紙の本
忘れられない想い
2020/07/14 23:16
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
若年性アルツハイマー病に、真正面から向き合っています。薄れていく記憶の中でアリスが残した家族へのメッセージと、ありのままに生きる決意に心を揺さぶられました。
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最初は、映画で題名を知った。 若年性アルツハイマー。父母が認知症なので、部屋の散らかりなど他人事ではない。自分が自分ではなくなるのは辛い。
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(15-57) 本ではなく映画のレビューです。映画館で鑑賞
「癌のほうが良かった」。アリスが病気を必死で受け止めようとして、でもつい漏らしてしまった言葉。50歳でアルツハイマー。若年性は進行が早く、しかも家族性。3人の子供たちへの遺伝は一人は陰性、一人は陽性、一人は検査しなかった。夫、息子、娘たちがそれぞれ精一杯関わろうとしている姿に心打たれた。
まだ自分をしっかり保っている時に未来の自分にあてたメッセージをパソコンに残すアリスの気持ちは私にも分かる。
それが出来るのか、どきどきした。
これからも人生は続くのだし医療費や看護費だってかかるし、夫の選択は理解できる。いろいろな選択肢はあっただろうが、考えられる最善の道を家族は選んだと思う。
アメリカの映画なのに、説明なしに間で時々出てくる映像が何となくフランス映画みたいだなと感じた。叙情的なとでも言ったらいいのか、私はとても素敵だと思った。
見終わってからもじわじわといろいろな思いがこみ上げてきて、見て良かった!
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50代のひとりの女性の心がこれだけ繊細に描かれたのは、病を得、制約を受けた日常を通したものだからなのに、アリスは私、と思えるほど自分の心が共鳴した。家庭や仕事における達成感の先にあるのは、決してゴールのテープだけではない。誰にとっても。映画も原作も素晴らしい。
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「若年性アルツハイマーってこんな病気なんだ」
今まで「若年性アルツハイマー」の何を私は知っていたのだろう。この本を読んでまず思ったのは「これほどまでに患者本人の尊厳を挫き、生きる希望を消失させていく病が他にあるのだろうか、という事だった。少しずつ確実に進行してゆく不治の病は認知機能を低下させる。それは軽い物忘れのようなものから、深刻になれば何年も暮らしてきた土地での散歩で帰り道が分からなくなって途方に暮れ、つい数秒前に自分がしようとしていたことを忘れ、自宅でトイレを見失い、数十分の映画の冒頭を忘れ、本が読めなくなり、言葉が出て来ずに周囲の会話からひとり取り残され、娘や大切な人の名前を忘れ、存在を忘れていく、「少しずつ生きている感覚から乖離していく」ようなものだろうか。夫とカフェに行っても自分が珈琲を嫌いであることを忘れ、好物だったものの形や味は思い描けるけれど名前が一向に分からない。もどかしさの中に怒りや悲しみや、絶望が綯い交ぜになっている。そこに揺らがずにあるはずの当たり前の日常や風景が日を追うごとに別世界へと繋がり、一緒くたになってごちゃごちゃとして何が何なのかが分からなくなる。自分の判断が信じられなくなり、他人が言っていることもそれらしく聞こえたり、嘘に聞こえたりする。
この病の造り出す底なしの絶望と、そこに細やかな幸せを見出すことの大切さをこれほどまでに鮮やかに描き出した本作は、映画化がきっかけであれ、興味本位であれ誰にでも是非手に取って欲しい本だと感じた。
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若年性アルツハイマー。自分が少しずつ内側から壊されていく感じが、とても怖い。自分がそうなってしまったら、どう行動するだろうかと考えさせる。
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アルツハイマー病患者の視点から生活や感じ方を書いた物語。
「こんなふうになるつもりじゃなかった」
このセリフにすべてが凝縮されている。
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この作品は映画になったのでタイトルは知っていたので図書館で借りて読んでみました。
大学教授として活躍していた50代のアリスは、ある時自宅近辺のランニング中に今自分がどこにいるのか分からなくなってしまいます。
いつも通り慣れているはずの場所がどこなのか分からなくなる。
