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辻村さんの描く物語のなかには、イタい子どもが出てくることが多く、過去の自分とどこか重なる部分があって、登場人物の感情に共感するということが多い。今回の作品は、子どもではなくて、「イタい大人」が5人出てくる。どれも読んでいて、イタくて、苦しくなる場面がある。ここまでの極限は経験なくとも、似たような感情は持ったことがあったりする。おまけの、林真理子さんとの対談も、面白い。
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話すべきことがあったと思う。
話すべきだったのだと思う。
でも、できなかった。
話すことができなかった。
何もできなかった。
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どれもこれも、怖い話ばかり。
「芹葉大学の夢と殺人」の雄大がもうダントツに怖い。
サッカー選手て!!
でもこんな若者、いそうだな~。ここまで極端ではなくても。
「君本家の誘拐」は、私も子育て経験者なので気持ちわかる。
これは旦那が悪いな。
これが辻村さんの直木賞受賞作だったんだ。
「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」くらいでとったのかと思ってました。
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田舎の女達の短編集。
直木賞受賞作。
出てくる男も女も残念な人がいっぱい。
だけど自分もたいして変わらないんじゃないのかと思ってしまった。
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短編小説。
どれも、どこかでこんなニュースあったような…って場面を舞台にしたお話。
引き込まれるお話。
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直木賞受賞作品。
普段あまり短編集は好んで読まないんだけれど、こちらは直木賞受賞作品ということで前々から気になっていた一冊。どの作品も、奥行きがあるというかジワジワと奥からやってくる恐怖感に似たものが逆にワクワクするような…
どの主人公も自分とはかけ離れているようで、でもどこか似ていて共感できる場面があったり。
『女はすべて、小動物や子供をみたら無条件に「かわいい」と言わなければならないのだろうか。私は子供も嫌いだった。結婚した友達の家に遊びに行くたび、横で騒ぐ子供を見てうんざりする。口に出せば極悪人のように責められるだろうから、絶対に言ったりしないが、正直、勘弁して欲しかった。』
私の気持ちを代弁したこの文章に唸ってしまった。本当にその通りだから。声を大にして言ってみたいし、作者が分かってくれてることが嬉しくて。
だけどまた、愛娘の咲良を愛おしいと思う良枝の親心だって痛いほど分かって、そんな存在がいる良枝を羨ましくも思えたりするから不思議。
そんな風に私の心を揺さぶってくれる一冊ではあるけれど、もっともっと好きな作品があるので★は少なめ。
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2015年の30冊目です。
久しぶりの読んだ小説です。
辻村深月さんの作品を読んだのは、これが初めてです。
第147回内木賞受賞作。5つの短篇から成っています。主人公は、皆女性です。
「どうしてこんなことになってしまったのか?」
各短編の主人公である女性たちの人生の暗転を描いたものです。
次の5編が収められています。
・仁志野町の泥棒
・石蕗(つわぶき)南地区の放火
・美弥谷団地の逃亡者
・芹葉大学の夢と殺人
・君本家の誘拐
「仁志野町の泥棒」
小学校の時にやってきた転校生のお母さんに窃盗癖があるという設定。
それを知り、自分の取った対応が二人を含めた友人関係に影を射していく。
胸に苦いものが残る終わり方。
「石蕗(つわぶき)南地区の放火」
一度は突き放した合コンで知り合った男性が、自分と再度会うため、放火を犯すというもの。
しかし、男は”ヒーローになりたかった”と動機を話す。
女性は、自分との関係をいつ男が動機として話すのかという恐怖に苛まれることに、、、。
「美弥谷団地の逃亡者」
優しく、自分の母とも気が合っていた男が、最後に母の命まで奪ってしまう。少しサイコっぽい感じがします。
「芹葉大学の夢と殺人」
この話が、最も”暗転”を感じさせる内容です。この話でもそうですが、主人公の人生を暗転させる男性たちは、
皆、愚かで、自分勝手で、幼稚な存在です。
ある意味ではすべての男性が持っている特性ですが、自分もそういう要素を持っているとみられているのかな?
