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紙の本
<知>への小説的な試み
2018/10/10 09:04
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投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
まるで、知を、小説という形にすることを試みたような作品。また、隙の無い完璧さな構成となっている。
海辺のホテルを舞台に、暗く、不可解な空気のなかで、謎解きをするかのように、物語は進んでいく。けれど、その謎解きは、あからさまに、何かを追及するというより、抽象的なもので常に覆われている。そして、ヴァカンス期が終わり、秋の気配が漂い始めるころ、その抽象性は、登場人物らの孤独と、詩的な描写のなかで、一気に現実味を帯びる。そして、最後に、その謎が解かれるとき、不思議に、読み手も、気持ちが解放されたように、軽くなる。まるで、それが、中心的登場人物の一人、アランの思惑通りのようであっても、決して、不快感は、残らない。
<知>が、小説に、どのように描かれる得るのか、また、非日常になりうるホテルで、その知的実験を、どのように体験し得るのか、そのようなことか試みられているかのようでもある。
独特の知的冒険を、静かに、辿ることのできる小説だった。また、詩的な言葉や、物語の完結の仕方など、とても、完成されていると思った。
(手に入ったら、原書を読んでみたい。)
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