紙の本
半世紀もの長きにおいて大女優として活躍した高峰秀子氏が単身でパリに渡り、普通の生活を始めた頃のエッセイ集です!
2020/06/17 10:42
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、半世紀もの長きにわたり大女優として活躍してこられた高峰秀子氏が、1951年6月に単身パリへ渡り、そこで初めて体験した普通の生活を描いたエッセイ集です。その頃は、ちょうと女優としての絶頂期で、どうして祖国を捨て、単身で遠い異国の地の生活を選んだのでしょうか?同書を読むと、その謎が少しわかるかもしれません!同書では、「出発」、「ブラッセルまで」、「パリについた日」、「マドモワゼル・ソレイユ」、「パリのチャーチル会」、「パリ祭」、「アッシィの教会」、「セーヌ河のシャンソン」、「パリの素顔」、「蚤と裸と名画」、「マロン・ショウとすみれの季節」、「アメリカかけある記」、「徳川夢声さんとの対談」といったテーマで異国での生活が生き生きと描かれています。
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1951年、27歳、高峰秀子は突然パリに旅立った。女優から解放され、パリでひとり暮らし、自己を見つめる、エッセイスト誕生を告げる第一作の初文庫化。
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女優である著者が、本業を休んで旅したパリとアメリカ。
昭和20年代後期のはなし。パリは、今どきのように直行で行けないような遠いところ。
後半の対談や、娘(養女)による解説にもあるが、幼少期から芸能の世界で生き、20代にしてすでに大女優の地位を築いていた著者は、「女優の高峰秀子」ではなく、「一市民の平山秀子」として過ごすために、パリ(でなくて、日本以外のどこかで良かったのかもしれないが)へ向かった。
20年以上、芸能人として常に人々に見つめられる生活。7か月にわたる「長期休暇」は、20年間のガスを抜くために必要な期間だったのだろう。
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高峰秀子の初著作である。文章はまだ拙いところもあるが、やはり面白い。27歳にして有名女優という人生を生きていた女性がふと立ち止まって、ただゆったりとパリで暮らしてみた、というだけのお話なのだが。帰路ニューヨークにも立ち寄って、旅券の不備でエリス島の監獄?に入れられたこと、留学中の月丘夢路や女優を引退した竹久千恵子に会ったことなども記されている。
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表紙を初めとして写真に収まっている著者が素敵で見とれてしまいます。文章も軽やかでやっぱりパリのパンが食べたい…と思ってしまいました。
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「27年生きてきて、思い出がひとつもない。誰も何も思ってくれなくても、自分ひとりが思い出して楽しめるようなものがほしかった。」
「普通の人間同士が普通に付き合うとき、どれくらい親切にしてくれるものなのかわかんなかった。私はそれを知りたかった。」
普通の人生ってありがたいな。
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27歳の超人気女優による65年前のパリ滞在日記。
羽田からプロペラ機で香港、カルカッタ等いくつも乗り継いでの花の都。
が、終戦直後で意外や冴えぬ景色。されどハレの空間で少し脱線気分のコロコロ転がるような美文が楽しい。米国立ち寄るもエリス島に幽閉される話も。
<その他の書籍紹介>
https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/
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2024.3
たまたまフランスらしい有名なクレープ屋さんで
読み終えたのがとても良かった
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私にはまだまだ知らないことがたくさんあるようだ。逃げてしまえばそれまでだが、私はにげずに知りたい、何でも、どんな小さいことでも。
<この淋しさを無駄にしてはならない。いつかこの淋しさを、楽しかった思い出として懐かしむようになりたい…いや、なるんだ。>
ーで、なりましたか?
-なりました。