紙の本
久しぶりに壁投げしたくなりました。
2017/05/12 22:50
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投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻村深月さんは非常に人気があり、三冊ほど読んでいます。
それぞれ、凡庸な学生もの、ぎとぎとなガールズもの、
オタクものでした。
作風の振れ幅が大きく、どれが辻村さんらしい作品なのか
つかみ損ねていますが、この作品でますます分からなくなりました。
読ませる文章力があるので読了は容易なのですが、それにしても
趣味の合わない作品でした。
考えの少し足りない人に、次々と予期せぬことが降りかかる
ことで、読む方にもどかしさや憐れみ、同情を抱かせます。
考えてみると、これは作者お得意のパターンの一つ
かもしれません。
先に読んだ三冊とも共通点を感じる部分がありますし。
それにしてもこの作品はあまりにも演出過多で、やり過ぎ感に
あふれたくどさを味わいました。
読むのを途中で止めるのは自分の性格的に難しいので、
後半をわーっと一気読みにして強制終了しました。
じっくりと味わわず、とにかく先に進んで筋を追う読み方です。
たまに使う手です。
これから辻村さんを同情系作家と整理しようか、そんな風に
思いました。
栗原家と一人息子の朝斗君。幼稚園の年長です。
第一章は、朝斗君の巻き込まれた事件により、モンスター
ペアレントにからまれるお話です。
自分たちの考えることは100%正しく、意見の違う相手は
向こうが100%間違っているという、とても狭い考え方の
人たちです。
たしかにこういう傾向の人はいますが、それにしても
極端すぎて嫌な気分になります。
なんだかなあと思いながら頑張って40ページほど進んだところで、
新たな展開が待ち受けます。
それがこの作品の本編であり、救いようのない最悪のクズ女が
出てくるのです。それをクズっぽくなく書けてしまう文章力を
恨みがましく思います。
詭弁にまんまとはめられて同情が引き出されそうになり、
なんちゅうものを読ませるんだとため息が出てしまいました。
作品の雰囲気は前半の十数ページで分かるといいますが、
この作品もまさにそうなんでしょうね。
思い返せば、モンスターがうようよいたのです。
ところでクズ女はというと、あろうことか朝斗の秘密をたてに
ゆすりをかけてきたのです。しかし栗原家にとっては、
それは秘密でもなんでもないことが知らされます。
そのことでクズ女の馬鹿さ加減が浮き彫りになるのです。
この展開はどうなるんだといろいろ思わせぶりにしながら
話は進んでいきます。それを、何だか可哀想に書けてしまう
あたりが、悪魔的ではあるのですが。
第二章は良かったのですよ。
不妊治療の夫婦の考え方が、暗い中でもどこか救いがあって。
問題は第一章と三章です。読書はできる限りストライクゾーンを
広くしたいとは思っているのですが、これはいくならんでも
受け止めきれません。
辻村作品には、こういう頭の弱い系が登場することがあります。
とても楽しんだ作品もあるだけに、この手の趣味に合わなさすぎる
系統は回避したいです、本当。
紙の本
あまりにも主人公がかわいそう
2016/05/08 22:17
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投稿者:よしくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生の女子が妊娠してしまい、中絶もできずに出産して里子に出すはなし。
出産後のはなしも続くが、あまりにもかわいそうすぎて、途中で読むのをやめようかと思った。
実際には保証人にはなっていないのに偽の借用証書を見せられ借金の返済を暴力団風の人に迫られるはなしがあったが、こういうケースは交番にかけこむべきではなかったのか。
なぜ主人公ひかりが一人でかかえこんでしまって、最終的には職場の金庫からお金を横領してまで「偽の借金」を返済してしまったのか疑問に思った。
繰り返すが、こういうケースは警察が守ってくれるはず。
新聞販売店での仕事もたいへんだったようだし、主人公のひかりがあまりにもかわいそうすぎる。
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最後までドキドキした。
いろんな事実を調べて書いたんだろうけど、
何が幸せで、何が不幸なのかわからなくなる。
幸せの中にも不幸はあるし、
不幸の中にも幸せはある。という話か。
じーんときた。
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テーマが辻村さんらしからぬような?後半は辻村さんっぽいのかな?