とちょっと憂鬱になります。
「君本家の誘拐」
子育てに奔走し自分自身を見失っていく若い主婦の行動の切迫感が伝わってきます。
ショッピングモールでふと気がつくと、ベビーカーに乗せていたわが子が、忽然と姿を消してしまう、、、。
辻村さんの小説の読者は若者が多いとのこですが、この作品は、若者向けというより、
若者から大人に成りたての女性たちが、少しずつボタンを掛け違えて生きていく様を描いているようでした。
当然、私は女性ではないので共感は難しいが、人の織りなす些細な心のすれ違いや、
分かりあえないことの当り前さといった、「ちょっとした」人との関係の齟齬が、重大な結果を生み出しています。
そして、それは、誰にでも起こりそうなことに思えて、思わず読みふけってしまいました。、
おわり
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ドラマを観てからの読書。
ドラマはイタ過ぎて観ていられなかったが、小説は内容を知っているからかそうでもなかった。
小説を読んでみると、「芹葉大学の夢と殺人」は「鍵のない夢を見る」がタイトルでもいいように思えた。一番本のタイトルに合っていると思った。
短編だったのでサクサク読めた。「仁志野町の泥棒」がおもしろかったかな。
最後の解説が林真理子さんとの対談でお得な感じ。
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五編の独立した短編集であり、それぞれ冒頭に核となる事件が提示されてからそこに至るストーリーが語られていく。ラストはさらにひと工夫されており、いわゆる倒叙式とはまた一線を画した構成で予想を裏切る展開が緊張感に溢れている。
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いや~な気分で読み終わるミステリーを
この頃ではイヤミスというけど
ミステリーというのではないけれど
この短編集も後味悪いな…
人の心の汚いところ、わがままなところ
なさけないところ、本能のままなのかな
どうしてこうなっちゃうんだろうと思いながら
ドンドン暗くなって読んでました
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5人の女性が主人公の
後味ビターな短編集。
現実に追い詰められて 、
一線を 越える?越えない??
ギリギリの女性心理が
細やかに描かれてて。
最後2編は、うなりながら読みました。
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・仁志野村の泥棒
田舎に帰っても思うし実家に帰っても思う。
なんで鍵をかけないの?
つか、
この鍵のない夢を見るはここからきてるの?
・石蕗南地区の放火
文中にも出てくるけど八百屋お七かと思った。
けど、
そうきたかのどんでん返し?
想像はついたからおもしろく読めたのは文章のなせる業かな?
・美弥谷団地の逃亡者
びっくりでしたね。
でも、
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。の匂いがしつつでしたね。
・芹葉大学の夢と殺人
ダメンズ。
つか、
未玖が怖い!
坂下だけじゃないよ壊れてるの!
・君本家の誘拐
これは言うほど僕は響かなかったなぁ。。。
ただ、
産んだことある人には共感を得られるんだろうねって思う。
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歩道と車道の間の縁石の上を、あるいは欄干の無い橋の縁をバランスを取りながら歩いている女性を「一歩、歩道側を歩けば良いのに」と思いつつ見守っているような、不安定感とハラハラ感溢れる短編集。
縁石から車道に落ちてしまう者、落ちかけるものの間一髪で助かる者、現実と幻想の狭間のような文章に不安感は一層増す。
疲れ、ストレス、恋愛の霧で霞んで見えない明日に、誰しもいつの間にか縁石の上を歩いているのかもしれない。
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どれも希望がなくて、読んでいてシュンとしてしまった。今自分が読みたい本ではなかった。20150819読了
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2015-91
やはり閉塞感を掬いあげるのが上手な作家さんだと思う。
子どもを産んだいま、君本家の誘拐は共感はできないけど理解は出来る気がした。