投稿元:
レビューを見る
『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に続く月舟町シリーズの3作目。
主人公は月舟町にある古い映画館〈月舟シネマ〉で直さんと暮らす黒い犬、ジャンゴ。
食堂や果物屋、雨降り先生にオオリィ君など懐かしい人々も健在で、読んでいるだけで癒やされる1冊。
ジャンゴの視点で進んでいく物語の中、すべての登場人物が愛おしく感じられます。
単行本化が待てずに、Webで発表された連載時のものを電子書籍で購入してしまいましたが、今月末に発売される単行本もちゃんと買うつもりです。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり好き。大好きです。
『つむじ風食堂の夜』、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』、『つむじ風食堂と僕』を読んでいれば、大好きな月舟町にまた戻ってこれた幸せを噛みしめることが出来ます。
でも、この本が月舟町への初めての旅だったとしたら、それはそれでワクワクドキドキの楽しい旅になったのかもしれない。
私には想像することしか出来ないけれど。
今回の主人公(語り手)は、月舟シネマの番犬ジャンゴ。町の人気者。
そして、もう一人の主人公が月舟シネマの現マスターの直さん。
直さんは映画館の経営が苦しいことに悩んでいます。
直さんだけでなく皆が皆悩みを抱えています。
映画館の経営、古本屋の経営、食堂の経営…etc。
好きなだけではどうしようもない現実社会の厳しさということなのでしょうか。
ジャンゴの目を通して語られる月舟町の人達の想いは辛くもあり、苦くもあり。
それでもなお、やはり甘くもあるのでした。
ジャンゴの優しい眼差しと月舟町の人達の温かい心がふわふわと私を包み込みます。
物語の終わりに直さん達はある答えを見つけます。
その答えはゴールでもなければ華々しいスタートでもなく、それはただのいつもの道の途中のちょっとした段差なのかもしれません。
一度見つけた答えがその先もずっと変わらずに自分を支えてくれるとも限らず、やっぱり違ったと後悔したり、また悩んだりすることもあるかもしれません。
いや、あるのです。
それが生きているってことなのではなかろうかと考える今日この頃です。
直さんのたどり着いた「今」の答えは、私の「今」の答えにはなりません。
それも当たり前過ぎる程に当たり前。
がっかりもしないし、さびしくもないこと。
自分の「好き」を信じていつもの道を勇ましく歩き続けている月舟町の人達のことを考えるだけで、私には勇気が漲ってきます。
私も力強く歩けそうな気がしてきます。
それがこの本を読み終えた「今」の気持ちです。
また月舟町に行きたいな。
また月舟町の人達に会える日を心待ちにしながら、今日もいつもの道を歩き続けましょう。
投稿元:
レビューを見る
月舟町シリーズ。
今回は映画館の番犬(?)・ジャンゴの目線で語られます。
優しく、どこか飄々として、それでいて、そこはかとなく哲学的な雰囲気の、素敵な物語。
読んだ後に心が温かくなります。
投稿元:
レビューを見る
登場人物&犬たち、みんな本当に愛おしい。
中でも親方サイコーです!
理屈ではなく夢中になれることをずっと続けられたら幸せ。
投稿元:
レビューを見る
ジャンゴと暮らしたい。
月舟町も少しずつ変わっていく。変わってほしくないものも、少しずつ形を変えていく。
それは成長なのかもしれない。変わることが嫌なのではなくて、知らないものになっていくのが寂しいのだ。
直さんも、親方も、皆。
しかし真剣に悩み考え生きていく彼らが好きなのだから仕方ない。形だけでなく、懸命に悩み必死で考え、それで何も変わらないなんてことはないのだ。
続ける、という選択も、結果として変わらなかったことには見えても。彼の中では確実に何かが変わっている。
そんな中、静かに佇み本を読む、果物屋の兄弟が大好きです。彼らの中でもまた、何かが変わっているのだろうが。
投稿元:
レビューを見る
月舟町三部作の完結編。いままでの登場人物の影もチラホラあって、既刊読者なら、かならずクスッとしてしまうはず。ここから読んで、遡るのもありですね。ジャンゴの響きが作品にぴったりでした。
投稿元:
レビューを見る
吉田さんの作品はいっつも別世界に連れていかれる
不思議な異空間って感じかなぁ
コロッケ食べたい
投稿元:
レビューを見る
月舟町三部作の完結編。
映画館で飼われている犬・ジャンゴの視点から月舟町の人々の様子が伝わってくる。そして、シリーズで登場していた今までの人たちがすべてつながった形に。
月舟町の人たちはみんな優しくて、穏やかに暮らしているけれど、自分たちがどうしたいのかを悩んでいる。最後にはどうしたいのか、なぜそう思うのかということを発見していく。読んでいて励まされました。
ジャンゴも様々な思いを抱えて、人間たちが悩む姿にはらはらさせられながら、プライドを持って生きている姿が、賢くもあり、かわいい。
月舟町に私も住みたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
「つむじ風食堂」や「それからはスープ~」とリンクしているみたいで、また一連の篤弘さんの本を繰り返し読んでみたくなる一冊です。
今回はまさかの犬目線。しかしそれが妙にしっくりしていてあっという間に読み終えまだまだ終わってほしくないといういつものジレンマに陥ってしまう。
なんて素敵な商店街なのでしょう、私も住人の一人(?)になり、肉球に草かなんかを挟ませながら駆け廻りたい!(犬として参加希望!)
