年齢や性別を問わず誰でも楽しめる一冊です。
2015/07/17 15:15
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投稿者:もも~ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一話ずつスポットライトが当たる人が変わりますが、実は皆繋がっていて時間も少しずつ経過して無理なく物語に引き込まれます。 そして一話終わるごとに主役となった人物に似合うサボテンの解説も付いてます。 サボテンをキイワードに織り成すドラマとして、とてもよく構造が練られているので、とても読みやすいです。
ぎこちない恋愛小説。
2018/11/09 09:13
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎ナオコーラさんは二冊目の読了です。
何回か芥川賞候補になっていて、受賞を期待されている方です。
最近の芥川賞が新人に大きく舵をきったので、
どうなるのか分かりませんが、大きな文学賞を取らずに
ヒット作が出るようになればそれはそれで面白いですね。
一冊目は「昼田とハッコウ」を読みました。
この作品にも共通する雰囲気の人物像がいました。
作者の関心が高い部分なのでしょう。
ふわっと読めますので、お試しをするのにいい作品です。
全九話の連作短篇です。三つの設定があります。
それぞれの設定を用い、登場人物の視点を変えて
三通り書かれていますので、三×三=九話です。
気に入った目次を抜き書きしますね。
それで、どんな設定なのか分かりますので。
第一話 処女のおばあさん
第四話 恋人は松田聖子
第七話 付き添いがいないとテレビに出られないアイドル
1~3、4~6、7~9が同じ設定なので、
上の三話が各設定の冒頭話です。
題名にどきっとしませんか。読んでみると、そんなことも
あるかもしれないと思わせる落ち着きがあります。
全般的に文章が柔らかくて、あまり煽らないところが特徴です。
読ませる力が控えめなぶん、じんわりと心のすき間に
入ってくる感じです。
二冊読んで気になった人物像は、無意識に注目を浴びる人です。
容姿に恵まれていて、幼いころから周りが近寄ってくることを
自然に受け入れて育った人。
来る者を拒まずとは聞こえがいいのですが、依存心の強さの
現れだとすると周りを不幸にしてしまいます。それも無自覚で。
山崎ナオコーラさんは、王子さまやお姫さまタイプに
強いコンプレックスを持っているような気がします。
でも、一つの真実を見せてくれている気もします。
この作品ではサボテンがキーワードになっています。
各話とも特別な形のサボテンになぞらえています。
そんな、ちょっと不格好で、小さな棘もあるほのかな
オンナゴコロを描いた作品だと思います。
男が主人公の話もありますが、わたしから見れば女目線でした。
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すごく面白かった、山崎ナオコーラさんの著書のなかでは群を抜いて好き。ちょいちょいシュールな要素もあるんだけどそれが今回は妙にツボった。始まりの鳥子と、竜子の章がとくにすき。恋をせず処女のままおばあさんになった鳥子が漫画みたいな出会いで恋に落ちる、亡き夫と義理の娘との生活に落ち着き楽しみ方をん忘れた女がむらさき色の洋服に出会いデザイナーと再婚する話すごく好きだったな。浮気されてもいい、っていうところに強烈な幸福を感じ取ってうるってしてしまった。
さよならといえない入鹿くんの話もぶっとんでて好きだし、その兄であるひきこもりの勇魚の話もすき。(彼らの両親の話はいまいちかな。。。)
ひきこもりアイドルとその黒子の様子も今風だった。久々にナオコーラ小説でヒットでした。
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山崎ナオコーラさんの恋愛小説では、かなり好きな一冊になった。
これまでも、男女=恋愛の普遍的な形とか、あり方とかそういうものとは少し違った一対一の関係を描く話が多いな、と思っていたけど、(何様ではありますが)今回もそのうまさが遺憾なく発揮されていた。
読んでいて気持ちよく、清々しく、改めて小説の面白さを噛み締められたというか。
どのお話も、様々な形の愛が滲んでいた。
まぁ、手にしたときから好きだったんですけどね。納得の名久井直子さん装丁。
ひとつの話にひとつの多肉植物。
説明が書かれた薄い色紙と写真頁が途中に挟まる。
物語の流れと一緒に追うことができる。巻末付録よりずっといい。
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おはなしのあいだあいだに不思議な植物が顔を出す。そしてすべてのボーイミーツガールが、「極端なもの」とはしてあるけど、ありだな、と思えるナオコーラマジック。読み終わってふと、うちの多肉ちゃんをあらためて眺めてみたら、ひげが生えてたよー。
