紙の本
やるな~
2015/10/16 20:54
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投稿者:イワポン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の「しずかな日々」に大感動し、今作も期待して購入した。偏見かもしれないが、よく女性がここまで男の子を主人公にした物語を描けるのかと感心させられる。今回も見事な作品であったが、「しずかな日々」には及ばなかったと思う。
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椰月美智子さんのYA小説にはハズレがないなと改めて感じた作品。
でもこれわたしどこかのアンソロジーで短縮版(加奈太がキャンプをして対立しながらもなんとなく仲良くなってお別れという簡潔バージョン)読んだことあるんだよなぁ…どのアンソロジーだろ。
親子二世代にわたる14歳の物語。
征人は妻と離婚し息子を引き取り児童文学小説家として働くシングルファーザー。反抗期、思春期真っ只中な息子の取扱に苦戦し、思いつきで自分の生まれ故郷の離島、天徳島へ発つ。そこで自身の30年前、つまり14歳のあのころと、自分の息子の14歳の現在を見つめる。
泣けたなぁ。ラストの加奈太とキャンプで出会ったその他5人の別れのシーン。衝突ばかりだった中で友情を見つけ、互いに尊敬し良いところを見つけあう。THE青春。
わたしにとって14歳は14年前か。楽しかった記憶のが多いけれどでも、苦戦もたくさんしたなと思い返し、また感慨深いものになった。
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椰月さんの描く14歳男子のリアルさに、思わず「椰月さんって男だったっけ?」と。
14歳って女の子もそうなんだけど、愚かで純粋で不器用でいつも何かに怒っていて、だけど繊細で。何をやってもうまくいかないもやもやした世界の中でたった一人で生きている。そんな14歳の夏は、きっと誰の心にも甘くて苦い傷と共に残っているはず。
南の小さな島で神様と「死」のそばで過ごしたキャンプが加奈太たちの心に残したたくさんの思い、そして手に入れた「友情」は、きっと何十年経っても決して消えない、ずっとそばにあるわけじゃないとしても。
大人になった私たちにもきっとあったあの夏を、思い出してほしい。もやもやの中でもがいていたあの頃を。何かを失くし、何かを得た、あの夏を。
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角川から出ていたアンソロジー「ひとなつの」に所収されていた「3泊4日サマーツアー」を基にした長編。
孤島でのサマーキャンプに参加した息子・加奈太が、反抗期から一歩を踏み出して、少し大人になったのかな。
読んでいて、そして帯にある「おやじと初めて呼んだ夏」というところがとてもほほえましい。
中学生のひと夏を描いただけではなく、島の風習やしきたりに向かい合う島の人々の暮らしだったり、父親・征人の思いだったり、様々な要素が盛り込まれていて、大人の自分も、考えされられる部分がある作品でした。
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中学2年14歳の夏休みの物語。島でキャンプをして過ごした6人の仲間との思い出。初めは派閥が出来ていたけど、ある事をキッカケに仲直りし、その後はもう6人で楽しく過ごしまくった。こんな経験を自分も子供の頃してきたので、とても共感があり、楽しく読めた。椰月さんが描く小学生、中学生は何時もとても個性があり、それでいてとても親近感が湧く子供たちだ。
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今自分の息子が14歳。
たまたま今年の夏休みはゆっくりと里帰り
(とは言っても大阪ですが)
なんとなく、夏休み中に読み終えたほうが
よかったなあと思う内容です。
中学男子は、昔も今もバカだなあと思います。
最近修学旅行に行ったみたいですが、
そこでもバカな話をいろいろ聞かせてもらいました。
私も14歳の夏休みは、四国から大阪に引っ越しして
すぐに高校受験があって。なかなかハードな
1年だったのではないかと思います。
でも、この年代の中学男子はバカなりに友達を
大事にしたり、将来のことや親のことを考える
ようになるのでは無いかと思い。そういう青春を
息子にも味わってもらいたいなあと思います。
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+++
好きなサッカー部も辞めてしまった中2の加奈太。最近、息子の気持ちが掴めない征人。
夏休み、そんな父子が征人の故郷の島にやって来た。加奈太はキャンプで出会った子供達と交流を深める。
30年前の夏、中2の征人。父親が漁から戻らない。
息子と父親、そしてかつて少年だった父親の視点で交互に描く、青春&家族小説の感動傑作!
