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かつて奏でられた音を求める物書きの話。
読後に、文章で読んだ光景が自分の記憶だったように錯覚する、そんな一冊。
音と当時の空気を閉じ込めた一枚のレコードは、耳にした人に影響を与え、文章として記述され、読み手は音を求める。
なんて穏やかで、心地良いループだろう。
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ぐわしと一気に世界に引き込まれる感はなんなんだろうなぁと毎回思う。強引なところは全くなく。
途中ちょっと中だるみ感があったけど,終盤の展開にはやはり脱帽。
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人は何かを探す過程で新たな物を知ったり、人と巡りあったり、過去の自分に再会したり。思いがけない出会いが生涯忘れられないものになったりするんだろう。
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昔のものは最近はネットでなんでも検索できるが、もしそれがマイナーすぎてネットにも引っかからなかったら自分で探すしかない。
大変だけど、ネット検索よりリアルに当時の空気に触れられるような気がする。
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女性デュオ・ソラシドを巡り、聞いたことのない音楽を求める男の義理の妹や母との距離感、父の影の話。レコードの音のような少し篭ったノスタルジーを感じさせる。
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謎の女性デュオ・「ソラシド」。
1986年と現在をリンクしながら、彼女達の足跡をたどる主人公ヤマシタと、腹違いの妹・”オー”。
レコード、不味いコーヒー、ダブルベース、小さな映画館…。
雑多なものは淘汰され、洗練されつくされたように一見見えても、実はひっそりと息づいていたりする。あの頃の冬の空気と共に…。
路地裏の雑貨屋のような、独特の空気感が漂う物語です。
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あらすじ
おれ「ヤマシタ」は多分50歳代前半。若い頃は写真週刊誌のレイアウトを担当し、今はライター。音楽、特にレコードが好きでお金のすべてをつぎ込んでいた。亡くなった父親の後妻は自分より1つ下で、今26歳の腹違いの妹がいる。
ある日、ふと26年前の雑誌から、ダブルベースの女性デュオ「ソラシド」を見つけ、当時その音楽を聴いたことがなかったことから興味を持つ。自分が住んでいた「空中長屋」、まずいコーヒーの喫茶店、デュオのソラとカオル、二人に音楽を依頼した映画監督などに思いを馳せながら行方をたどる。
面白かったー。ぜひまた読みたい作品。吉田作品にしてみたら、ストーリーがあるし、登場人物の気持ちもわかりやすい。別にストーリーがなくても好きな作家だけど。四半世紀前って昔だよねーと思いながらも、変わらないものや、まだ動こうとしているものもある。いろいろだなーと思いながら読んでいることを楽しむ作品。
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吉田篤弘先生の長編初めて読んだな・・・
おおまかなエッセンスはいつもの吉田ワールドだけど、大筋のある長編だとこんな風になるんだな・・・
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ナンデモ屋を見下ろす場所から、二十数年前のバンドを探す。冬の音楽を奏でる、女性デュオ。
レコードと雑誌と喫茶店のまずいコーヒー。雑踏の裏の街。
吉田篤弘さんの作品はほぼリアルタイムで読んでるのに、何故か抜け落ちてた本作。
吉田さんらしくて、好きなタイプの話でした。
顔見知りかそれにちょっと毛が生えたくらいの間柄の人たちが阿吽で守る物語の優しさ。
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途中までは時間軸が行ったり来たりで頭がごちゃごちゃしたけど、最後それがまとめられていくのが面白かった。音楽が好きな私にはとても共感できる内容でした!
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何冊か読んで、この著者の空気感が好きだと思ったのでこの本も読んでみました。
でも今までで一番「おじさんが書いている」という感じが伝わってきてちょっと辛かった。
あと私は音楽好きなのですが、出てくる音楽は全然わからなかった・・・
音楽の趣味が合えば、すごくテンションが上がる話なんだろうな。
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レコードを蒐集することだけにすべてを費やしている主人公は、1960年代にごく一部で話題になっていた女性デュオ、ソラシドの現在を追うことになる。主人公には、親子ほどに歳の離れた異母妹がおり、二人で探し始める。
音楽の話かと思いきや、二つの家族の絆の話だった。とても個性的な家族だが、読後は優しい気持ちになる。
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「意見は言葉に出来るけど、思いは言葉にならないよね」とは登場人物のセリフ
忘れ物を取り戻しに行くかそのままそっとしておくかは人それぞれだけれど、無かったことにはしたくないね
というモチーフを感じた。
それはそうとソラシド(作中に登場するユニット)の曲を聴いてみたい。自分の中のソラシドを見つける作業も楽しいかも知れない。
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幻のデュオ「ソラシド」を探す、ヤマシタさんとオーちゃんの物語。全体的にふわふわした吉田篤弘さんの世界観で進む。
この雰囲気は嫌いじゃないのだけれど、あんまりずっとほわんとして、、少しほわんが長かったような気もする。
ダブルベースを弾くカオルさんには、少し親しみを覚える(私はコントラの方だけれど)。ソラシド聴いてみたい。
他の作品にオケの話も出てきたけど、吉田さんコントラバス(またはダブルベース)の経験があったりするのかな?