紙の本
激動の20年
2017/07/27 22:31
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投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1640年頃から長く続いたイングランドの内戦について色々書いて有る本。
正直、そっちの方の歴史に興味があるとか若干興味があるとかでないとすぐには内容を飲み込めないと思う。
会話形式を取っているので読みやすいけど、途中何の説明も無くいろんな人の名前がバンバン出てくるので、その辺りで私は混乱した。
巻末の解説は読んだ方が内容について理解しやすくなる感じ。
1回通読して解説を読んで、もう1回通読すると、もう少しわかるようになるんじゃ無いかと思う。
よくわからないながらに面白いは面白いので、イングランドの歴史に強い人は読んでみては?
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『リヴァイアサン』で知られるトマス・ホッブズの晩年の著作。イングランド内戦を体験した年長者Aとそれに質問や合いの手を入れる若年者Bの対話篇という形式をとっている。イングランド内戦の歴史的経緯を追うといっても、史実を細かく列挙するのとは少し趣を異にしている(というか日付の間違いなどの指摘が訳注などでなされている)。むしろ、イングランド王国が崩壊し、主権の担い手が変遷し、最終的に王政復古によって秩序が回復していく経緯に因果論的説明を加えていくのが本書の主旨だといってよいだろう。その意味で、第一部は、内戦勃発の原因を聖職者集団に求めるあたり、教会の力と国家秩序確立の努力が相反するに至った17世紀の経験を濃縮的に表現している。その後は内戦の経緯をたどりながら、王の処刑、クロムウェルの護民官就任、王政復古といった事件が語り出されていくが、いずれにしても、内戦という最大の悪を現出させた(とホッブズは考える)長老派や議会に対しては非常に手厳しい批評が加えられている。この悪を防ぐためには、誰にでも分かる正義の準則を大学で教えるしかないという主張は、『リヴァイアサン』に対する自負の念を窺わせる。また、「至高の権力」は民兵権であるという本書で度々強調される主張は、ホッブズの主権理論理解の参考にもなるだろう。
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リヴァイアサンのような透徹な理性の輝きは本書にはない。あるのは、ただただ平和への願い、そして王への敬慕の念。ホッブズほどの知性でも、イングランド内戦の背景にある大きな社会の変化を見抜くことはできなかった。しかし、立脚点としての自然権の思想は何よりも強力である。多くの血が無駄に流され、結局はあるべき姿へ戻るしかなったと(ホッブズには思われたのだろう)。不毛な争いを繰り返さないために、自然権を永遠のものとするために、すべての人類はリヴァイアサンを読まなければならないと、ホッブズは確信を強めたに違いない。それは絶対に正しい。
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まだ、リヴァイアサンを通読できていませんが、先にベヒーモスを読んでみました。イングランド内戦の原因と経緯を踏まえて、主権論を検討しようというものと理解しました。