人生に相当するドッグライフ、という言葉、賛成ですね。
投稿元:
レビューを見る
月舟町三部作の最終作。
三部作と言ってもそれぞれが独立した作品なので、世界観や登場人物を共有した別作品。
人間、ふとした時に心の移り変わりや、いわゆるターニングポイントと言ったものを迎える事がある。
きっかけは様々。誰かの一言であったり、出会いであったり、出来事であったり。
三部作の最後に描かれているのは、人が生きていく中で出会う様々なことによって、「変わらないことを恐れない」という、日常への小さな勇気を持つことの大切さだった。
過去二作の登場人物も交えた、穏やかな時間が「変わらず」流れ続けていた。
投稿元:
レビューを見る
月舟三部作の三作目。ジャンゴ目線で進む物語は、静かで淡々としているのにドラマに満ちていました。真似されたクロケット定食。本当に美味しいものを食べたときは言葉なんてでないんだ…その後からの物語に涙がポロポロと。古本屋を続ける親方、美味しい珈琲を入れたい二人、「ここ」を知ってもどんどん変わることが自由で嬉しい果物屋さん。笑いたくて、人のことを理解したくて仕方ない犬。最後の最後、少し笑ったジャンゴが可愛くて可愛くて❤穏やかな中にも日常のドラマがたくさん。そんな月舟町に一人でも多くの方が来てくれますように…。
投稿元:
レビューを見る
月舟町の3作目。今回は犬のジャンゴ目線で語られるんだけどこれがなんともかわいらしい。ジャンゴは町の人々皆にかわいがられていて、犬って呼ばれたり、ゴンちゃんって呼ばれたりアンゴって呼ばれたり、、、それでも飼い主の直さんだけでなく町の人みんなが散歩に連れて行ってくれたり、時には他の家にお泊りなんかもして。とっても優しくてお利口な犬で是非会いたい。
ジャンゴは笑いたいんだっていっていたけど、表紙のジャンゴは真顔だけど終わりのページのジャンゴは笑顔になっているのもほっこりする。とってもかわいく温かいお話。
投稿元:
レビューを見る
やっぱり吉田篤弘の月舟町シリーズのこの雰囲気、何ともイイ味だなあ。吾輩は猫であるの犬版。まっすぐでユニークな哲学的思考と愛情を持って街の人々とその出来事を犬の視点で語る。映画と古本、音楽、古き良きもの。愛すべき人たち。深々としたヒューモア、ペーソスに満ちた場所だ。
投稿元:
レビューを見る
<月舟町シリーズ>3作目。図書館の予約で借りて来てしまったため、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』より先に読むことに。
映画館で飼われている犬ジャンゴが語る月舟町の人々の話。寡黙な映画館の直さん、べらんめぇの古本屋の親方がいい感じ。ここに書かれているような昔ながらの映画館がなくなってしまったのが心底悲しい。ところで、犬の話には理屈抜きに弱い。しかもジャンゴみたいな犬なら尚更。涙を流す話でもないのに、ジャンゴの一挙手一投足に今は亡き愛犬の姿を思い出しては涙が浮かぶ。ひたむきに周囲の人間の気持ちを考えているジャンゴ、犬という生き物は実際素晴らしい。人間の唯一の友と言われる犬。人間は裏切るが、犬はけして裏切らない。そんなことを思いつつ、ほとんど泣きそうになりながら読んだ。愛おしくてたまらない本。
投稿元:
レビューを見る
ジャンゴ可愛い。
月舟町シリーズ3冊、一気に読んでしまった。すごく良かった。やわらかくなれる作品だった。
ジャンゴ可愛い。
クロケットに始まりクロケットに終わったなあ。