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この本は「狙っている感じ」が漂ってきて構えてしまうが、身近な危険生物は怖いから、やっぱり信じてみる。
例えば猫につくネコノミ。ノミだと、というなかれ。ペストを媒介する。カが様々な伝染病を運ぶのもよく知られている。シラミ、ドブネズミ、南京虫。もう見かけない、と言いたいところだが、もしいたら、やっぱり厄介な連中だ。
チャドクガ。こいつには比較的最近やられた。イラガ。これはつい先日庭で見かけた。
この辺は郊外の庭にはよく出てくる。しかし本書は庭にとどまらず、海でカツオノエボシやヒョウモンダコに会ったら、山でツキノワグマやニホンザルに会ったら、と忙しい。
ニホンザルとイラガが同列で書かれるとは驚きだが、記述としては、まあそうだよね、という感じ。では何が「狙っている感じ」かといえば、何とも古めかしい(風に描かれて居る)イラストである。
僕が幼少の頃は、ここに出てくる生き物の多くが身近にいた。今でもいるのかもしれないが、ほとんどはさっぱり忘れていて、何の対処方法も知らない。そういう意味では役立つ本、かもしれないが、しかし今、大抵の危機に対しては、皆さん「ググる」だろう。それを上回る何かが提供できているか、というと甚だ疑問である。そのイラストと相まって、本当に伝えるべきことと違う何かを、やっぱり狙っているように見えるんだよなあ…。