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だいすっき! 癇は強いがはたらきもののるつ子が、癇ばっか強くて怠け者の自分に眩しいです。後半つるっと流れるのが多少残念ですが、おもしろくてためになるとはこういうことだ。
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女の子がどんなことを考え、何に困惑し、何を学びながら「成長」していくのか、ということを、「着物」を軸に鮮やかに描き出す。
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きものを「着る」というより、きものと「暮らす」という感覚がとっても心地よくて大好き!!好きすぎて、きものに対するとらえ方が変わった。以前なら気にも留めなかった柄や素材がどれだけ愛しいことか。でも、この本はやっぱり1人の人間の生の様相だった。その様相がきものを通してより鮮明に伝わってくるのだろう。
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大正時代の古きよき時代の生活が目の前に見えるようです。
当時はこんな風に家庭の中にそれぞれに役割分担があって、礼儀や昔ながらの知恵などを小さい頃から教えられたり、成長にしたがって節目になれば、それにならった考え方や振る舞いを生活しながら身につけていく・・・というのにすごく憧れました。
るつ子の気性には親近感があり、可愛がってくれるおばあさんに尊敬の念を抱きます。
現代が失くしてしまった日本の暮らしがココに描かれているように思えました。
もちろん着物の着方・TPOによって変わる着物の種類、そもそも着物とは何か、という本質にも触れていて
勉強になります。あと女性が着物に対する執着とか見栄とか個性とかも面白いです。
淡々とした文体が好きだなぁ。
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短文の続く文章はここ5年くらい私の理想。
「着る」ことから見た人間関係の築き方・生き方がかかれていて、社会学的な読みにも耐えうる作品。
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「きもの」というタイトルのみに惹かれて、初・幸田文でした。
いやー、もう、本当に、そうとういいです。
前半はきものの考察のオンパレードが面白いし、後半は女姉妹3人が恋や嫁入りを通して「女」になっていく過程が面白い。
連載中の未完の小説ということで、確かに最後が尻切れトンボになっているのがちょっと残念だけど、それからのるつ子に想像の余地があっていいかも。
明治・大正の時代の家庭の温かさがいいですよね。
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明治の終わりから関東大震災の頃までの、女性の身のこなしや知恵や心意気が、着物を通して伝わってくる小説です。よく考えたら結婚適齢期って昔は10代後半だったんだよなー。それにしても女の人の着ることに対する思いや欲っていつの時代も変わらないものですね。
ただこれは著者の最期になる作品で、この本は実は書きかけで幸田さんの頭の中には別のラストが用意されていたのでは、と思ってしまう。ラストが腑に落ちないんですよ。
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ことばの繋がりや連なりにやられる
余裕のある文章
物足りなさはあるけどかっこよかった
ただ、清潔感が文字にされている分量が増えてしまったような気がする
そうして、読むことをとめにくい文章になっているのかもしれないけど
それにしても、ものごとをそのままに見ることができる具合
私にはできない
私にはない
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-引き千切られた片袖がまんなかに置かれ、祖母と母とるつ子が三角形にすわっていた-
祖母・母・自分の3人、長姉・次姉・自分の3人、お金持ちの友・貧乏な友・自分の3人、主人公を中心にした3角形の女同士の関係性の描写が面白い。「きもの」の好み・選び方・付き合い方って、恋愛・結婚観、人生観と関連している。いつものように、女にありがちな欠点描写が鋭くて、自分を律する鏡としてもいい。一読の価値あり。
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この作品を読んで、幸田文さんが好きになりました。
だいぶ前に読んだ本なので内容はうろ覚えですが、雰囲気はとても良く覚えています。
いつか読み返そうっと。
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確かに「きもの」の物語なんだけどそれだけじゃなくて、人とのお付き合いで心がけることも沢山溢れていて、折に触れて読み返したい本。さらりと読みやすいんですけど、女性の欠点に関する生々しい指摘だとかは読んでいてハッとしてしまいます。いるよねえ、という(笑)
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最後のページを読むのが本当につらかった。いつまでもいつまでも読み続けていたい本だったから。
祖父母と離れて育った私は、この本のように身近で祖母があれこれ言ってくれる生活に、密かにあこがれていたのです。
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着物を通して描かれる少女るつ子の半生記。
馴染みの呉服屋さんで着物を買う話…というのを考えていたらこの小説のとあるシーンが浮かんだもので、引っ張りだして読み直してました。
作中のおばあさんの世間知というか、彼女が教えてくれる、つつましくて礼儀正しいバランス感覚を私もいつか身につけたい。
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明治の文豪、幸田露伴の娘、文の作品。
なんてことはない、明治の中流家庭の三姉妹の末っ子が
結婚するまでの話なのだが、
そのなんてことはない日常の中で明治の時代の
古き良き教養を教えられる本。
おそらく文が父露伴から日々教わった女性としての教養、生き方を
この本は伝えてくれる。
といってけして説教くさくもない。
教養小説(ビルドゥンクスロマン)というのはこういうのを言うのだろう。
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この作品は着物をとおして主人公のるつこが成長していく話だが、着物を着ない人でも楽しめる物語だ。
人や家族との付き合い方、礼儀や思いやりの扱いかた、今の時代ではなかなか行き届かない立ち居振る舞いなどの大切さが書かれている。作中に主人公が祖母に着物の脱ぎ方について注意を受ける場面があるのだが、着物を美しく着るのみならず、その扱い方や脱ぎ着をも美しく振る舞ってこそ美しいのだという。私自身、脱ぎ着が乱暴で衣類を大切に扱わないのでちょっぴりショックを受けた。本当のお洒落というのは服を上手に合わせることだけでなく、手入れや脱ぎ着、TPOまで含めて行き届いている事をさすのだなと、思わずうなった作品である。女性の方には是非読んで頂きたい。