子供は宝。子供が安心して、健やかに成長できる世の中になりますように・・・。
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前半は、不妊治療が実を結ばず特別養子縁組の手続きによって子供を授かる夫婦の話。
そんなにまでして子供が欲しいものかね? と思いながら読み進める。
後半は、その子供を中学生で産んだ女の子の話。
世間知らずな娘だと呆れるけれど、世間を受け入れられないような育て方をしてしまった親に対して無性に腹がたちます。妊娠発覚時にもっと話し合ってくれていたら… そのくせ、親戚には話すなんてサイテーだよね
興味のあるテーマではなかったけど、さすがに深月さん、イッキに読ませてくれます。
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自分の子どもを産むことができなかった佐都子と、14歳で子どもを産んでしまったひかり。2人の人生の2つの交差を描くミステリ。
なぜこんな目に遭わなきゃならないんだ、どこで間違ってしまったんだ、と読みながらひかりの運命を呪ってしまう。でも、多分彼女はその自分の運命を呪うことさえできないほど、未熟なまま日々を過ごして来てしまったのだろう。
もしも、親ときちんと向き合っていたら。もしも、どこかで親にちゃんと助けを求めていたら。トラブルが起こるたびにそこにあったであろう、いくつもの、もしも、が悲しい。
ひかりの重く苦しい6年間と、佐都子の喜びに満ちた6年間。
「母親」になることと「母親」であること。この2つの違いの重さに震えながら読んだ。
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これはもう全人類が読めばいいと思った。
自分が今ここで生きていること、自分を産んでくれてここまで育ててくれた母親の偉大さに改めて気づいた。
そしてこのタイトルの意味を知った時の鳥肌が全身を駆け巡る感覚が未だに残っている。
辻村さんの本は主人公とその相手側の両方の面から見て物語が進むことが多いけど、その話しの進ませ方で読めば読み進む程話の中に引き込まれ、
あの時もう一方はこう言う気持ちだったのかとどちら側の気持ちも分かって激しく心がかき乱されてそれがまた良い。
読み終えた後も心地良いほわほわ感に包まれて話の中の登場人物に思いを巡らしてしまった。
きっと大丈夫。
朝がくる・・・・と思わせる終わり方にスタンディングオーベーションです。
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特別養子縁組のことは、テレビでドキュメンタリーを見たことがあったから、産まれてすぐ子供を取り上げられて抱くことも出来ずに里親に渡したりっていうのは知っていたけど、今回のように大好きな彼氏との子供でたとえ自分がまだ中学生だから育てられないからだとしても、大切な自分の子供を里親に出すなんてなんて辛いんだろう。もちろん、風俗でデキちゃってっていう望んでない場合もあるだろう。でも、そうじゃない場合は辛いよね。辛いなあ。
それと、ママ友とかそういうのも大変だしやっぱり子育てってとても大変で難しい。責任半端ない。
無理なだろうけど、広島のかあちゃんとうまいことみんなで暮らせたらいいのにね。
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今年一番読後あと味の悪い本
初潮もないのに妊娠出産特別養子縁組ひかりに対する両親の愛情家出ー
ひかりの心情でよんだ
あぁこんなことって
もういちど読みかえそうきっと
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久々の一気読み。
特別養子縁組と不妊治療がテーマの話。
後半の生みの親編の転落振りが、スピード感がありページをめくる手も早く進んだけど、テーマがぼやけた気がする。
とはいえ、ひかりの母に対する思いがリアルで、今後和解するまでのくだりが読みたかったので、2作に分けて、養子縁組、母子の再生、とそれぞれもっと丁寧に書いたのを読みたかったかな。
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1勝の終わりで物語が動き出す。出だし好調。
2章が始まり夫婦の過去が明かされる。先が気になる。
3章ではひかりのパートに。ひかりの過去~現在までが書かれている。それは暗く重いものであった。しかし、ところどころで(若気の至り・自業自得の範疇なのでは…)と思う部分もしばしば。
そして最終章。なかなか話の終着点が見えてこない。どんな結末を迎える事になるのか…もしかして鬱エンドを迎えるのか…?と思い読み進めていく。残り数ページ…。
なるほど、そうやって物語が締めくくられるのか。
とは言え、手放しで読後感が良かった、と言えるものではなかったかな?と言うのが率直な感想であった。スッキリとした終わりであるのだが、3章で感じたモヤモヤが晴れる事が無かった。
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結末があっさりしてて拍子抜け。んなアホな。
感動せんならんはずなんだが、誰の気持ちにも寄り添えず。冷めてるなー。
ド直球の眩しい朝。
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子どもを産んだ母親。
子どもを産めずに、養育する母親。
どちらの方が子を思う気持ちが強いかなんて、比べることはできないし、子を産んだから絶対に子を愛するとも限らない。
子どもを産めずに養子として育てている母親、産みの母親、様々な視点から、それぞれの女性の生き方が描かれている。子を産み、手放した女性、子を産めなかった女性。
どちらの女性の歩んできた道は、とてつもなく険しいと思った。
帯にあるような号泣はなかったけれど、子を持ったこともないけれど、読後ずっと胸の奥底に残る話だった。
結末は曖昧だけれど、最後は二人の女性に日が差したのではないかと思う。読後は悪くなかったです。
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はじめの展開がよかったかな。半ばから後半はあまりいい気持ちにはならず。子供の親にはなかなか悩ましい話。小杉の地名は懐かしかった。
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今、ハマってる作家さんなので、新刊発売日に購入して読みました。
女性とか男性とか。大人とか子供とか。子供が欲しいのに出ない人と産むつもりもないのに妊娠してしまった人とか産んでも育てられない人とか…同じ出来事でも、その捉え方はその人の立場によって全く異なる。辻村深月さんという作家は、当事者でないとわからない心理描写を表現するのが本当にうまいと思いました。最後はきれいに終わりすぎたかな?感もありましたが、スッキリな読後感を味わえました。面白くて一気に読んでしまいました。
ただ一つだけ、装丁が写真なのが個人的に残念なので星ひとつ減らしました。