若年性アルツハイマー病の症状の始まりでした。
本作は介護者から見たアルツハイマー病患者のことがメインではなく、「自分が突然アルツハイマー病と診断された、患者が感じること」がメインのストーリーでした。
これまで完璧にできていたことが少しずつできなくなっていく恐怖。
そして何度も同じことを繰り返して言ってしまったりしても気が付かず、周囲のとまどう雰囲気だけはわかる気まずさ。
自分がどんな風になっていくかは他の患者を見て理解しているので、アリスは家族の人数や自分の誕生日、住んでいる場所などの項目を毎日自分で答え、それらの一つでも分からなくなったら「蝶」というファイルを開いて指示通りにしなさいという未来の自分へのメッセージを毎日送り続けます。
「蝶」のファイルに書かれていることは最初の頃から予想できましたが、実際にそのファイルを開くシーンでは胸が苦しくなりました。
また、本作ではアリスの家族のそれぞれの葛藤や対応も読みごたえがありました。
アルツハイマー病ってかなりの確率で遺伝するのですね。
早く治療法が見つかることを願いました。
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映画でも見ている
同年代なのでリアルで怖い
夫が妻の病気を受け入れられないのに対して 娘に達が母の状態を理解して寄り添ってる様子が男の人との違いを感じる
アリスが引出しに入れておいた自ら書いたフォルダの指令を実行できなかったことも 悲しいが実行できた方がいいのかわからない
頭脳が明晰だっただけに自分の変化に辛い思いがたまらないだろう
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いい本でした。アルツハイマーを扱う物語は無理に感動を誘うものも多いけれど、これは淡々と病状の進行を描いていた。それも患者本人の視点で。フィクションだけれどリアリティーがありノンフィクションのよう。
自分が、身近な人が、アルツハイマーになったらどうしようかな。
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若年性アルツハイマーを取り扱った書籍であり、患者の目線で書かれたものです。
違和感から始まり、戸惑い、混乱して怒りを感じて、そうして燃え尽きるように静かになる。読んでいて「アルジャーノンに花束を」の後半を思い出しました。チャーリーも似たような下降線を辿っていきました。
勉強になる一冊でした。
ところで、タイトルの「アリスのままで」に続く言葉は何になるのか考えていました。私は「アリスのままで死にたかった」だろうかと考えています。
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自分の成果や他人からの評価のみを生きがいにすると、それがなくなったとき全てが崩れるように感じるのだろう。
でもまだそれ以外に何を自分の支えにすればいいのか分からない。
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50歳で若年性アルツハイマー症と宣告された言語学者アリス。神経科学研究者でもある著者の,豊富な現場経験に裏打ちされた物語が胸に迫ります。全世界で1,800万部を突破した本作,ジュリアン・ムーアがアリスを演じ,アカデミー賞主演女優賞を受賞しています。
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この本は映画にもなったようです。
若年性アルツハイマーといえば
マイケルJフォックスという 記憶がありましたので
どんな感じなのだろうかと思って 読みました。
一瞬 ドキュメンタリーのように思えましたが
ここまで 上手く 当人が表現できないでしょう~
小説とはいえ、色々調べて書いたようで、
きっとこんな風になっていくんだろうと
とてもリアルな感じに読めました。
記憶がなくなっていく事を
自覚しながら生きていくのは つらい事でしょう。
若年性アルツハイマーという 病気の恐ろしさが
伝わる本でした。
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若年性アルツハイマー病に罹った言語学者の内面をつぶさに描写され、その診断を告げられたときの愕然とした気持ち、病状進行への恐怖、それらさえ、そして家族や自分自身が次第にわからなくなることの苦しさに胸が張り裂けそうな思いがした。それにつけても家族の絆と愛情は何ごとにも替えられないものなんだなと思った。自分に常に共にあり、寄り添ってくれている家族に改めて感謝したい。近い将来に訪れるアルツハイマー病をはじめとした認知症罹患者が莫大な数にのぼる我が国において、家族の絆、近隣・地域のコミュニティ、医療・介護の支援の充実を!という思いと共に自分には何ができるだろうか考えさせられた。