紙の本
水素カーに重きを置くトヨタへの警告
2016/12/28 00:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本での電気自動車の黎明期から熱心なサポーターとして活動している著者が米国で事業展開する自動車会社にとって次世代エコカー、ひいては企業存続のための車種選択について、水素カーに重点を置くトヨタへの警告がメインテーマ。水素ステーションの設置にとんでもなくお金がかかるのと水素を作ること自体がエコじゃないのはその通りだね。次の規制からハイブリッドが認められなくなるカリフォルニアのZEV法の勉強にはなりますね。
他方、VWの技術万歳だの欧州人は環境意識が高いだの欧州コンプレックスが丸出しの主張はおもわず苦笑いせざるをえない。ダウンサイジングエンジンだのディーゼルエンジンは是々非々だし、環境規制はお手盛りだしね。特にPHEVのCO2算定方式はひどい。
ということで環境規制のお勉強にはなるのと水素カーは良いことだらけではない点(少し考えれば誰でも分かるのだがね)を学ぶのには良い本。
投稿元:
レビューを見る
ハイブリッドカー、そして燃料電池車で進むトヨタ、一方電気自動車を推進する巨大競合。果てしてどちらに未来が?
投稿元:
レビューを見る
業績好調なトヨタの戦略に対して、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考員をただ一人第一回から務める著者が疑問を呈した一冊。
先頃トヨタは燃料電池車としては世界初の市販車であるMIRAIを販売した。
これからのエコカーとして燃料電池車を中核にしようとするトヨタの戦略が、"危機"だとするのが著者の主張。
燃料電池車は水素と水の反応を利用した発電によりモーターを駆動するものだが、水素を製造する過程で多くの二酸化炭素を発生するという。
さらに水素を貯蔵・供給するための水素ステーションの建造にも莫大な費用が発生する。
インフラが整っていない状況で、燃料電池車の普及は時間がかかり、リスクも高い。
ヨーロッパでは、ガソリンエンジンの燃費を向上させるとともに、既存インフラを利用できるEV・ PHEVを主軸に据えようとする動きがある。
トヨタでもその用意がないわけではないが、欧州メーカーと比べると遅れをとっている。
燃料電池車は、エネルギー網を含めた社会インフラの一つであり、そのインフラ整備をいかに進められるかに成否がかかっている。
果たしてトヨタの戦略は吉とでるか凶とでるか、その答えは20〜30年後というところか。
投稿元:
レビューを見る
燃料電池車がガラパゴスになる可能性が高いことがわかります。やはり水素ステーションを世界中に普及するのはハードルが高い。
投稿元:
レビューを見る
2015年の16冊目です。
Toyotaが、燃料電池車へ突き進んでいることへの警鐘です。明らかにハイブリッド車でこれからのZEB規制や欧州CO2規制には太刀打ちできません。トヨタには電気自動車がありません。急速なインフラ整備を進めて、水素社会を引き寄せようとする戦略に見える。
本当に、それでいいのか?
トヨタは、EVを開発しないのか?多くの関係者はそう思っている。
欧州メーカーは、着実にプロセスを経て開発を進めている。
国内中規模メーカーに至ってはそのレベルにさえ達してない。EVを持たない日本の中堅メーカーだっていくつもある。
2017年のカリフォルニアのZEV規制をどうやってクリアーするのか?ハードルは高そうだが、戦略は練られているはず。ホントにこれは危険な賭けなのか?
凝視するべきことだと思う。
投稿元:
レビューを見る
他社が電気自動車に舵を切っているなか、トヨタだけが燃料電池車にこだわり続けている。インフラも整わないし、水素を作るのに二酸化炭素を放出するので、まだまだ技術として時期尚早。燃料電池車の前に電気自動車を開発する必要があるのでは?という論が展開されている。