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冒頭───
雨粒が窓を叩く。外は冬の嵐だ。雲は重く垂れ込め、ビルの谷間で風が唸る。
雨粒はリズミカルに窓を叩く。まるで気短なノックのように、数知れない小さな拳が、古びた木枠のなかで傾いだガラスを叩く。
パテが痩せてガラスの傾いだ窓の内側には、幼い女の子が頬杖をついていた。額と鼻の頭が、ほとんどガラスにくっつきそうだった。隙間風に、女の子の不揃いな前髪がときおりふわりと舞い上がる。
──────
苫小牧で左足の親指が切り取られた被害者が発見された。
秋田で発見された被害者の遺体は右足の薬指が切り取られていた。
三島市で発見された遺体は、被害者の中指が切断されていた。
四件目の被害者は、右足の膝から下が切断されていた。
そして、五件目の被害者は───。
サイコキラーによる連続殺人事件の発生。
犯人は誰なのか?
さらには、廃ビルの屋上に取り付けられたままのガーゴイル像。
その像は、ときどき位置や顔の向きが変わっていると言う。
意志を持って動くかのような恐ろしい姿の謎の像の正体は───。
サイバーパトロール会社『クマー』でバイトをしている大学生の三島孝太郎は、事件を解決しようと行動を起こすが……。
さまざまな謎を残しながら、事件は急転し、下巻へ。
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宮部さんは悲劇の描き方が上手いと常々思っている。ありふれた日常が突如崩れて、一転悲劇へとなだれ込む緩急がとても自然で、誰にでも起こり得ることだと改めて思い知らされる。その悲劇に立ち向かう姿も宮部さんは丁寧に描いてくれるので、それがこの世界観でどのように表現されるのか楽しみでもある。いずれにしても一筋縄ではいかなそうだし、下巻に大いに期待します。
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初読。図書館。リアルな世界で話がすすんでいくに違いないと思い込んで読んでいく。怪物らしきものが出てきても、いやいや超ハイテクマシン?と思いこむ。本当に怪物だったんだとわかって、ファンタジーな世界なのか、とびっくり。しかもユーリ登場!『英雄の書』とリンクするのか‼前情報なしに読書する醍醐味を存分に味わった。幸せ。。。世界観も哲学もぎちぎちに詰め込んで、これまでの最高スケールになりそうな予感。下巻がほんとに楽しみ。
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宮部本には、ミステリ、ファンタジー、時代ものがあるとは誰かの分類だが、そうだとおもう。
で、私は時代ものとミステリが好きで、これはミステリだと思って読んでたら実はファンタジーだったときのガクッと感ははんぱない。
宮部本を途中で止めれる人って、信じられない!とおもってたのに、下巻に行く前に他の本をインターバルできるほど。
ミステリを読むときってもちろんそればかりでないけど、ストーリーが通るスッキリ感をもとめてるわけで、それが非現実のややこしい世界になった日ときたら。。!!
もちろん宮部作品だから、すっとんだ設定だけど、リアルで納得感があるわけですが、それでもなお。
テーマは深くって、考えさせられることは多いけどそのときの欲求とちがったというか。
あー!!はやく時代ものかミステリだしてくれないかなぁ!シリーズものだとなおよいなぁ。待ち遠しい。。
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殺人事件の犯人と動くガーゴイル、怖いのはどっち?両方とも怖い。孝太郎が踏み込んでしまった物語はどこへ行くのだろう。
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『英雄の書』の続編。連続殺人やサイバー・パトロールが前作とどう繋がるのかと思っていたら、5年立ってずいぶん〝狼〟らしくなったユーリの登場に嬉しくなりました。ユーリちゃんたら頭も良くて美人な高校生になったんですね。アッシュも出てくるし、懐かしくなって『英雄の書』も読み始めました。一方で、孝太郎たちの周囲では状況が緊迫してきます。ガラと取引した孝太郎はどうなるか、連続殺人犯の正体は誰なのか、下巻が楽しみです。
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「英雄の諸」の続編的ミステリーファンタジー。
サイバー・パトロール、連続殺人事件、廃墟の謎の像、連続失踪事件と真正面からのミステリーだと思い、廃墟の像のなぞ解きを一生懸命してしまいました。
後半からは、思いっきりファンタジーと思いきや、主人公の関連者が連続殺人事件の被害者になるというミステリー的にも面白い展開になりました。
ユーリが出てきたから「英雄の書」との同じファンタジーワールドつながりとわかりましたが、ミステリーのなぞ解きよりも犯人への復讐や贖罪ということにテーマが移っていくような感じがしました。
どのようにミステリーとファンタジーを融合させるのか、下巻に期待します。
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3つの事件が絡むミステリーか!すごいな!と思って読み進めていたら突如ファンタジー世界が広がってびっくりした
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幕開けは電気を止められた部屋で母親と死別する幼女。
隣家の女子中学生のイジメに、肢体損傷を伴う連続殺人事件。社長が被害者になり、動く彫像を調査中に先輩は失踪。面白くなってきたぞーってとこで、まさかまさかの異世界人の乱入!
これ、「英雄の書」の続編やったんか⁈
ドン引きしたにも関わらず、強引なまでのページターナーに囚われ中。
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ん、これ何? え、「英雄の書」の続編? 「英雄の書」って何だっけ?って思ってる間に上巻は終わった・・・
調べてみたら「英雄の書」、4年半前に読んでるけど・・・
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「英雄の書」の続きだと最後の方で気がついた・・・
読んでなくても大丈夫だけど、読み返しておけばよかった。
これからガーゴイルがどうなっていくのか・・・
楽しみ
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どんどん読みすすめられる。
コウダシッシュの憧れの山科社長が惨殺されたことで、その謎解きは下巻へ…。
お茶筒ビルのガーゴイルが夜中に動く、更にはその中身がガラで会話(日本語で)しだした辺りから
私の苦手なファンタジー?かと思ってけど、
気力を吸い取られていた(ガラに)元刑事の都築さんが復活してまた面白くなってきそう。
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英雄の書を読んでおいて良かった。領域、輪が何となくでもすんなり頭に入ってくると、読むスピードが落ちないなら、次々と欲するままに進むことができました。動くガーゴイル、消えた森永さんとの関連は?殺された山科社長は戻らないけど、取引してどうするつもりなんだろう。一美と美香には何かまた起こりそうだし。良いところで下巻へ続けますよね、ほんとに(笑)英雄の書の最後に狼にスカウトされたユーリの登場は今回はどこか心強くも感じます。美しく成長したのねぇ。アッシュも健在のようで…二人の活躍もあるのかないのか。とにかく下巻へ。
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最初はずっと推理小説なんだなって思ってたら、なんだか途中から思いっきりファンタジーに。
「英雄の書」も読んだ記憶があるけど、宮部さんのファンタジーにはちょっとついていけないなぁ。
推理小説の部分だけで、十分なのにって思ってしまった。
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大学生の若者が持つ正義感。
茶筒のような形をしたビルの屋上に、背に翼をもつ魔物のような像があり、それが動いているようだ、とおかしな相談話がやってくる。
引退した元警察官と、大学生が、奇妙な出来事にかかわっていくことになる
「英雄の書」とリンクしており、これってファンタジーかな?