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主治医に恋愛小説を読むよう(治療の一環として)にすすめられ、手に取ったのが山崎ナオコーラ。久しぶりに読む。サボテンと恋愛を絡めた連作短編集。甘さ控えめ気味なので、恋愛小説が苦手な方にも読みやすいのではないだろうか。1話毎にサボテンの写真と説明が書いてあり、ちょっとだけサボテンに詳しくなれる。そんな気もしてしまう作品である。
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リズム感とスピード感がある。纏まっているようで、ちぐはぐなようで、でもやっぱり最後には纏まって、なんだか気持ちのいい読後感。音楽みたいな小説を書きたい、とナオコーラさんが以前書かれていたのを読んだけれど、まさに音楽みたいな小説だった。ゆったりと穏やかな曲調から急に激しい、掻き立てるような曲になる。文章の文字が目に入り、意味と語感がそのまま脳へ行ってそれが音符に変換されて、私の中で音楽が流れる。そんな感じ。
全ての短編のひとつずつ多肉植物の写真と紹介があって、それも良いリズムを刻んでいた。
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心に柔らかい刺を残すと帯に書かれていたけれど、短い恋愛物それぞれ、浮き浮きとした気持ちと、それだけでない想いが表現されていて、読後感はとても良かったです。
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「ヒルタとハッポウ」を読了できなくて
それ以前もなかなかピンと来なかったナオコラさん。
いいなあ。
特に刺激の強いものでもなく
淡々とも言えないけど
一種ごとの多肉が、
一人をフォーカスして、
一作として繋がる。
一の集合が全体になる。
どこが、と文章にできないけど
好きな一冊になりました。
個人的に表紙とタイトルも
考え抜かれているなあ、と
読み終わってしみじみしました。
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ところどころに入る多肉植物(サボテン)の写真と解説が新鮮。
それを見ながら「ふむふむ、このような植物をプレゼントされたのか」などと読み進めるのもおもしろい。
世代の違う女性3人の暮らしもおもしろいかも。
まったくの他人というわけでもないから、距離感がいい感じ。
また、別の兄弟や夫婦の付き合い方の距離感も良かった。
あまりにもベタベタされ、干渉されるのは息が詰まりそうだもんなぁ。
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揺さぶられたー。
「スペクタクル?」って思った。
恋愛小説とは気付かず、皆さまのレビューを読んで、ハッとする。
特に好きなのは、竜子さん。
鳥肌たった。
憧れる。
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ボーイミーツガールの連作短編集。
ナオコーラさんの作品はどこか不器用な登場人物の雰囲気が伝わってくる。読んでいてとても心地が良い。ボーイミーツガールなんだけど、こんな都合のいいこと発生しないんじゃない?と思う人には駄目かもしれない。私は「起こるときは起こるよ」と思っているので抵抗なく読めた。かわいくて前向きになるお話が多かったと思う。作品に出てくるサボテンも作中に写真と説明があってよかった
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“恋愛は苦手だけど、恋愛小説は好き”なあなたに贈る心に柔らかい棘を残す連作短編小説集
っていう帯がずるい。山崎ナオコーラだから面白くないわけないのに、こんな帯つけたら読まずにはいられない。
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タイトルに「極端なもの」とあるけれど、人一人ひとりの弱さと強さの表現が絶妙だった。植物の存在が人間模様にユーモアを添えている。前向きになれる本だった
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多肉植物の佇まいからヒントを得て書かれた短編作品と言う感じでしょうか。多肉植物の写真と解説を丁寧に交えつつ、人間関係についてや恋愛する自由さや距離感など。ゆらゆらした感じがナオコーラさんらしいなぁ、と。短編ですが繋がっているので読みやすく、ナオコーラさんの作品の中で一番良いと思いました。