるような、STAP細胞現象等についての科学的説明も上手であると感じた。残念ながら、キーマンである小保方氏がほぼ取材を受け付けない状態のため、この本を読んでも誰が、何のためにこのようなことを起こしたのか、どこまでが真実でどこまでが捏造なのかといった真相はまったくわからない。しかし、STAP細胞事件を知るうえにおいて、とても興味深い本ではある。
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発行されて直ぐに浦安図書館にリクエストしたら今頃手元にきました。かなり前の出来事かと思いきや1年しか経ってない
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タイトルを見た時、ああこれって「事件」なんだな~と思い、で、解決したの?と疑問が浮かんだので、読んでみた。
毎日新聞の科学担当記者が世紀の大発見(大誤報?)とされたSTAP細胞について、そして研究者について丹念に取材した記録を一冊にまとめた本です。
あの衝撃的な記者会見から始まったSTAP細胞。
どうしてこうなった?という流れを素人でもわかるように、当時の研究スタッフや疑問を持っていた専門家の意見を載せ、更にSTAP細胞についての説明なども丁寧
に書いているので、読めば事件について何となくわかると思います。(専門的な話は難しいのでさら~っと読みましたが)
「何となく」なのは、唯一真実を知っている張本人の方の言葉が一切ないこと。
結局、謎は謎のまま終わってしまうわけで、これで幕を閉じて良いのか、わからないまま本を閉じました。