+++
14歳という微妙な年齢の少年の成長を、父と息子の二代を交互に並べることで、鮮やかに描き出し、さらに、父と息子の間の壁をも取り払う巧みな成り立ちになっている。世界は自分中心に回っているように錯覚し、それに外れる事々に怒りを向け、悶々としながらもとげとげしい日々を過ごしている加奈太が、父の実家の島で、中二限定のサマーキャンプに参加した四泊五日は、現在にもこれからの人生にもかけがえのないものや人に出会った貴重な日々だったと、加奈太だけでなく、参加したほかの五人も、心から思ったことだろう。憎まれ口をきいても、突っ張っていても、14歳である。これから限りなく伸びていく可能性を感じさせてくれる一冊だった。
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映像の浮かぶ作品。
爽やかで瑞々しい。
最近若者が主人公の話を読むと
幼さにどうも感情を揺られないのですが、
この作品は良い意味で淡々としていました。
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青春、反抗、自意識過剰、思春期・・・。子供から大人へと変化していく14歳を飾る言葉は多様で複雑。もやもやしながら過ごしてしまうが、後で振り返ると、妙にまぶしい。
そんな14歳の少年たちの今と、その父親の14歳のときの思い出が交錯しつつ、ストーリーが進んでいく。波乱はあっても破綻はない、まぶしいばかりの青春小説。できすぎな感じがないでもないが、読後感もさわやかで、大人も楽しめる仕上がりになっている。
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神様、妖怪の存在はともかく、人間の力が及ばない定めのもとに生かされているという心持ちでいることが、大切なのではないかと感じた。
あらゆることに感謝の気持ちをもって接したい。
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14歳って、こんな感じだったなぁ、と懐かしく感じるシーンが多数あります。終盤で、大したことでもなく笑い転げるとか、思い出しました。
とはいえ、話の筋はシンプルで小説として面白かったかというと、それほどでもなかったかもしれない。中学生向けの小説なのかな?
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中2の息子と30年前中2だったお父さんの話。進行の方法がとても面白く、その時期しかできないことの大事さが潜んでいる。友達、家族などいつも空気のように当たり前だと思っている、大切さを忘れていたモノについてもう一回考えることになった。今日はお母さんと久々おしゃべりしたいなぁ
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14歳中学2年生の息子とかつて、14歳中学2年生だった父の時を超えて重なる14歳の少年たちの『神様の島』での物語。厨二病真っ盛りの加奈太。見ているだけで痛々しいが自分自身も14歳の頃は親に対して、厨二病を発揮していたであろうから他人事ではない。『神様の島』でキャンプをする事によって、徐々に変化が見えてきたあたりから楽しさがアップ。ページをめくるスピードもアップ。青春や新しい友達との出会いって素晴らしいなと思った。
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読後感がさわやか。
私まで離島に行ってきたみたい。
父と息子の関係、少年たちの友情、それぞれの変化が手に取るように伝わってきた。
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「二人の少年が過ごしたのは、『神様の島』」という帯の言葉に迷いなく購入。
数年前に訪れたK島を思い出す。K島もイラブ―の燻製が有名で、やっぱりその島の土地は個人所有ではなく地割制で。入っていい場所とダメな場所がある。ほんの数時間だったけれど、島の人に案内してもらって、本当にびっくりしたことを思い出す。入ってはいけない神様の領域(だったかな?)に近づいた途端、空気がさっと変わったあの感覚は忘れがたい。
神の存在を信じ、敬う。見えないものを尊重できるそののびしろに憧れる。
K島を想像しながら、そこでミステリーキャンプなんてうらやましいと純粋に思う。このミステリーキャンプ(このミステリーの意味もまた素敵!)に参加したのは6人の中学2年生男子。主人公の加奈太は思春期まっさかりの自分をもてあましていた。近しい人に対して素直になるのって、難しいよね。でも、ほどよい距離にいてくれる人には素直になれる。素直になれる誰かがいることが大事なのかもしれないなと思う。
それぞれが5日間で「見つけたこと」。ミラクルが見つけたものが素敵だなと思う。子どもの世界の子ども同士の関係はひょんなことからくるくる変わる。どうしたらそれぞれの良いところを見つけて関係をつくっていけるのか、小さなきっかけをたくさん蒔けるといいのだけどなぁ。